玄関を開く
真っ暗闇
いやそれは、背景
玄関灯が、頭の上
階段下、見下ろすと門灯
振り仰ぐと、街灯がある
みんな、LED
今は、LEDだ
明るいだけじゃない
切り裂いて来る光
だから、この真夜中
闇は、ずっと後ろにある
昔は、灯りは
みんな蛍光灯だった
思い返せば、優しい光だ
そんな光には
闇は、包み込んで来る
でなければ、のしかかって来た
今は、違うな
闇は、LEDに切り裂かれる
後ずさった闇は
背後に、ひっそり潜む
のしかかっては、来ないけど
でも、包んでくれる事もない
まず、LED
鋭利な光のナイフ
切り裂かれて
背後に潜む闇は
馴染まない、よその闇
そう思うと
首筋が、少し冷んやり
でも、街灯の光
鋭利な光のナイフ
切り裂かれた目眩し
その眩んだ目を細めて
更に、上へ、奥をと
降り仰ぐ
浮かび上がって来る
無数の星たち
闇は、暗いけど
ひっそりと、星たちが輝く
果てしない彼方から
降り注いで来る、光
その光を感じた時
真夜中にひとり
この闇に、包まれている
そう思えた…