卵と私の日常サタン事

認めたくないけど…
金銭に余裕がある時は
ストレスも比例してたまって…
貧しい時は…何だかんだ楽しいwww

シン・エヴァ 〜沌〜

2023-11-26 10:04:55 | 日記

(ケース1)【碇シンジの場合】




あれは銃声だったのかな?
乾いた音…そして衝撃。
衝撃…


 それは
 どこまでも永遠に続き


ボクは撃たれたのか?
…だったら死んでる…
まさか…死んだのか?


 その道は
 どこまでも白く


いや…待てよ…
そもそも…
銃で撃たれたこと
なんてないから
わからないや。
記憶…


 時折
 闇に消えてしまいそうな


そうだ記憶…
記憶が…ないや…
どこからだろう?


 ジリリリリ…


ボクの名前…
わからない…


 白い
 ただ白い
 その道は


ここがどこだか…
わからない…
というより…
真っ暗だな…


 ジリリリリ…


あるいは
まだ意識を
取り戻していないのかも…
でも…
こうやって考えてる。


とはいえ…
手足の感覚もないし
なにより
実感というものがない。
【生きてる実感】
まいったな…
でも
今までもこれといって
生きてる実感なんて
感じたことは
なかった…

 ただ
 永遠に続く
 寂しい道…

そもそも実感ってなんだ?
形があるものなら
触ることが出来るけど…
【生きてる】って概念を
どうやって実感しろって
言うんだ?

 ジリリリリ…

愛だってそうだ。
自分では
愛されているって
思っていても
実際は
そうじゃないって場合も…

なんだか…
すごく…
眠たくなってきたな…

 白い
 ただ白い
 寂しい道
 それは
 どこまでも

寝ようか…
いや…あるいは
まだ寝てるのか?
どっちでもいいか…
もう何も…
考えないようにしよう…

 ジリリリリ…

やれやれ…
ずっと…
目覚ましが鳴ってる。
誰かとめてくれよ…
まったく…





(ケース2)【綾波レイの場合】



綾波レイは
その場から動けなくなった。
大勢がざわめくこの場所で。


 時間が


止まったような錯覚に陥る。
音の全てが
頭に突き刺さり
心臓は破裂しそうなほど
鼓動を打っている。

もはや
立っていることすらできなかった。
頭が平衡感覚すら保てない。
視線が痛い。
呼吸は荒くなり
深呼吸ができなかった。
こんなに人がいるのに
助けを求めることができない…

いや…いるからこそ。


 こわい…


何が怖いのか?
涙が止まらない。
その場に頭を抱えてうずくまる。
近くの壁に
身体をもたれかける。


 どうして?


恐怖で
頭の中は混乱を極める。
呼吸はだんだん浅くなって
吐き出すことはできても
吸うということが
できなくなる。


 意識が遠のく…


なぜ
記憶なんてものが
あるのだろう?
生きることと
記憶ということは
ほぼ同じ意味で…
そんなことは
もちろん知っている。
時間は記憶が生成している。
そんなことも知っている。


 でも…なぜ?


記憶なんてものが必要なのだろう。
なぜそうした構造のなかでしか
私達は生きられないのだろう。
こんな問いに
答えがないことも知っている。
だけど問いかけてしまう。

綾波レイの
古い記憶が…
生々しく蘇ってくる。

綾波レイは
声を出さずに泣いた…



【碇シンジの感覚】



飛び降り自殺を
目撃した友人の話を
思い出していた。
飛び降りていく人間は
黒い棒に手足がはえた
そんなふうだって言ってたな。

ビルが無数に並ぶ街。
いつの間にかそこにいて
街を出ようとしたけれど
何処へ行けばいいのか
分からなくなって…
通りがかりの奴と
喧嘩になってしまう。

闇雲に殴りつけ
鼻息を荒くして
そして相手を殺してしまうと
我にかえって…
自分の馬鹿さ加減に
笑った。




何故殺した?



わからないよ!




何故殺した?



