雨音だな
眠り込んでいた
その意識の
深い奥底だ
意識が、ぼんやりと
目覚めを、始めて
そうだ、雨音
湧き上がってくる
意識の広がり
その隅々まで
沁み渡る
雨音
眠り込んでいた
おまえを
包んでくれていた
我が家を
間断なく、泌みるように
叩いている
雨音
その果てから
鳥たちの囀り
少し、切り裂く
エンジン音
空からは
突然に湧いて
押し被さる
ジェット音
遥かな咆哮
でも、今朝は
雨音
柔らかく遮る
その止むことのない
呟きは、穏やかで
荒ぶるジェット音さえ
包み込んでしまった
冬の朝
きっと、凍てつく雨
まだ、おまえは
眠りから覚めたまま
寝床に、ぬくぬく
包まれたままで
聞いている雨音
きっと風がない
だからかな
今朝の雨音は
絶え間ないけど
少し、優しい
そうだね、確かに
雨は、本当は
きっと、優しい…