聖千秋著〖ピース イン ハンド〗1巻、2巻あらすじ・ネタバレ感想。
仕事に生きる女・華は甥っ子のたっくんを預かったことから将棋界へ足を突っ込むことになります。
一方、たっくんは尋常ではないスピードで将棋の腕を上げ……。
仕事に生きる女・華は甥っ子のたっくんを預かったことから将棋界へ足を突っ込むことになります。
一方、たっくんは尋常ではないスピードで将棋の腕を上げ……。
〖ピース イン ハンド〗
■著者:聖千秋
■カバーデザイン:馬場美由紀
■発行:株式会社集英社クリエイティブ
■発売元:株式会社集英社
★項目クリックでページ内ジャンプ
(goo blogアプリはブラウザ接続で可能)
〖ピース イン ハンド〗登場人物
★登場人物
〖ピース イン ハンド〗あらすじ・ネタバレ感想
〖ピース イン ハンド〗登場人物
● 三之坊華
32歳、独身、山羊座
フリージュエリーデザイナー
20歳で仕事に生きると決心した
甥っ子の“たっくん”を預かる
フリージュエリーデザイナー
20歳で仕事に生きると決心した
甥っ子の“たっくん”を預かる
● 甘崎拓珠
“たっくん”小学生3年生
両親がLAに転勤した為、華の世話になる
一度こうと決めたらてこでも動かない
両親がLAに転勤した為、華の世話になる
一度こうと決めたらてこでも動かない
<将棋関係>
● 七酉盡
プロの七酉八段、イケメンで人気
たっくんの才能に目を付ける
たっくんの才能に目を付ける
● 尾根温
たっくんの副担任
プロ棋士目指し奨励会に入っていた
プロ棋士目指し奨励会に入っていた
●ノブ
幼稚園時代のたっくんの友達で小3
将棋をやっている
将棋をやっている
●『将棋カフェ』のご婦人
元プロ女流棋士で盡先生の祖母
● 鏑木彗星
盡先生の教室の生徒で小学3年生
将棋大会でたっくんと友達になる
七酉の将棋教室にたっくんを誘う
将棋大会でたっくんと友達になる
七酉の将棋教室にたっくんを誘う
● 七酉戀
2巻~登場した七酉盡の弟
指導棋士五段で将棋教室を開いている
本業はイベント会社の経営者
指導棋士五段で将棋教室を開いている
本業はイベント会社の経営者
<そのほか>
●華の仕事仲間
● 暁
2巻登場
戀の会社のスタッフ「アキ」
戀の会社のスタッフ「アキ」
********** ********** **********
-1巻-
●たっくんの母で華の姉
●たっくんの父
●たっくんの弟(赤ちゃん)
●ボス
ノブと同じ道場の女の子
たっくんとの対局で負けてしまう
たっくんとの対局で負けてしまう
●小野先生の友達でもある外科医
-2巻-
●華の担当美容師
●光大郎、蔵人
七酉の教室の生徒
〖ピース イン ハンド〗1巻あらすじ・ネタバレ感想
1巻1話~6話収録
三之坊華は、20歳の時に仕事に生きると決め、約10年フリーのジュエリーデザイナーとして頑張ってきました。
華は、姉の夫の海外転勤が決まったのを機に甥っ子の甘崎拓珠“たっくん”を預かることになります。
たっくんは親が居ないのをいいことにゲーム三昧の日々を楽しんでいました。
しかし、成績がふるわないため学校からLAの両親にゲームばかりやっていると連絡がいきます。
華は、姉の夫の海外転勤が決まったのを機に甥っ子の甘崎拓珠“たっくん”を預かることになります。
たっくんは親が居ないのをいいことにゲーム三昧の日々を楽しんでいました。
しかし、成績がふるわないため学校からLAの両親にゲームばかりやっていると連絡がいきます。
姉から小言を言われた華は、たっくんは将棋をやっているのだと嘘をつきます。
華から話を合わせるように言われたたっくんでしたが、学校でたっくんが将棋を指すことを聞いた副担任・尾根温に話しかけられます。
以前奨励会に入っていた尾根は、自分と勝負しようとたっくんを誘います。
たっくんはとりあえずパソコンで将棋の基本戦型を覚えることにします。
華から話を合わせるように言われたたっくんでしたが、学校でたっくんが将棋を指すことを聞いた副担任・尾根温に話しかけられます。
以前奨励会に入っていた尾根は、自分と勝負しようとたっくんを誘います。
たっくんはとりあえずパソコンで将棋の基本戦型を覚えることにします。
負い目を感じた華は、チラシを頼りに『将棋カフェ』へたっくんを連れて行きます。
同い年の少年2人と対局し負けてしまったたっくんは……。
同い年の少年2人と対局し負けてしまったたっくんは……。
【PR】
発売日:2023年7月25日
●感想
「ハナちゃん
時間なら
悪いけど
たっくんより
腐るほど
あるから!!」
時間なら
悪いけど
たっくんより
腐るほど
あるから!!」
(18ページ)
華の嘘のせいでたっくんが将棋を指さねばならなくなり、華も将棋を覚えようとするのですが、小学生の子供より腐るほど時間がある32歳って…大丈夫でしょうか?
