デビュー曲「箱根八里の半次郎」以来、出場が途切れたことのない日本作詩大賞にこの年の勝負曲「母」はエントリーされませんでした。
恐らくなかにし礼先生側から辞退の申し入れがあったのではないでしょうか。
12月20日になかにし先生は亡くなられました。2012年の作詩大賞に「櫻」が選ばれた時、あれほどの歌謡界の大御所であらゆる賞を獲り尽くされたなかにし先生が感無量の表情をされていたのが忘れられません。
KIINA.をこれからの歌謡界を支える逸材と篤い信頼を寄せてくださっていた先生に、昨日のKIINA.のステージをご覧いただきたかったと思いました。いえ、ちゃんと見届けてくださっていましたね。
年が明けての2月にはココアちゃんとの辛いお別れもありましたね。
そうした中で、2021年の勝負曲は「南風」と発表されました。
雑誌のインタビューで「(2020年の)国際フォーラムのコンサートを観に来てくださった水森先生が"この時代だからこそ生まれてくる歌っていうのがある。だから<南風>というキーワードで曲を書きたいんだ"と情熱的におっしゃってくださったんです」と解説しています。
「今は未来が見えない状況でも、人は明日へ向かっていかなくてはいけない。「南風」はそんな人の心の背中を押せるような作品」と。
3月30日にリリースされた「南風」は、
「たわむれのエチュード」がカップリング曲のAタイプ南風【Aタイプ】 | ディスコグラフィ | 氷川きよし | 日本コロムビアオフィシャルサイト
「おんな花笠 赤とんぼ」がカップリング曲のBタイプ南風【Bタイプ】 | ディスコグラフィ | 氷川きよし | 日本コロムビアオフィシャルサイト
「磯千鳥」がカップリング曲のCタイプの3種類です。南風【Cタイプ】 | ディスコグラフィ | 氷川きよし | 日本コロムビアオフィシャルサイト
「南風」のKIINA.の歌唱はこちら↓
歌詞は歌ネットより。
列車というフレーズは出てきますが、具体的にどこかを旅する歌ではなく"心の持ちよう"を伝える歌です。
「この苦しい時代に、ずっと北風ばかりでは辛い。暖かい南風がすべての人に吹くように」というKIINA.の歌声はどこまでも優しく暖かく、聴く人の心を包みこむようです。
"言霊"があるように"声霊"というものもあるのではないでしょうか。
KIINA.の歌声には確かに霊的な力が宿っている。
そう信じさせてくれる歌です。