その日も一日中仕事でパソコンを使っていて、肩と首がパンパンだった。
そして頭の浮遊感もひどかった。
そんな状態で、いつもの日課でお風呂に入り、湯舟に長く浸かって本を読んでいた。
頭が少しすっきりしたような気分になり、自分の部屋に戻ってゴルフの素振りをしてから
ベッドに入った。
その後、目を閉じているのに脳みそを思いっきり揺さぶられるような、
気が遠くなりそうなめまいに襲われた。
熱いお風呂に入った後、頭にカーっと血がのぼる、それをもっとひどくしたような感じだった。
これはただ事ではないと思い、別室にいた相方を呼び、
真夜中にタクシーを呼び、近所の総合病院へ。
ふらついてまともに歩けない。意識を失いそうなくらい頭がくらくらだった。
ものすごい恐怖感に襲われた。
救急医が私の症状からして、脳出血を疑い、CT検査と血液検査をしたが、
脳は全く異常なしで、脱水症状が起きており、立ちくらみのような状態が
全身に起きる「全身震(ぜんしんしん)」とのことだった。
点滴を受けてふらつかずに歩けるようになるまで休み、
病院を後に頃にはすでに明け方になっていた。
こんなことになりながらも、午後からリモートワークで仕事をしいていた私は、
その時まだかなりのストレスが自分にふりかかっていることすら気付いていなかったのだった。
外資系企業勤務でバリバリ働いてきた私が、突然まさかの精神科通い。
まぶたが勝手に閉じてしまうめまい、常に頭がフラフラ、クラクラの状態、
手足が冷たくなり心臓バクバクの動悸、気が遠のきそうになる不安感、
表現しようのない重ーい重ーい倦怠感で、1年半にわたりベッドからほとんど
起き上がれなった。
うつ病と診断されたが、その後それが誤診だと分かり、断薬と森田療法を経て、
生まれ変わるまでの日記とその後の森田療法的生活の日々。
今、こうして普通に日常生活が送れるようになったことが不思議でならないくらい、
2年前は絶望の最中にいた。
まるで坂を転げ落ちるように体調がどんどん悪化、ベッドからほぼ起き上がれなくなり、
もう「人生終わったな」と思っていた。
自分がまさか精神科に通うことになるとは、、、。
こんなになるまでは、人一倍いや二倍も三倍もエネルギッシュだった私は、
仕事に趣味に副業に、それこそ八面六臂の活躍だった。
仕事の合間にゴルフの練習もしてたし、コロナ過で運動不足にならないよう、
在宅勤務の合間をぬって、ウォーキングも一生懸命していた。
よく「いつ休んでるの?」と言われたが、休まなくても平気だったし、
シニアライフに向けて副業の方ももっと充実させようと
隙間時間を見つけてはせっせとインスタ活動に励んでいた。
今となってみれば、禅でいうところの「中庸でいること」がいかに大事か、
あの頃の自分の頭を後ろから「お前いい加減にしろよ」と
ポーンと叩きたいくらいである。
とにかく自律神経の交感神経を目一杯使って、
副交感神経なんてないんじゃないかくらいに酷使していたように思う。
そしてついに坂を転げ落ちるように体調が悪化していく日々が始まるのであった、、、。