大祓の神事 Wikipediaより
清浄・正直を大切にする神道
「正直の頭に神宿る」ということわざがありますように、邪(よこしま)な心や汚い心を否とし、清々しい心を大切にする考えが日本人の心の中に宿っています。
この心が日本人に深く宿っていることもあり、心だけでなく普段の生活にまでも及んでいると思います。家の中をきれいにする(一年に一回は、お正月を迎えるために家族で大掃除)、一日着た服を洗濯、お風呂に入り体を洗う、自分の身の回りだけでなく道路にゴミが落ちていないように小まめに掃除するなどあげられます。
身近な生活にある清潔さを保つ、きれいなままにする事だけでなく、この日本の国土と国民に及ぶまで清浄・正直のままにする壮大な神事が日本中の神社で毎年、6月と12月に大祓(おおはらえ)の神事として行われているのはご存知でしょうか?
では何ゆえに大祓(おおはらえ)の神事が行われているのでしょう?このことを皆さんとともに考え、その理解をふかめてまいりたいとおもいます。
秘められた建国の精神-「安国(やすくに)」-
私たちが暮らす水と緑にあふれた豊かな日本列島は、イザナギノミコト(男)とイザナミノミコト(女)の神さまによって国生みがされたと伝わる神聖な大地です。
その大地に伊勢の神宮にお祀りされている天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、天上の高天原(たかまのはら)で育てられたみずみずしい稲穂を下され、誰もが衣食住に困ることのない国になるように神勅(しんちょく)をくださいました。
ちなみに、日本の国名を「瑞穂国」と美称で呼ぶのもここからきています。
そして、天照大御神は、この神聖な大地を高天原のような世界に実現する方を皇御孫命(すめみまのみこと)つまり、天皇とされ、天照大御神と同じ御心(みこころ)をもった名代として、この大地を「安国」として統治せよとご依頼されました。
ところが、神々が生みくださった神聖な大地といえども、簡単に容易に自然にまかせたままで「安国」とはならない。多くの人の集まるところでは、罪や穢れが自然と発生してしまいます。それを放っておくと国全体にまで罪や穢れの禍(わざわい)が及びかねません。
その結果、天照大御神がご依頼された建国の精神-「安国(やすくに)」-を維持することができなくなり、また、皇御孫命(天皇)がマツリゴト(祭祀)を行うことができなくなってしまいます。
さらに、祭祀ができなくなることによって大きな災いが起これば、理想とする「安国」を実現できなくなってします。そうした、事態に陥らないようにするために、国内至るところで自然発生する罪と穢れを一斉に祓い清める神事が大祓いなのです。
今日は、長文になりました。
大祓に秘められた精神-「安国」-について理解が深まりましたら幸いです。
お読みくださり有り難うございました。
次回は、神道の和歌についてアップします。楽しみにしていてください。