高校生のおまえ
精神的には、結構な
引きこもりだったな
それで、学校からは
凄く、早く帰る
でも、冬の夕方だから
暮れるのは、早い
母さんは、出掛けている
父さんも、婆さんも
亡くなった後だ
兄や、姉は
帰って来るのは
夜だろう
まだ、外は
黄昏れで、少し明るい
でも、鬱陶しい
雨戸を、閉めちゃおう
蛍光灯の灯り
セピア色
誰も、なんにも
関係ない
おまえだけだ
なんか、しあわせだな
なんでか、分からない
生きていて、でも
誰にも、煩わされない
それが、多分
しあわせ、なんだろう
こたつは、掘り炬燵
以前は、炭だったけど
その時には、もちろん
電熱器だよ
だって、もう
昭和40年代も
半ば過ぎだから
炬燵の上には
竹かごに、みかん
あんまり、みかんはね
おんなじ酸っぱくても
本当は、りんごが好きだ
みかんの酸っぱさの方が
より、刺激が強くて
思わず、顔を
しかめちゃうんだ
でも、みかんしかない
仕方がないな
みかんでも、食べよう
一個、手に取る
まだ、外は
夕闇で、少し明るいはず
でも、部屋は
戸締りしたから
夜の、蛍光灯の世界
だから、セピア色
みかんは、でも
そのセピア色の世界で
みかん色に、鈍く輝いて
酸っぱそうだな
思わず、口元を
すぼめている
そう言えば
これは、みかんだけど
高校の教科書に
初めて知った作家の
『檸檬』と言う短編があった
詩みたいな、感じがした
「丸善」の本の山の上に
檸檬を、爆弾として置く
それで、「丸善」を爆破する
そんな話
いや、そんな訳ない
それは、妄想
作家は、妄想だとして
書いてあるじゃないか
でも、檸檬が
爆発すると良いなって
アタマのおかしい
おまえは、思う
そう思いながら
セピア色の光の下で
でも、ちょっと刺激的に
でもでも、ちょっと
セピア色な、みかん色に
鈍く輝いている
みかんを、剥き始めている
あっ、泌みる❗️
凄く、泌みる‼️
手を、止めた
ああっ、ついてない
セピア色の光の下で
指先を、見る
ささくれてるよ…
おまえは、なんでか
その時に
みかんと、ささくれを
詩に書いたと思う
どんな詩だったかな
ぜんぜん、思い出せないんだ
書きつけたノートは
しばらく、持っていた
でも、しばらくして
捨てた…
そう言う鬱陶しい過去
そんなものは、いつも
おまえは、すぐに
捨てていた…
精神的には、結構な
引きこもりだったな
それで、学校からは
凄く、早く帰る
でも、冬の夕方だから
暮れるのは、早い
母さんは、出掛けている
父さんも、婆さんも
亡くなった後だ
兄や、姉は
帰って来るのは
夜だろう
まだ、外は
黄昏れで、少し明るい
でも、鬱陶しい
雨戸を、閉めちゃおう
蛍光灯の灯り
セピア色
誰も、なんにも
関係ない
おまえだけだ
なんか、しあわせだな
なんでか、分からない
生きていて、でも
誰にも、煩わされない
それが、多分
しあわせ、なんだろう
こたつは、掘り炬燵
以前は、炭だったけど
その時には、もちろん
電熱器だよ
だって、もう
昭和40年代も
半ば過ぎだから
炬燵の上には
竹かごに、みかん
あんまり、みかんはね
おんなじ酸っぱくても
本当は、りんごが好きだ
みかんの酸っぱさの方が
より、刺激が強くて
思わず、顔を
しかめちゃうんだ
でも、みかんしかない
仕方がないな
みかんでも、食べよう
一個、手に取る
まだ、外は
夕闇で、少し明るいはず
でも、部屋は
戸締りしたから
夜の、蛍光灯の世界
だから、セピア色
みかんは、でも
そのセピア色の世界で
みかん色に、鈍く輝いて
酸っぱそうだな
思わず、口元を
すぼめている
そう言えば
これは、みかんだけど
高校の教科書に
初めて知った作家の
『檸檬』と言う短編があった
詩みたいな、感じがした
「丸善」の本の山の上に
檸檬を、爆弾として置く
それで、「丸善」を爆破する
そんな話
いや、そんな訳ない
それは、妄想
作家は、妄想だとして
書いてあるじゃないか
でも、檸檬が
爆発すると良いなって
アタマのおかしい
おまえは、思う
そう思いながら
セピア色の光の下で
でも、ちょっと刺激的に
でもでも、ちょっと
セピア色な、みかん色に
鈍く輝いている
みかんを、剥き始めている
あっ、泌みる❗️
凄く、泌みる‼️
手を、止めた
ああっ、ついてない
セピア色の光の下で
指先を、見る
ささくれてるよ…
おまえは、なんでか
その時に
みかんと、ささくれを
詩に書いたと思う
どんな詩だったかな
ぜんぜん、思い出せないんだ
書きつけたノートは
しばらく、持っていた
でも、しばらくして
捨てた…
そう言う鬱陶しい過去
そんなものは、いつも
おまえは、すぐに
捨てていた…