「リンゴ村から」は1956年にリリースされた三橋美智也さんの大ヒット曲ですね。
https://columbia.jp/artist-info/hikawa/discography/COCP-32206.html
作詞は、春日八郎さんの「あん時ゃどしゃ降り」と同じく矢野亮さん。作曲は林伊佐緒さんです。
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/17304/
個人的に、この歌そのものが好きです。
何より「リンゴ村」というタイトルがいいです。
青森でしょうか、信州でしょうか。日本のどこかにある漠然とした村ではなく、どんな村なのか聴きてが具体的にイメージ出来ます。
主人公は村に残ってリンゴを作り、それを木箱に詰めて駅から送り出すたびに東京へ出て行ったきり帰ってこない人を思うのでしょうね。
きっと、同じようにして見送った人も、見送られて都会へ出て行った人も、多くの人が我がこととしてこの歌に共感を寄せたのではないでしょうか。
そして、Kiinaの歌唱です。
哀愁漂うこの曲を、演歌のテクニックをしっかり身につけた歌手でなければ歌えない技法を駆使して歌っているのですが、随所に散りばめられたコブシがさり気ないので、聴いていて鼻につきません。
最後の「帰っておくれよ 俺らのナ 俺らの胸に」の絶唱がたまらなく切ないです。
Kiinaはこの曲を2014年にリリースした「昭和の演歌名曲集」で歌い直ししていますね。
正直に言って2014年盤の収録曲は、若い頃の八方破れだけれど溌剌とした歌い方の方が魅力的だなぁと思うことの方が多いのですが、「リンゴ村から」はこの2014年盤のしみじみとした歌い方も、胸に沁みてきてとても好きです。