多摩爺の「時のつれづれ(霜月の3)」
混乱と分断、民主主義の試練 (2020 アメリカ大統領選挙)
世界で一番・・・ 民主主義が進んだ国は、アメリカだと思っていたが、
どうやら勘違いしていたらしい。
1861年、産業構造の違いから、奴隷解放を掲げて勃発したアメリカの南北戦争から、
約160年という時を経たにも拘わらず、いままた・・・ 混乱と分断の時代に突入したようだ。
テレビで見る限り、幸いなことに、内戦にまでは至ってないようだが、
一部の商店街では、略奪を恐れて入り口やウインドウを板張りで囲ったうえ、
商店街そのものを封鎖し、街角には州兵や警察官が銃を持って立ち、
何かに取りつかれたかのように身構えている。
とてもじゃないが・・・ 民主主義の根幹をなすはずの投票行為で、
世界一の民主主義国家が、その体をなしているとは思えない。
2020年11月、世界が注目するなか行われた、アメリカ合衆国の大統領を決める選挙は
高齢の共和党候補者(現職)と、もっと高齢の民主党候補者が相見える構図で、
いい年をした者どうしが、互いに罵り合うという、
開いた口が塞がらないほど恥知らずで、稀に見るほど醜い・・・ 一騎打ちとなった。
現職(共和党)は1946年生まれの74歳、
露骨で品格を欠いた言動に、大国のトップとしての尊敬の念は感じられないが、
彼がトップに立って4年間、アメリカ兵が戦火に関与したことはなく、
武力を使わずイランや北朝鮮を封じ込めたばかりか、
傍若無人な中国に対して、バッチバチの口喧嘩と貿易戦争を仕掛け覇権主義を許さない。
世界広しといえ・・・ いまの中国に対抗できるのは、彼の他にはいないだろう。
一方で挑戦者(民主党)は1942年生まれの77歳、
苦労人であり、弱者に寄り添い、人として信頼度は極めて高いが、
話す内容が抽象的で、ピンボケも多々あり、
健康面、頭脳面、決断力で4年を任せるには・・・ あまりに頼りない。
中国やEUと渡り合えるのか、さらには同党が得意とする人権問題も弱々しく、
云うだけ番長になる可能性が高く、
我が国にとって、最重要課題の北朝鮮問題は、進展しないどころか、ほったらかしになるだろう。
早い話、どっちもどっちであり、小さな政府か、大きな政府かの違いや、
人としての品格に好き嫌いこそあれ、
どちらも、これから4年間の政権を託したいような・・・ 候補者ではない。(個人的な見解)
そう思うと、二択を迫られたアメリカ人が、可愛そうにも見えてくる。
喫緊の課題でもある、新型コロナウイルス対策について、
挑戦者は現職の不適切な発言と・・・ 対策の遅れを咎めるが、
正直なところ、だれが大統領であっても、現状は大差ないんじゃなかろうか?(個人的な見解)
その根拠は、欧米人全般に云えることだが、彼らはマスクをする予防よりも、しない自由を選び、
デモまで起こすんだから・・・ なにをかいわんやだろう。
彼らの生活スタイルには、予防という概念と、
他人にうつすことを憂慮する、思いやりの精神が欠けており、
なにがあっても、自由が第一だと・・・ 脳みそと遺伝子にインプットされている。
我が国と比べると、根本的に民度というか、価値観が違うんじゃなかろうか?
誤解のないように強調しておくが、あくまでも違うのであって、民度や価値観が低いのではない。
また、今年に入って、黒人男性が警察官に容赦なく射殺された事件が頻発し、
人種差別問題も大きな論点となった。
確かに警察官の対応は誤っており、責められて当然だが、
なにもなければ、撃たれることはなかったはずじゃないのか。
亡くなった黒人被害者から、なんらかの被害を受けた人たちが、直ぐ近くにいることを、
完全に見落としている。
撃たれて亡くなった黒人が正しかったのではなく、撃った警察官が間違っていただけなのに、
多民族国家の、この国では、衝撃的で一番大きな被害を受けた者に同情が集まり過ぎ、
その引き金となった事柄が完全に欠落し、蔑(ないがし)ろにされていると思うがどうだろう。
この国の根本的な病巣は・・・ 自分の身を守ってくれるはずの警察官に、信用がないことであり、
21世紀となって20年も経つというのに、西部劇的な思考から抜け出すことができず、
自分の身は自分で守るという、古典的な銃社会が、未だに信奉されていることじゃなかろうか?
我が国が絶対とは思わないが、約450年ぐらい前に、百姓から叩き上げで天下を取った秀吉が、
国の安定を図るため、納税(検地)と安全(刀狩り)の仕組みを作って以来、
特別に指定された団体や、その団体に関連する人たちを除き、
我が国には、武器を持つ者はいないし、ましてや街中で使用する者は、極めて稀な存在になった。
秀吉の時代は、残念ながら民主主義ではなかったものの、
こういった良い制度は、統治者が代わっても、国の骨格にあり、
一般的な生活からなくなることはない。
そして、最も重要なのは・・・ そういった仕組み認めて、従う民度が・・・ わが国にはあり、
恥の文化、情けの文化、思いやりの文化として根付いている。
銃社会を真剣に見直さない限り、こういった不幸な出来事は無くならないだろう。
差別を完全になくすには、初期の教育と躾から始まるので、どうしても相応の時間が必要だが、
不幸な事件が起こらないようにするには、
西部劇を映画の世界だけにすれば良いだけだと思うがどうだろう。
簡単なことじゃないのは承知してるが・・・ 行動を起こさないと、なにも始まらない。
さて・・・ 今日の昼過ぎには、大勢が決するのだろうが、
どちらの候補者が勝っても、我が国を含めた同盟国には、懸念する事項が多すぎて憂鬱しか残らない。
いまさらだが、もっと真面(まとも)な候補が、いなかったのだろうかと思うと、
腹立たしく思うのは・・・ 私だけではあるまい。
口の利き方が悪く、あちこちに喧嘩を売ってる、乱暴者の爺さんと、
自身にも身内にもスキャンダルを抱えた、ちょっと寝ぼけたお人好しの爺さんの、
どちらかから、国のトップを選ぶというんだから、
アメリカ人って、本当に大丈夫かよって・・・ 思うのが、正直な気持ちである。
混乱と分断、そして対立をキーワードに、民主主義の成熟させるための試練が、
いま、まさに・・・ 民主主義の超大国で起こっている。
民主主義の根幹をなす選挙を、どうやって決着させるのかというのも、なんだかおかしな話だが、
しばらくは、目を離すことができなくなってしまった。
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