時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

息子のノートに驚いたこと

2023年11月27日 | 時のつれづれ・霜月 

多摩爺の「時のつれづれ(霜月の40)
息子のノートに驚いたこと

息子のノートに驚いたといっても・・・ もう45歳のいい歳したオッサンのことで、
いまさら、どうのこうのというほどのことではないが、
突如として・・・ 30数年前の出来事を、夫婦同時に思いだしたので記しておこうと思う。

先週末の放映されていた「博士ちゃん」という番組で、文房具をこよなく愛する小学生が、
小遣いの範囲内で購入しては、600点以上も集めただけじゃなく、
年々進化する文房具の構造や用途、さらには使い勝手についてまで解説をする場面が放映されていた。

まずは最近の文房具の進化に驚いたんだが、番組の最後でノートの取り方、纏め方について、
その小学生が、要点が記されているか否かに触れている場面があって、
「なるほどな。」と感心しつつも・・・ 突然、女房と顔を見合わせて、
30数年前の息子のノートについて、二人が揃って同じことに喋りだすんだから驚いてしまった。

当時中学生だった息子のノートは、数学であろうと、国語であろうと、社会であろうと、
教科がなんであろうと構わず・・・ 見開きのページのどこかに漫画が描かれていたのである。
もちろん、先生が喋ったり、黒板に書かれている要点などが漏れてたわけじゃないが、
ページのどこかに、ヘタクソと言っちゃ申し訳ないが、ちょっとした漫画が描かれていたのである。

実はこのことについて・・・ 私は息子が小学校の6年生のころから知っていて、
漫画をどう捉えるかという視点はあるものの、息子が楽しみながらノートを取ってんだろうなと思い、
関係ない内容だったら注意するが、そうじゃなかったので・・・ 見て見ぬふりをしていた。

しかし・・・ 女房はそのことを知らなかったみたいで、
息子が中学校1年生のときの三者面談で、担任の先生からそのことを言われて、
てっきり先生から注意されると思って・・・ 心臓がバクバクしたらしい。

ところが、あに図らんやである。
担任の先生が、逆に褒めてくれた言うから・・・ なんのこっちゃだが、
先生曰く、褒めてくれた理由が、私の考えと全く同じだったので、
その話を聞いたときは・・・ 私もホッとしたことがあった。

息子が書いてた漫画の内容は、吹き出しに授業の要点が、簡単な問答形式で要約されていて、
けっして遊び半分の漫画ではなく、授業の要点を漫画で簡潔に纏めた、
本人なりのメモというか、整理というか・・・ 記録と記憶の方法だったのである。

けっして「上手に描けてる。」と・・・ 云えるような立派な漫画じゃなかったが、
人気キャラクターを使って、問答形式で描かれていた。

授業中にそのノートを見つけた先生は、そのときはクラスメイトの前で注意したというが、
その後、職員室に持ち帰り、描かれていた内容を見てみると、
そこには、その日の授業のポイントが要約されていたので、ビックリして、
次の授業の前にノートを持ってきて、注意を取り消すとともに、
「いいね! これ、よく描けてるよ。」と、満面の笑みで褒めてくれたらしい。

息子はそのことを私たちに言わないもんだから、三者面談でいきなりそれを切り出されると、
女房は一瞬「どうしよう?」と思い、謝ることだけが頭の中を駆け巡ったらしい。
さらに・・・ その先生は、こんな生徒はいなかったので、
できることなら、そのノートをもらいたいと言われたというから・・・ 重ねてビックリだった。

テレビを見て気づいた、ノートの纏め方だが・・・ いまになって思うに
ギフテッドかも・・・ なんて言っちゃ、笑われてしまうが、
あのようなノートの取り方は、持って生まれた才能なのかもしれないと捉えれば、
褒めて育てるみたいに、もっと褒めてやっていれば、彼にも違った人生があったのかもだった。

そんな息子が、大学を卒業してから、音楽活動を30歳まで続けた後、
突然カメラマンになりたいから、専門学校に行かせてくれと言ってきたときは驚いたが、
息子は気づいてないと思うが、専門学校で使ってたノートには、
覚えておかなきゃならない技術的なことについて・・・ やはり問答形式の漫画が描いてあった。

法学部を出てミュージシャンをやって・・・ それからカメラマンだから、
いろいろあるにはあったが、振り返ってみれば、人生いろいろであり、
「急がば回れ。」なんだと捉えれば、それもまた因果であって、たいしたことではなかったようだ。

そんな息子も、いまじゃ6歳の娘と、4歳の息子をモデルに・・・ 写真を撮りまくっている。
専門学校を卒業し、スタジオ勤務が決まり、カメラマン人生をスタートしたとき、
「カメラマンとして成功する秘訣は、なんだと思う?」と、聞いてきたことがあった。

「景色であれ、人であれ、あなたがたくさんの出会いを経験して、たくさん感動することだよ。」
「自分が感動しない写真に、他人は感動しないし、喜んでお金を払ってくれないよ。」と、
評論家っぽく、知った気なアドバイスしたと記憶しているが、
さて息子は・・・ 私の言ったこの言葉を、漫画に描いてくれているだろうか?