聖千秋さんの漫画にちびっ子がメインで登場するのはとても珍しいと思います。
たっくんはなかなか頭が良い子です。
華がたっくんの面倒を見ていると言うより、たっくんが華のサポートをしていると言うのが正解に思えるほど、華よりシッカリしています。
しかし、たいへんな頑固者のようです。
そして、叔母さん想いです。
たっくんはなかなか頭が良い子です。
華がたっくんの面倒を見ていると言うより、たっくんが華のサポートをしていると言うのが正解に思えるほど、華よりシッカリしています。
しかし、たいへんな頑固者のようです。
そして、叔母さん想いです。
たっくんが華の元に残った本当の理由は、華が独りぼっちだったからでした。
華の母、たっくんの祖母が1年前に亡くなり、その時たっくんはママには家族がいるがハナちゃんは1人だと気づきます。
だから、両親とともに外国へは行かずハナちゃんが元気になるまでそばにいると決めたようです。
たっくんはハナちゃんを元気づける為に、ハナちゃんの家で居候をしながら彼女を守ってもいたのですね。
それを知った華は衝撃を受けますが、ますます甥っ子が可愛くてたまらなくなります。
華の母、たっくんの祖母が1年前に亡くなり、その時たっくんはママには家族がいるがハナちゃんは1人だと気づきます。
だから、両親とともに外国へは行かずハナちゃんが元気になるまでそばにいると決めたようです。
たっくんはハナちゃんを元気づける為に、ハナちゃんの家で居候をしながら彼女を守ってもいたのですね。
それを知った華は衝撃を受けますが、ますます甥っ子が可愛くてたまらなくなります。
「この人たち
おかしーよ!
なんで
こんなに
何時間も
考えてんの!?」
おかしーよ!