ほっておいてくれ…



部屋に帰り
ベッドに
腹這いになりながら
手を伸ばし
消え去ってしまった
彼女の温もりを
探すことから
始めてみた。

目覚めてから彼は
一度も呼吸を感じなかった。
これが死かと思う感覚は
やがて
現実というものに
激しく突き刺さり
何が始まりで
何が終わりなのか
すっかり
解らなくなっていた。




【綾波レイの涙】



綾波レイは
声を出さずに泣いた。

それは彼女の癖であり
ささやかな防衛手段でもあった。

綾波レイの右肩には
火傷の痕があったが
それは母親が
火を消した直後のガスコンロに
押し付けた為に
出来たモノであったし
身体の随所にある痣は
折檻によるものであった。

綾波レイは…決して
恵まれた家庭環境で
育てられたとはいえなかった。

父親は事故でなくなっており
実の母…
ユイの手によって育てられた。
父親のゲンドウは
近所の木工所で工員として
働いていたが
残業中ひとりで
機械を操作していた為に
ボタン操作を誤り
直径2mもの鋸に
巻き込まれて
まっぷたつになってしまった。

ちょうど
夜食を届けに来ていた
ユイの眼前で起きた
惨劇であったが
当時三歳のレイは
肉片と化したゲンドウに
縋りつき慟哭する
ユイの眼中に
はっきりとした
狂気を感じ取っていた。

しかしユイは
もともと寡黙な
女であった為に
毅然とした態度を
演じる事が出来た。

その代わり
彼女の心に鬱積した
ストレスの捌け口は
レイであった。

決してユイは
レイを…我が子を…
愛していない訳ではなかった。

ただ余りにも強い
哀惜の念が
悪疫の様に彼女を苛み
内なる狂気を引き起こす
誘引となっていた。

ユイは
レイを折檻した後は
必ずといっていいほど
…泣いた。

レイを抱きしめ
愚痴をこぼす。
そしていつしか
…眠りにつく。

その横で
綾波レイも丸くなって眠る。
しかし…
布団で寝れる訳ではない。
黴臭い畳の上で
小さく震えながら眠るのだ。

しかしそれは
まだマシだった。
ユイの機嫌が悪い時には
レイは…
氷の様に冷たい
台所の板の間に
追いやられた。

別に母親ユイが
監視している訳ではなかったが
母に服従する事で
それ以上の
酷い仕置きを
受けない様にという
幼い少女…
綾波レイの
それは…
自己防衛でもあった。

折檻の痕の
どす黒く変色した痣が
じくじくと疼いたが
餌を食いながら
綾波レイは
めったに感じる事の無い感情が
湧き上がっている事に
驚嘆していた。

しかし…
弱冠五歳の
綾波レイにとって
それが

 『幸福』

であるという
感情だと理解するのは
不可能であった。

…三日ぶりの…エサだった。



【シンジと綾波の潜在意識】



静寂。

夢にうなされ
目を覚ますたびに
天上の闇の中に
浮かび上がる
恐怖という潜在意識が
ありとあらゆる不幸が
目の前で両手を広げていた。

綾波レイは
碇シンジの腕の中で
小さく包まり
びっしょり汗に濡れていた。

「平気かい」

「幸せかい」

「怖くはないかい」

そんな台詞を
口にすればするほど
愛は醒めてゆく。

彼女のせいじゃない。
いったいボクは
何を探していたのか?
愛のほかに
何のための言葉を
探し出すというのか?

綾波は目を覚まし
こう言った。

「優しさすら
痛みになることも
知っているの…?」

その言葉が
とても冷たく聞こえたのは
碇シンジ自身が
怯えていたせいだろう。

「ひとつだけ
教えてくれるか?
綾波…
今…君は…幸せかい?」

綾波レイは
碇シンジに
たくさんの言葉で
少しだけ…話した。

「幸せなんて…
求めてたら…
きりがないわ…」




【綾波レイの離脱】



生きるということは
いつも繰り返し。
いつも同じ台詞。
いつも同じ作業。
考える必要などない。

だから私は
いともたやすく
そこから離れていける。

だから私は鍵をかける。
誰もいないこの部屋に…
今日も現実を閉じ込める。

世界の現実が
誰も傷つけないように。
溢れる悲しみで
自分が溺れないように。
私を取り巻くものが遠くなる。


 ああ またか


遠いところで私は思う。
自分から世界が遠ざかる。
私と現実との距離が
ふうっと離れていく。
中途半端に
現実と非現実との
界面を漂っている。

私はいつも
ちょっとだけ離れたところから
私自身の事を見ていた。
自分自身のことなのに
いつも他人事のように思えていた。

 笑って

 怒って

 泣いて

 驚いて

そうした感情を発しながら
同時に観察し分析していた。

 涙の理由

 怒りの原因

 喜びの対象

 驚愕の思念

観察と分析を前に
私の感情は
すうっと消えていく。
もろもろの感情が実際に
そこにあったのかさえ
解らなくなってしまう。
寂しくて不安で苦しいけれど
私は
それほど嫌じゃない。
代わりに私は
世界を知った。

現実の中で息をして
動いて生きている私がいる。
それからその様子を
ちょっとだけ上のほうに浮かんで
眺めている私がいる。
地上の私は泣いていて…
浮かんでいる私は
それでも…
地上に焦がれている。

こんなに私に触れたいのに
怖くて手を伸ばせないでいる。


では…あなたは何故
ここにいるの?


