畳刺 父ちゃんの日々

千葉県産稲わら畳床の現状

先月注文しておいた畳床を取りに君津市まで夜のドライブ。
稲わら畳を積み終わって春日製畳さんの社長が申し訳なさそうに『米井さん、本当にワラが無いんです。今後は注文枚数に応えられないかもしれません』と切り出されてしまいました。
数年前から言われていたがとうとう切実な状況になってきたらしい。

今まで仕入れてきた他の製畳屋さんでも言われてきた言葉。
親父の代から稲わら畳に拘り、気に入った製畳屋さんとしか付き合ってこなかったが1軒辞め2軒辞め・・・。
自分が始めてから今作って頂いている春日製畳さんは8軒目。
今までも製畳屋さんから同じ言葉を聞き、その言葉を聞いた製畳屋さんは1~2年で廃業となった。

千葉県で最後の製畳所である当店稲わら畳床の要。
稲わらを提供する農家さん、稲わら畳床を作る製畳屋さん、稲わら畳床を使って施工する畳店、稲わら畳床を求めるお客様。
その全てが現状上手く回らない厳しい状態。
当たり前にあったものが当たり前ではなく希少(貴重)な物になっていく。

同業者によく言われる言葉がある。
『ワラ畳に拘るのは良いけれど5年後10年後、必ず後悔するよ』『そんな事続けていたら死んじゃうよ』『自分の体を考えた方が良いよ』『楽な方が良いじゃん』『持つ持たないなんて関係ないよ』『重いのに大変だねぇ』

全てみんな解かっている。
自分の両肘がそれを痛感している。
でも良い物を残したいし、それを望むお客様がいてそれを提供出来るなら使いたい。

私は畳商人ではない。

畳職人なのだ。

多分一人の時やカミさんにはボヤいたりするのだろう。
でも針を置くまでは畳職人として頑張りたい。

悲しい思いが蘇った夜の運搬でした


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