なんで
こんなに
何時間も
考えてんの!?」
(57ページ)
将棋が己の性格にとんと合わない華は、将棋のテレビ番組を見ても途中で寝てしまい、なかなかルールが覚えられません。
そんな華が言うことは、将棋とあまり縁が無い人には共感できると思います。
そんな華が言うことは、将棋とあまり縁が無い人には共感できると思います。
なんで将棋って
負けるとあんなに
泣けるん
だろう
不思議な
ゲームだなあ
将棋って
負けるとあんなに
泣けるん
だろう
不思議な
ゲームだなあ
将棋って
(179ページ)
将棋を始めたばかりのたっくんに負けてしまった女の子・ボスが泣いている姿を見て、華は悔しさを理解しながらも寄り添いきれない不可解さを感じています。
泣けてくるのは自ら負けを認めねばならないからでしょうね。
対局相手に「負けました」と告げねばならない精神的苦痛を伴って勝負が終わるのはかなり辛いですね。
泣けてくるのは自ら負けを認めねばならないからでしょうね。
対局相手に「負けました」と告げねばならない精神的苦痛を伴って勝負が終わるのはかなり辛いですね。
さて、『将棋カフェ』のイケメン・盡先生の正体は人気のプロ棋士でした。
仕事に生きると決めている華は、男はみんな妻子持ちだと考え自ら恋のシャッターを下ろしています。
初心者だからと王様1枚で対局され勝たせてもらったことが悔しすぎて泣いてしまった華にとって、盡ほど苦手な相手はいないかもしれません。
仕事に生きると決めている華は、男はみんな妻子持ちだと考え自ら恋のシャッターを下ろしています。
初心者だからと王様1枚で対局され勝たせてもらったことが悔しすぎて泣いてしまった華にとって、盡ほど苦手な相手はいないかもしれません。
しかし、華の思いとは裏腹にこのご縁は簡単には切れないでしょう。
盡はたっくんを勉強会に誘います。
勉強会は棋士を目指す人にとって重要ですが、今のところたっくんはそこまでの思い入れは無さそうです。
今後、たっくんの才能がどんなふうに花開くのか楽しみです。
盡はたっくんを勉強会に誘います。
勉強会は棋士を目指す人にとって重要ですが、今のところたっくんはそこまでの思い入れは無さそうです。
今後、たっくんの才能がどんなふうに花開くのか楽しみです。
【PR】
〖ピース イン ハンド〗2巻あらすじ・ネタバレ感想
2巻7話~12話収録
三之坊華は甥っ子の甘崎拓珠“たっくん”と二人暮らし。
すっかり将棋にハマったたっくんは、プロ棋士・七酉盡の将棋教室に通いたいと言い出します。
華はたっくんと一緒に盡の教室を訪ねますが、対応に出てきた盡の弟・戀のチャラそうなイケメンぶりに警戒心全開。
たっくんの母親だと嘘をつきます。
一方、たっくんは教室の子供達とすぐに打ち解け楽しめたようです。
すっかり将棋にハマったたっくんは、プロ棋士・七酉盡の将棋教室に通いたいと言い出します。
華はたっくんと一緒に盡の教室を訪ねますが、対応に出てきた盡の弟・戀のチャラそうなイケメンぶりに警戒心全開。
たっくんの母親だと嘘をつきます。
一方、たっくんは教室の子供達とすぐに打ち解け楽しめたようです。
将棋教室に通うようになってから、たっくんは何だか不穏な言葉をよく使うようになりました。
それは将棋の業界用語なのですが、子供がその手の単語を口にするたび華の心はざわついて……。
【PR】
それは将棋の業界用語なのですが、子供がその手の単語を口にするたび華の心はざわついて……。
【PR】
発売日:2024年4月24日
●感想
七酉兄弟はどっちもイケメンなのね。
弟・戀は指導棋士。
他の教室ではしっかり月謝をもらっているが、盡の教室は無料、つまり奉仕で開いているそうです。
華も戀に
弟・戀は指導棋士。
他の教室ではしっかり月謝をもらっているが、盡の教室は無料、つまり奉仕で開いているそうです。
華も戀に
「将棋って意外と
いざ始めてみると
経済的に余裕ある
人がいい思いする
ゲームですよね
〰〰〰〰」
いざ始めてみると
経済的に余裕ある
人がいい思いする
ゲームですよね
〰〰〰〰」
(22ページから引用)
と言っていますが、将棋は金銭的に習い事としてはハードルが高いですね。
それでも通わせている親は我が子への期待が相当大きいのでしょう。
それでも通わせている親は我が子への期待が相当大きいのでしょう。
将棋教室に通うようになってたっくんは物騒な物言いをするようになります。
