落語が好きだった
精神引きこもりだけど
冗談が好き
お笑いが好き
でも、特に落語好き
学芸会では、落語風に
着物を着て、漫談みたいな
本を読んでいた思春期には
落語の口述本を買った
文庫本で、いっぱい
見聞きもするけど
本だと何度も読み返せる
何度でも、ひとり笑い
ただ、それだけじゃない
怪談が好きだった
それも、落語家さんの怪談
怖い中に、少しくすぐり
じんわり背筋が寒くて
時々、くすっと
それが、良かった
でも、考えてみれば
何だか、おかしい
おまえは、無神論で
あの世を信じない
なのに、あの世話だ
どうして、だろうか
そうだな、科学には
限界があるな、と
そうも思った
未知があると言うから
ただ、その未知を
かみだのほとけだの
あの世とかも
本気では、考えないおまえ
でも、未知はあって
それは、かみやほとけでもなく
ひと程度の思うあの世など
つまらない与太話
その程度にしか思えない
そんなおまえも
未知、何か
あるともないとも
思えないけど
でも、何となく
畏怖はしていた
それを、下世話な
怪談話で、埋めて
畏怖、恐怖
楽しんでいたのかも知れない