書き忘れていましたが、Kiinaは2000年に「コロムビア90周年記念アーティスト」としてデビュー。つまりこの年、2010年はコロムビアの創立100周年に当たりましたね。
この年から3年ほど後になりますが、「コロムビアは90周年の時に記念の社史を出しているから、きっと100周年でも出すだろうし、そこにはもちろんKiinaについての記述があるはず」と思って、全国から社史を収集している神奈川県立川崎図書館へ探しに行ったことがあります。
「コロムビア100年史」は既存の「90年史」に10年分をデジタルで追加した形になっていましたが、確かにKiinaが大きく取り上げられていたので、証拠としてコピーして持ち帰って来ました。Kiinaはコロムビアの救世主だったんですからね(^_−)−☆
さて、話を戻して「三味線旅がらす」の締めくくりです。「新内節」もしくは「新内流し」のことを少し。
「浪曲一代」の時と同じように「「三味線旅がらす」を楽しむためには「新内」という芸能を実際に体感したいものだと思いました。
東京というのは確かに便利なところです。そう思ってからこれまでに都合3回生の新内に触れる機会に恵まれました。
一度めは清澄白河にある「深川江戸資料館」でした。ここは屋内に江戸時代の深川の町〜堀割り、猪牙舟、火の見櫓、長屋などがそっくりそのまま再現されていて、ここで新内剛士さん(現・新内多賀太夫さん)が連弾き(上調子)の方と新内流しを披露してくださいました。
※ 追記です。
9月9日(土)に深川江戸資料館で新内多賀太夫さん(新内節冨士元派家元)による新内流しの実演があるそうです。
入館料400円の他は無料です。ご興味がありましたら、ぜひ!
https://www.kcf.or.jp/fukagawa/event/detail/?id=6442
この界隈は深川飯が名物ですし、清澄庭園も近いですよ♫
二度めは、千駄木にある「旧安田楠雄邸」。昭和初期のブルジョワの邸宅をナショナルトラスト運動で買い取った建物で、季節折々にイベントが催されています。
夏は「新内節の夕べ」がありました。演奏してくださった岡本文之助さんが「ではアンコールで『縁でこそあれ』を」とおっしゃって、心の中で「わぁ!」と拍手してしまいました。
三度めは、「神楽坂まち舞台」というイベントでした。この街は花街の風情を今も残していて、新内のお稽古も盛んらしいのです。
路地から路地へ新内流しの皆さんが練り歩く後をハーメルンの子どものようにしばらくついて廻りました。
「気まま 向くまま」と言っても、当時の新内流しは門付け芸人ですから、実際には人に蔑まれることもあったでしょう。それはやくざ稼業でも同じですね。
「三味線旅がらす」は、そんなところまでは深掘りせずに、ひとつのメルヘンとして楽しめばいいのかなと思います。