つらつら日暮らし

「第一官律名義弁」其三十一(釈雲照律師『緇門正儀』を学ぶ・31)

ということで、もう10回以上、釈雲照律師『緇門正儀』の「第一官律名義弁」の内容を見ている。なお、これは【1回目の記事】でも採り上げたように、「今略して、僧に位官を賜ひし和漢の官名、職名及び初例を挙示せん」とあって、職名の意味というよりは、任命された最初の事例を挙げることを目的としているようである。よって、この連載では、本書の内容を見つつ、各役職の意義については、当方で調べて、学びとしたい。現在は日本の役職となっている。

そこで、以下は「有職」という項目になる。いわゆる「有職故実」に用いる場合の意味ではあるまい。何だろう?調べると、「有職」には学者の意味もあるようなので、それかな?

一 凡僧
一 擬講
一 已講
    『緇門正儀』16丁表


これらは、項目名のみあって、本文が無い。ただ、「凡僧」については以前、【「第一官律名義弁」其二十七(釈雲照律師『緇門正儀』を学ぶ・27)】の記事を書いた時に出ており、意味としては「僧綱に次ぐ立場、僧綱に任ぜられていない法師位の者」となる。

そして、それ以降は、「三会(奈良・京都で行われていた、経典の講説・読誦を行う法会のこと)」での講師を務めたかどうかを示すものである。まず「擬講」は三会の講師に任じられる僧のことを指す。これは、「擬」の字が、「あてがう」の意味を持つためである。

字句としてもっとも簡単なのが、「已講」で、これは「已」が「すでに」の意味であるから、法会の講師をすでに務めた者を指す。

ちょっと簡単な記事だが、次から少し長いので、ここで切っておきたい。

【参考資料】
釈雲照律師『緇門正儀』森江佐七・明治13年

仏教 - ブログ村ハッシュタグ
#仏教
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「仏教・禅宗・曹洞宗」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事