タイ大洪水第9弾 タイの全15工業団地への進出日本企業一覧
タイ大洪水の今後
<簡単には水は引かない、川の中流から下流の勾配は10センチ程度>
独立行政法人土木研究所の「水災害・リスクマネジメント国際センター」で、人工衛星のデータなどを基にタイのチャオプラヤ川の浸水の広がりをシミュレーションした。
チャオプラヤ川は、流域の面積がおよそ16万平方キロメートルと、日本で最も広い面積を持つ利根川の10倍近い広さがあり、人工衛星による雨雲のデータの分析では、この広い流域全体に先月までの3ヶ月間で710ミリの雨が降ったとみられている。
これは、去年までの3年間の同じ期間と比べると約1.5倍に当たる。シミュレーションでは、8月から上流部で浸水が広がりはじめ、先月には上流からの氾濫と大雨が重なって浸水が中流部に広がり、先月下旬からは下流のアユタヤ県に広がっている。
さらに、去年観測された雨量を基にした今後の浸水の変化の予測では、アユタヤ県では来月末(11月末)になっても1メートル程度しか水が引かず、依然として浸水する地域が多く残る結果となった。
さらに下流の首都バンコクについても、アユタヤ県と同じように長期間にわたって洪水が続くとみられている。
水災害・リスクマネジメント国際センターは「長さ800キロを超えるチャオプラヤ川は、中流から下流にかけての勾配が1キロ下っても10センチ程度しか低くならない。このため川の流れがゆっくりで、日本の川と比べて一度氾濫すると浸水が長期化する傾向にある」と話している。
<利根川の10倍の流域・琵琶湖相当の水が溢れ出ている>
タイで続いている洪水被害について、過去にチャオプラヤ川の治水調査をした中央大学の山田正教授は「平たんな土地に大量の水が浸水してほとんど流れずにいるため、しばらく洪水は収まらない」と指摘している。
今回の洪水の原因について、山田教授は、利根川の10倍近い広さがあるチャオプラヤ川の流域に、平年を上回る雨がまんべんなく降ったことだと指摘したうえで、「日本と違い川の流域面積が非常に大きいので、広範囲で雨が降り続くと1.5倍程度の雨でも洪水をもたらす特徴がある」と話す。
また、すでに浸水している地域には、ほとんど傾斜のない平地に琵琶湖の水の量を上回るおよそ300億トンに達する水が残っていて、今後、雨があまり降らなくても洪水はしばらく収まらないと指摘している。
山田教授は「日本の場合、3日たてば雨水は海に流れるが、首都バンコクや多くの工業団地があるアユタヤ県はほとんど平らなため、いったんあふれると収まるまでに非常に時間がかかる」と話している。
<過去何十回も洪水発生地・・・リスクが元々存在した場所が工業団地>
さらに、こうした洪水は今後も起こりうるとしたうえで、山田教授は「タイの平野では歴史的には何十回も洪水が起きていて、都市化が進んだとはいえ、工場は過去、洪水が起きているところに建っている。企業が海外に進出する際には、過去の水害データや国の治水策などを把握しておく必要がある」と指摘している。byNHK
タイ大洪水の今後
<簡単には水は引かない、川の中流から下流の勾配は10センチ程度>
独立行政法人土木研究所の「水災害・リスクマネジメント国際センター」で、人工衛星のデータなどを基にタイのチャオプラヤ川の浸水の広がりをシミュレーションした。
チャオプラヤ川は、流域の面積がおよそ16万平方キロメートルと、日本で最も広い面積を持つ利根川の10倍近い広さがあり、人工衛星による雨雲のデータの分析では、この広い流域全体に先月までの3ヶ月間で710ミリの雨が降ったとみられている。
これは、去年までの3年間の同じ期間と比べると約1.5倍に当たる。シミュレーションでは、8月から上流部で浸水が広がりはじめ、先月には上流からの氾濫と大雨が重なって浸水が中流部に広がり、先月下旬からは下流のアユタヤ県に広がっている。
さらに、去年観測された雨量を基にした今後の浸水の変化の予測では、アユタヤ県では来月末(11月末)になっても1メートル程度しか水が引かず、依然として浸水する地域が多く残る結果となった。
さらに下流の首都バンコクについても、アユタヤ県と同じように長期間にわたって洪水が続くとみられている。
水災害・リスクマネジメント国際センターは「長さ800キロを超えるチャオプラヤ川は、中流から下流にかけての勾配が1キロ下っても10センチ程度しか低くならない。このため川の流れがゆっくりで、日本の川と比べて一度氾濫すると浸水が長期化する傾向にある」と話している。
<利根川の10倍の流域・琵琶湖相当の水が溢れ出ている>
タイで続いている洪水被害について、過去にチャオプラヤ川の治水調査をした中央大学の山田正教授は「平たんな土地に大量の水が浸水してほとんど流れずにいるため、しばらく洪水は収まらない」と指摘している。
今回の洪水の原因について、山田教授は、利根川の10倍近い広さがあるチャオプラヤ川の流域に、平年を上回る雨がまんべんなく降ったことだと指摘したうえで、「日本と違い川の流域面積が非常に大きいので、広範囲で雨が降り続くと1.5倍程度の雨でも洪水をもたらす特徴がある」と話す。
また、すでに浸水している地域には、ほとんど傾斜のない平地に琵琶湖の水の量を上回るおよそ300億トンに達する水が残っていて、今後、雨があまり降らなくても洪水はしばらく収まらないと指摘している。
山田教授は「日本の場合、3日たてば雨水は海に流れるが、首都バンコクや多くの工業団地があるアユタヤ県はほとんど平らなため、いったんあふれると収まるまでに非常に時間がかかる」と話している。
<過去何十回も洪水発生地・・・リスクが元々存在した場所が工業団地>
さらに、こうした洪水は今後も起こりうるとしたうえで、山田教授は「タイの平野では歴史的には何十回も洪水が起きていて、都市化が進んだとはいえ、工場は過去、洪水が起きているところに建っている。企業が海外に進出する際には、過去の水害データや国の治水策などを把握しておく必要がある」と指摘している。byNHK
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