「おんなの宿」は昭和39年、大下八郎さんが歌われてヒットしました。
「流転」を歌われた上原敏さんを「数少ない秋田県出身」とコメントに書きましたが、大下さんも秋田県能代市のご出身でした。知らなかった…(*´∇`*)
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32206.html
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/17308/
この曲は、演歌・歌謡曲好きの上の兄が「いい歌なんだよ」と盛んに私に宣伝していました。兄にとってもリアルタイムで聴いた曲ではなかったはずなので、どこかで発掘してきたのでしょう。
「特に2番の歌詞がいいんだ」と力説していました。
星野・船村コンビによる非の打ち所のない「宿もの」(勝手に命名)の名曲です。
ちょうどこの曲を制作する頃、船村先生ご自身がとある女性と死ぬの生きるのという修羅場にあったと、何かに書いていらっしゃいましたが、星野先生の詞だから、曲の主人公の女性は一夜限りの逢瀬だけで身を引いていこうとするのでしょう。
この情念をどこまでも突き詰めていくと「天城越え」になってしまいますね。
そのギリギリの一線の手前で、大下さんの抑制のきいた丁寧な歌唱が女性をこちら側に踏み留まらせているのでしょう。
25歳のKiinaがこんな辛い恋を経験したことがあったかどうかは分かりませんが、大下さんの歌い方を踏襲して細部に渡るまでとてもきめ細やかに感情を表現しているように思います。
大下さんはこの一曲しか存じ上げませんが、Kiinaが出演した音楽番組によく出演されていて、本家本元の「おんなの宿」を何度か聴かせていただきました。