息子は近所で所帯を持っており、彼の持ち物は全てそちらにあるので、
いまさらこのことを、確認することはできないし、
聞いてみるのも照れくさくて、それこそいまさらなんだが、
いつか、その日がくるんじゃないかと・・・ 親バカな爺さんは密かに期待している。

コメント (12)    この記事についてブログを書く
« アウトドア ヴィレッジ 昭島 | トップ | お家騒動やってる場合か! »

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (keiko(けいこ))
2023-11-27 06:11:21
おはようございます。
とっても素敵なお話 ありがとうございました😊
良い先生で、それも良かったと思います。
息子もある教科の先生に褒められたことがきっかけで進路が決まったと後から言ってました。

ちなみに私の歳の離れた従兄もカメラマンでした。
返信する
Unknown (yoko-2-1)
2023-11-27 06:33:02
おはようございます。
手塚治虫先生が子どものころ、ノートの端にパラパラ漫画を描いていて、先生に怒られると思いきや、褒められた話と似ていてびっくりです。素敵なお話ですね( ^_^)
奥様と思い出した同じことがご令息の才能と結びついているというところに、温かい気持ちになりました。
素敵なお話ありがとうございます。
返信する
Unknown (なおとも)
2023-11-27 08:33:24
おはようございます!
楽しい、心温まる思い出話、本当に楽しく拝読しました。我が息子も漫画上手に描いていましたので、懐かしく思い出しています。子供が生まれてからは、アニメの模写をしてやれるので、役に立っているようです。ご子息様の様に、学習の要点を押さえておられたなら、先生も感心された事と思います。素敵なお話、有り難うございました!なおとも
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-11-27 08:42:01
けいこさん、おはようございます。

褒めて育てるって、私の時代には聞いたことがなかったので、息子たちの時代からだったかもしれません。
親が褒めるのも大事なことですが、先生から褒められるって、もっと嬉しいことだと思いました。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-11-27 08:45:58
yoko-2-1さん、おはようございます。

手塚治虫さんのようなパラパラ漫画ではありませんでしたが。
1コマ、2コマのやり取りが、漫画の動作と吹き出しに描いてあって、贔屓目抜きになかなか秀逸でした。
初めて見たとき、こんなノートの取り方があったのかと、ホントにびっくりしたことを思い出しました。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-11-27 08:51:45
なおともさん、おはようございます。

二人で顔を見合わせて、同じことを言ったときにはホントにビックリしましたが、いま思いだしてもホッコリする思い出になりました。
二人の孫に、息子の遺伝子が受け継がれているのか・・・ それを楽しみにしたいと思っています。
返信する
Unknown (marinmaron1533)
2023-11-27 18:11:07
こんばんは。
記事を読んでびっくりしました。私も学生の頃、ノートを取る時にキャラクターを描いて、そのキャラクターに先生がお話された事などを喋らせていたので…。私の場合はペンギンとタコの会話形式でした。注意はされませんでしたが先生は「お前は頭のネジが一本取れとるなぁ」と笑っていましたよ。懐かしい記憶をくすぐられて思わずほっこりしました♨️ありがとうございます✨
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-11-27 18:34:04
marinmaron1533さん、こんばんは

息子と同じ考えの人が居て、とっても嬉しく思います。
私がこの子はなかなかやるなと思ったのは、社会(地理)のノートに描かれていた問答形式の漫画で、
「おい、島根が左で、鳥取が右だったよな。」との問いに、
「そういう覚え方がダメなんだよ。島根が西で、鳥取が東なんだよ。」という問答でした。
これを見たとき、この子は地理が分かってるし、方向音痴にならないだろうなと思いました。
返信する
Unknown (1948219suisen)
2023-11-27 21:24:47
それはやはり、かなりの才能だと思います。

が、そういう特殊な才能が必ず花開くことはなくて、才能が拓かないまま人生を終えてしまうのが大半の人かもしれません。息子さんはせめて先生や多摩爺さんに才能を見出されただけでも幸せかもしれません。大江健三郎さんの息子さんの音楽の才能などは父親の大江さんが気づいて育てたと言われていましたが、多摩爺さんの息子さんの才能も今からでも開くと良いですね。
返信する
Unknown (多摩爺)
2023-11-27 21:56:54
1948219suisenさん、こんばんは

もう45歳のオッサンですが、そう云っていただけると、親としては嬉しく思います。
いつかは才能が開花して欲しいと願ってますが、いまは息子の才能より、孫への期待の方が大きいかもしれません。
返信する

コメントを投稿

時のつれづれ・霜月 」カテゴリの最新記事