…ココに居てもいいの?



綾波レイは心を閉ざした。



【碇シンジの領域】



 本当の孤独を知る…
 漆黒の暗闇を視る…
 無音の恐怖を聴く…

 存在の否定。
 完全な孤立。

 喪失感
 虚無感

 絶望
 失望

 死

暗い闇に堕ちた!
そこは心の中だった!
深く暗い…
無意識という名の…
深海…

戦う敵がいなかった…
自分と闘おうにも
存在が無かった…
そこに在るのは…
無という概念。

誰かを信じる前に
自分を信じられない…
自分を欺く。

重要なのは
自分が今
どの領域にいるのか
ということ。

心を海に例えるのならば…
光射する表面部分が
碇シンジの意識だ。
光のあたらぬ闇の世界…
それが無意識。

そんな無意識の中にも
生きるモノがいる。
むしろ闇の中にこそ
多くの
未知なるモノが蠢いている。

意識内の生物を
【理性】とするならば…
無意識内には
【本能】が生息する。

ひとは自分が今
どの領域にいるかで
世界が違って視える。

ひとつだけ
確実に言える事は
碇シンジの状態は今
【心の深海】に在るという事。

親友の渚カヲルが…

 死んだ。

悲しい…

しかし
無意識の闇の中から…
悪魔がささやく…

『良かったじゃないか!』

碇シンジは驚嘆する!
その声が
碇シンジ自身の
ものだったからだ。
悪魔などではなく
自分の本能。

「何を言っているんだ?」

刹那
理性が働き…罪悪感を生む。
しかし
それは届く事はない…
まるで深海には光が
射し込まぬかのように。

『お前は
安心したはずだ!
これで
綾波レイは…
自分のモノだと…』

「違う!
カヲル君の死を悔やみ
涙した。
これは…真実の涙だ!」

『真実は
もっと単純だ。
今…涙を流している自分は
他者の目に
どう映っているのだろうか?
美しい友情だ!
さぞかし…
自分の姿は
美しく映っている
ことだろうと…』

「嘘だ!」

光在る処には闇もまた在り。
その光が
眩しく暖かなもので
あればあるほど…
産まれ出でる闇は
重く冷たいものになる。

「嘘だ!
嘘だ…嘘だ…偽りだ!
悲しみを紛らわす為の
虚構の感情に過ぎない!」

『では…
その感情の産みの親が
碇シンジ自身であるという
事実からは
目を背けるのか?』

「自分を責めることが
悲しみから逃れる
唯一の手段…」

『現に今もこうやって
罪の意識に苛まれている自分が
さぞかし美しく見られている
だろうと思っている…
自分自身を
否定することさえ
できずにいるのではないのか?』

「ボクは…何故ここにいるんだ?」

『悲しみの
【痛み】から逃れ
安らぎを求めたから…』

「逃げちゃ駄目だ…
逃げちゃ駄目だ…
逃げちゃ駄目だ…
逃げちゃ駄目なんだ!」

『どうして?』

「この場所が…心地良いから?」

『心を偽らず
本来の姿で居れるから…?』

深く暗い…
無意識という名の…
深海…
欲望のカオス

戦う敵がいなかった…
自分と闘おうにも
存在が無かった…
そこに在るのは…
無という概念

自由?
万物から解き放たれた…
究極の自由
だとでもいうのか…

「ただ…逃げたかった!
何から?
自由になりたかった!
自由なんてなかった…
みんな気付いていなかった…
ボクたちは皆…
檻の中に居ることを!
家庭という檻の中
学校という檻の中
社会という檻の中
生活という檻の中
ひとつの檻から
抜け出せたとしても
人間という檻から
逃げることなんて
できないんだ!

