アルバム最後の16曲めは、千昌夫さん「北国の春」です。Kiinaの歌唱はこちら↓
https://m.youtube.com/watch?v=AnDLIMNd5F0&pp=ygUQI3NhYnNlYWNjaGlrYXdhZA%3D%3D
歌詞は歌ネットより。
https://www.uta-net.com/song/104546/
昭和52年発売。今さら何の説明も要らない、日本のみならずアジア全域で愛されるスタンダードナンバーです。
wikiではなく、作詞のいではく先生がご自分の著者で「北国の春」誕生の秘話を語ってらっしゃるところによると。
・初め、千さんの新曲として遠藤実先生の曲が既に出来上がっているものへの作詞と、そのB面の作品への作詞を依頼された。
・当時千さんは奥様と「イワテケ〜ン」というテレビCMが人気だったので、これに乗っかろうとタイトルを「北国の春」とし、都会に出てきた若者が故郷を思う望郷歌にした。
・ところが、実際にはいで先生は東北に行ったことがなく、具体的な北国のイメージが湧かない。故郷の長野県佐久地方は標高の高いところなので、春を待つ気持ちは東北と似ているのではないかと、自分の子ども時代を思い出しながら詞を綴った。
・遠藤先生は10分足らずでこれに曲をつけ、その場の全員一致でこちらの曲をA面にすることに決まった。
歌詞の3番に出てくる父親の姿は、いで先生も千さんも小さい頃にお父様を亡くされていて、「もし生きていたら…」というノスタルジアで書かれたそうです。
ご存じのように、この歌は日本国内で大ヒットした後、誰かが意図的に仕掛けたというのではなくまたたく間にアジア中に広がり何億という人達に愛される歌となりました。
それが本当なのかどうか、いで先生は実際に遠藤先生と中国へ検証のために旅行したところ、どこへ行っても熱烈歓迎。またモンゴルではいで先生と遠藤先生がそれぞれ別の大学から名誉博士号を授与されたそうです。
中国、モンゴル、ネパール、インド、台湾、フィリピン、シンガポール、ベトナムetc.
ふるさとの自然を愛しふるさとを懐かしむ歌詞と温かなメロディーが、国境もイデオロギーの違いも越えて素直に人の心に届くのでしょう。
Kiinaの「北国の春」は、出だしの高音も明るい温かな声質もとてもよく合っていますね。
どんな歌い方も出来るKiinaが、小細工を一切排除して本来持っている声質を生かして素直にシンプルに歌い上げています。
この曲はみんなに愛され誰でも歌うことが出来るけれど、実際には歌う人を選ぶ、そんな曲のような気がします。
「北国の春」は千さんの代名詞のような曲なので、Kiinaも様々なステージや番組で千さんと歌っていますね。千さんは、良く言えば融通無碍、ご自分の好きなテンポやペースで歌われるので、毎回合わせるのが大変そう(笑)。
2011年3月11日の東日本大震災の直後、フジテレビは急遽チャリティー音楽番組を企画しました。ずっとKiinaを買ってくださっていたきくちPさんからのオファーを受けたKiinaは、この時東北の皆さんのことを思って「北国の春」を歌いました。今でも忘れられない感動的な歌唱でした。