華はこのままたっくんを教室通いさせていていいものかどうか悩みます。
私も全く将棋を知らないので「斬り合う」が「もう勝てない」という意味だとは想像もつきませんでした。
「高飛車」のように、一般的に使われている言葉もたくさんあります。
とは言え、将棋小僧達の間でデンジャラスな単語が楽しげに飛び交う様子には、何事かと若干引きます。
華はこのままたっくんを教室通いさせていていいものかどうか悩みます。
私も全く将棋を知らないので「斬り合う」が「もう勝てない」という意味だとは想像もつきませんでした。
「高飛車」のように、一般的に使われている言葉もたくさんあります。
とは言え、将棋小僧達の間でデンジャラスな単語が楽しげに飛び交う様子には、何事かと若干引きます。
将棋カフェをやっている盡の祖母は華に将棋の世界を教えてくれる師匠です。
53ページで語った昔話にゾッとします。
53ページで語った昔話にゾッとします。
「若い頃は
護身用に
バッグにいつも
小太刀を
入れてて
ね…」
護身用に
バッグにいつも
小太刀を
入れてて
ね…」
女が将棋を語るのは生意気だって発想もナンセンスだけど、それだからって手出ししようっていう器の小ささも大きな問題だと思います。
戦争もあったので、戦えない女を守ってやっている男がふんぞり返っていたのが昭和ですから、令和と比較することにはあまり意味が無いかもしれませんが。
戦争もあったので、戦えない女を守ってやっている男がふんぞり返っていたのが昭和ですから、令和と比較することにはあまり意味が無いかもしれませんが。
戀は、
「騎士は盤上では
野獣ですよ」
野獣ですよ」
(54ページから引用)
と言います。
え?温厚そうな藤井聡太さんも?
そう言えば、羽海野チカさんの漫画『3月のライオン』でも棋士はなかなかえげつなかったですね。
勝負師…怖い…。
え?温厚そうな藤井聡太さんも?
そう言えば、羽海野チカさんの漫画『3月のライオン』でも棋士はなかなかえげつなかったですね。
勝負師…怖い…。
華は1巻で、実は惚れっぽいと言っていましたが、惚れっぽいを通り越してかなりチョロいのだと思います。
最初は見た目が若干チャラい戀を警戒しているようでしたが、ド直球でタイプだったようです。
母親だとすぐバレる嘘をついたのも、恋のシャッターをガラガラと下ろすため。
それって結構自意識過剰ですよね?
戀が恋愛対象として自分をみるかどうかは分からないのに。
最初は見た目が若干チャラい戀を警戒しているようでしたが、ド直球でタイプだったようです。
母親だとすぐバレる嘘をついたのも、恋のシャッターをガラガラと下ろすため。
それって結構自意識過剰ですよね?
戀が恋愛対象として自分をみるかどうかは分からないのに。
華は戀に対しては身なりや態度に気をつかっていますが、盡の前では素でも気になりません。
盡とは気が合わないように見えますが、身なりも気にせず言いたい事も遠慮なく言えるとか、逆に凄い打ち解け方をしていると思います。
盡と一緒にいるのは気が楽なはず。
でも、戀はトキメキを与えてくれる点がポイントが高いのでしょうね。
盡とは気が合わないように見えますが、身なりも気にせず言いたい事も遠慮なく言えるとか、逆に凄い打ち解け方をしていると思います。
盡と一緒にいるのは気が楽なはず。
でも、戀はトキメキを与えてくれる点がポイントが高いのでしょうね。
たっくんは天才の部類なのでしょう。
将棋を始めて日が浅いのに、教室で何年も習っている子達にあっという間に追いついてしまいます。
将棋大会で仲良くなった鏑木くんに勝ってしまったことで彼が教室に来なくなったと思ったたっくんは、自分も教室を休んでしまいます。
でも、その鏑木くんから「研修会」試験を一緒に受けようと誘われます。
たっくんは本格的に将棋道を歩みそうですね。
将棋を始めて日が浅いのに、教室で何年も習っている子達にあっという間に追いついてしまいます。
将棋大会で仲良くなった鏑木くんに勝ってしまったことで彼が教室に来なくなったと思ったたっくんは、自分も教室を休んでしまいます。
でも、その鏑木くんから「研修会」試験を一緒に受けようと誘われます。
たっくんは本格的に将棋道を歩みそうですね。
【PR】
☆。・:*:☆。・:*:☆。・:*:☆。
ご訪問ありがとうございました
コメントを投稿するにはgooブログのログインが必要です。