だからみんな…

死んでしまえばいいのに…」



碇シンジは…心を閉ざした。




(ケース3)【渚カヲルの場合】



歌は良いね!
歌は心を安らかにしてくれる。

安らかな感覚はやがて
現実というものに
嘔吐しながら…
激しく突き刺さり…
腹這いの身体が
半分に折れ曲がるような
苦痛の中…
太陽の虚像は頭を混乱させ
ビルの残影は
幾度も重なり合い
埃のような自分を
見失いそうになる。

渚カヲルの翳した手に
死がのしかかり
生きるという虚しさに
涙がこぼれ
厳かに街の生贄が捧げられ
太陽が沈んでゆく。

渚カヲルは
いつの間にか
その街にいて…

ビルの谷間を歩いていた。

夕日の逆光ですべてが
全てのものが
シルエットとなっていた。
両側のビルの上には
いつからか
無数の人影が立っていて…

飛び降り自殺を
目撃した友人の話を
彼は思い出していた。
飛び降りていく人間は
黒い棒に手足がはえた
そんなふうだって言ってたな。

バラバラバラと…
まるで
ゲリラ豪雨のような
音と共に…

すべてのビルから
その無数の人影が
一斉に飛び降り始めた。

渚カヲルは
その道の真ん中を

白い
白い
どこまでも続く
時折
闇に消えてしまいそうな
朽ち果てた
バス停がある
その道を
永遠に続く
その道を

…歩いていった。



【使徒…綾波レイ】



綾波レイは使徒だった。

ただ…
父親から地上に堕とされた
堕天使だった。

人類…
リリンは何をしてきた?

偽善…破壊…嫉妬…強欲…

すでに充分に考えてあった。
神が…自分を
殺しに来たのでなければ
無理矢理…
天に連れ戻され
父と同じ道を
歩まされるだろう。

事の成り行きを
不安げに見守る
リリンの顔を見回し
彼等に不安を与えている
自分を恥じた。

なぜ彼らを憎めよう?
かくも弱い生き物を…
自分の価値基準でしか
判断できず
愚かな事をして
自らの首を絞めるリリンを…


 溜息を吐いた。


やがて雲が切れ
月明かりが差し込んできた。
かつては
か弱く慈悲深かった光は
この街を覆い隠すことなど
もうウンザリだと
拒んだかのように
月明かりは
建物の醜さを照らし出した。
そして…
リリンの醜さも。


 その刹那…


綾波レイは突如として
答えを見出した。
正義を行う力があるなら
それを行使すべきだ。

未来のためにも…
リリンが持つ人間性のためにも…
そしてなにより
綾波レイ自身のために。

「私に権力を与えて下さるんですね?」

『今すぐにでも…』

それは…
ゲンドウ
すなわち…
神の声だった。

「では今すぐ!」

『よかろう』

「私が問題を解決します…
この星が抱える問題をっ!」

『どうする?
洪水でも引き起こすか?
効果のある方法だ』

「いえ…
それはリリンを
怯えさせるだけです。
それでは…
更正させる事は出来ない。
またすぐに忘れるだけです」

『お前は…どうしたい?レイ…』

「全員殺して…この星を焼く!」

『おい…何を言い出す?
…そこまでやる必要が…あ…』

「ある!」

『やれやれ…レイ…
早くお前を連れて帰ろう。
どうやら多くを
学び過ぎたようだ…』


 それは

 どこまでも永遠に続き

 その道は

 どこまでも白く


 時折

 闇に消えてしまいそうな

 朽ち果てた

 バス停があって


 白い

 ただ白い

 その道は

 永遠に続く

 寂しい道…



神が世界から去ったのか?

世界が神から去ったのか?

それは突き詰めようがなく…

それは質問する意味もなく…





 世界は全てを飲み込んで



     閉じた。







「気持ち…悪い…」





おわり。






【あとがき】

(ケース4)【たまこの場合】



えっぐ!

ヤバかったわ…
こいつはヤバい…
ヘンタイですな
我ながら…
エヴァというより…

『ぼくたちは…
綾波レイ
好き過ぎ芸人
ですっ!』

みたいな感じですね?

かなり苦労して
再現してみました。
エヴァ最終回の
あの空気感を…

ね(*´ω`*)

何が凄いって?
アスカが出てこないのが
凄いwww

普通…出すよね?www

最後に画像だけ
貼りましたけども…
せめてねw

しかも…
結構な時間を費やして
書き上げたんです。
えっ?
どれくらいかって?



10年くらい掛けて…

(↑おい〜やりすぎだぞ!)



二次創作パロに10年…?

バカよね〜(;´Д`)💦


こんなにも
魂を擦り減らす作業は
他に類を見ないですな!




魂のルフラ〜ン♪





#短編小説





問題〓たまこ〓無い


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