多摩爺の「時のつれづれ(如月の48)」
公立高校と私立高校の授業料(高校授業料の無償化)
高校授業料の完全無償化を求めて・・・ 日本維新の会の鼻息が荒い。
政府与党が提示した案は、公立については無償化するものの、
私学については、保護者の収入に所得制限を設けるとした案に・・・ ことのほか、ご立腹なのだ。
いま、実際どうなってるのか・・・ そこまでは把握してないが、
記憶が確かなら2年前の夏に大阪府が、
大阪府民に限って、私学の高校に通う生徒の授業料を、実質的に無償化すると発表していた。
私たち世代が子育てしてるときには、支援なんてなかったように記憶しているが、
現在の国の就学支援制度では、公立の場合は年収910万未満の世帯に年間約11万円を支援し、
私学の場合は年収590万円未満の世帯に年間約39万円の支援と、一定の助成があるらしく、
いまさら愚痴を云うようで恥ずかしくもあるが、ひと言で言えば羨ましいと思った。
最近の高校への進学率は、通信制を含めて98%を超えていて、
余程の事情がない限り進学だから、もはや義務教育に近い状況になっていることを踏まえれば、
高校の卒業年齢は、選挙権が与えられる成人年齢でもあり、社会人への一歩手前の学びの場でもあり、
高校の授業料無償化に関する論議については、比較的好意を持って静観したいと思っている。
すでに年金生活の真っ只中にある私たちの世代は、当然ながら子育てはとうの昔に終えていて、
収入が少ないことを別にすれば、教育費が負担になって生活が厳しいわけではないので、
現役世代が判断すれば良いことに、無責任な口出しをするつもりはないが、
思ってることがないわけでもないので・・・ 少しだけ掻い摘まんで記してみたい。
思うに・・・ 非課税法人ではあるが、慈善事業ではなく、営利団体の学校法人(私学)に、
国や地方自治体から一定額の補助金(私学助成)が投入されるのは、
教育機関という公的事業であることに鑑み理解するものの、寄付金などを収入を除けば、
学校法人の主たる収入源である授業料を、税金で丸抱えするのって「あり。」なんだろうか?
ネット情報によれば・・・ 全国の私学授業料は約44万円から約89万円ぐらいの幅があり、
全国平均の授業料は、年間で大凡で60万円程度になるらしい。
しかし、これはあくまでも平均であり、首都圏の有名私大の付属に至っては、
年間授業料だけでも・・・ かなりの高額なのは、いわずと知れたことであって、
そういった私学も引っくるめて、一律に無償化が進められるのであれば、
平均授業料に至らない私学は、なんやかんやを後付けして授業料の値上げを画策するだろう。
そもそも私学は・・・ 総ての運営コストが税金で賄われている公立とは違って、
教職員は公務員じゃないし、光熱水道料や施設及び用具の維持修繕から備品、消耗品に至るまで、
助成金や、寄付金、学債などを含め、生徒が納める授業料で賄われているはずであり、
高い授業料を払ってでも、そこで学びたいと思う生徒に、教育の場を提供するビジネスである。
経営概念のない公立と、ビジネスそのものの私学を比較するのもなんだが、
私学において、主たる収入に当たる授業料に・・・ 税金を投入するということは、
私学の教職員を、そっくりそのまま公務員にしたことに匹敵するし、
「それがどうした。」って、ことなのかもしれないが、なんか釈然としないのは私だけだろうか?
さらに税金を投入するということは、学校毎や、地域毎に差が生じている授業料について、
私学毎に適正な授業料なのか、過剰なサービスや、無駄なコストは含まれてないのかについて、
だれもが納得する基準を設けて、明解な査定することが避けられず、
査定ができなければ、私学の言い値になってしまうので・・・ これは絶対に避けねばならない。
特に公立の教職員は、資格や職責で給与体系が決まっているので分かり易いが、
私学の教職員の給与を、公立の教職員と比較するのは困難で、経験年数で査定したら、
低くなることもあるだろうし、スポーツ強豪校の監督やコーチの報酬は特に査定が困難で、
それもこれも含めての、私学の授業料だから、査定はホントに困難を極めるだろう。
そもそも高校という供給に対して、生徒という需要が毎年のように減っていく構図を直視すれば、
ビジネスとして成立しづらくなった私学を援助するために、
志願者が減るにつれて、公立がいとも簡単に統廃合されてしまうのは当然なんだろうか?
「潰さなきゃならないのは私学だろ!」とまでは云わないが・・・ 蟠りがないわけでもない。
公立の高校が統廃合されれば、他の事業に流用できる財源として、
当該自治体の財政には、けっこうな額の余裕が出来ると思うものの、
そこら辺りに屯する、どうでも良い爺さんの心情を吐露させてもらうと、
それをもって、財政改革ができたとは思いたくないんだが・・・ どんなものだろうか?
ぐだぐだと小難しいことを書いてしまったが、
保護者の所得制限廃止は、時代の要請であり納得せざる得ないが、
まずは無償化する公立の授業料を基準として、私学にも同額の税金投入(授業料補助)するのが、
落としどころかなと思っていて・・・ 与党の提案は的を射てると思っている。
その上で・・・ 私学と公立の間にある授業料の差額は、
保護者の負担としたほうが、スッキリすると思うが・・・ 如何なものだろうか?。
就学生の居る世帯に、就学クーポンみたいな形で、自治体から支給するのも有りだと思うが、
自治体が保護者に振り込み、保護者が学校に振り込む、手間と手数料を考えたら、
要らぬ心配だが、四半期毎に私学が「述べ就学生数✕授業料」で計算した請求書を発行し、
振り込みした方が手間はかからないし、ミスも少なくて済むだろう。
状況によっては、保護者が差額を振り込まなきゃならない場合もあるだろうが、
それは現行のスキームに則れば良いので、新たな手間がかかることもないだろうし、
そもそも保護者に支援するのか、高校に支援するのかも含めて、
見えてないところもあるので・・・ 今後の議論に注目したいと思う。
さて、年寄りの心配はこれぐらいにしておくが・・・ 懸案だった日米首脳会議が先週末に終り、
仕切り直して、生活レベルでの議論が本格化する通常国会に期待したい。
子育て世代は、おそらく圧倒的に維新の案を支持すると思われるが、
我々世代は一歩引いて俯瞰するので、私のような考えの方が多いのかも・・・ と思ったりしている。
最後に・・・ 毎度毎度で恐縮だが、
本文はあくまでも、個人的な思いを綴ったものであり、
コメントを頂戴しても議論するつもりはないので、申し訳ないが了知願いたい。
自分がモヤッと思っていたことだったので、そういうことそういうこと!と読みながら考えが整理できたようでスッキリしました。
それでついコメントなぞを…😅
物事を俯瞰して見ることができて有り難く、いつもなるほど〜👏と拝見させていただいています。
お役に立ててなによりでした。
教育の無償化については、基本的に賛成ですが、公立と私立の立場上の整理は必要で、
公費を投入した公立が淘汰されてしまうのは、なんだかなぁと思っています。
また、教員に至っては私学の教師は新卒採用は少なく、待遇面で公立などから移籍された方が多いはずなので、
待遇面での差額の補填に税金を投入するのは、正直なところ如何なものかと思っていて、
子育て世代の方には申し訳ございませんが・・・ 私は政府与党案に賛成です。
有難う御座います、、、
、、、、
教育の無償化に関して
私見も概ね同感です、、
、、いくら
教育の平等機会とはいえ、
公立と
営利目的である私立とを
まるで同一視しようとすることが
私見としては、
全くもって 解せません、、
大きな違いがあっても
然るべきと思います、、
、、、
いつもスカッとするほどな語り口
での記事、公開を
して下さいまして
有難う御座います(^.^)(-.-)(__)575
コメントを頂戴し、ありがとうございました。
教育を無償化する方向性は良いと思ってますが、
教育現場のレベルアップに、私学を無償化して競争を促すとか、
公立を統廃合して教員数を確保するとか、
維新の提案は、教育費の負担から別のところにあるように見えて、なんか釈然としません。