本日2度目の投稿です。
あの3.11.の時は、大学病院で外来を行っていました。
朝から外来が始まり、昼食抜きで働き、患者さんと向き合っていました。
それは、3時近くなった頃で、あと患者さんが3人ほどになった時でした。
外来ブースには私一人で、次の患者さんを呼ぼうとした時です。
突然、建物が揺れだしたのです。
最初は、「少し大きめの揺れだなー」なんてのん気にしていましたが、
揺れは収まるどころか、だんだん大きくなり、机にしがみついていないと椅子ごと動いてしまいそうでした。
なんと、壁にひびが入り、びっくりしたことを今でも覚えています。
後で聞いた話ですが、手術中の同僚は、患者さんが手術台から落ちないように!!と、必死だったそうです。
揺れが収まった後は、患者さんと「すごい揺れでしたねー」なんて話をしながら、
和やかにすべて問題なく外来を終了しました。
ただ、家族が心配で嫁に電話したところ、「先ほどまで、二子玉川高島屋の本屋にいたのーー!!急に地震が来て停電になってしまったので、車で帰宅中です。でも、超渋滞中している!!」と、電話越しに話した。
じゃー 「裏道でかえってこいよーー!」と、電話を切ったのでした。
その時点では、東北地方で大変なことが起こっていたとはつゆとも知らず、
仕事は5時で終了したのでした。
その後、不確定な情報が次次と入ってきました。
へー?!何が起きているんだろう!と思いながら、
乳腺外科の医局に行こうと道を歩いていると、
同様に、外科の医局に向かっている外科の教授と一緒になりました。
「どうやら、大変な事態が起こっているらしいので、とりあえず医局に行ってテレビを見ようと思うんだよ」と話しかけられました。
その当時、乳腺外科は、外科から独立したばかりでしたので、外科の教授は先日までの直属の上司でした。
そこで、「ではご一緒させていただきます」と、一緒に外科の医局に入ったのでした。
外科の医局内では、先に来てテレビを見ている数人の医局員たちが異様なお面持ちで、テレビを見ているではありませんか!!
その映像は、映画を見ているような光景で、
津波の映像と海が燃えている映像でした。
「どうなっているんですか」 「ここはどこですか?」と、問いかけると、
どうやら東北のようなんです。でも詳しいことはわかりません。
全員、テレビにくぎ付けでした。
テレビの情報は、あたりが暗くなってしまったこともあり、新しく情報は入ってきません。
ところが、新しく医局に入ってくる医師たちは新しい情報を持ち込んでくれました。
「福島、宮城のあたりがやばいそうです。」
「道が渋滞して車が動いてません」
「電車がすべて止まっています。」
「道は歩行者(帰宅者)でものすごく混んでいます」
「中原街道は銀座のように人で混雑しいて、みな歩いています」
教授が二言。「よし分かった。」「とりあえず、飯でも食べて落ち着こう」
すると、後輩たちが動き出します。
「やはり鍋ですよねーー」「鍋は出前してくれないから取りに行ってきます」
えー鍋を取りに行く??どうゆうこと??と、聞くと、
「近くの居酒屋で、鍋を作ってくれるんですよ!!
ただ、出前はしてくれませんので、取りに行けばよいのですーー」と、
フットワーク軽く、 すぐに電話して4.5人ですぐに店へと向かった。
こういうときだけは、最高のチームワークを発揮する。
後から思えば、最高の選択であった。
それは、他の医局でも、他の出前店に、出前を頼もうと電話したが、すべてのお店で、出前は中止となっており、断られていたからである!!
医局員と鍋をつつきながらテレビを見ていると、状況が刻々と判明しだした。
(しかし、最終的に被害を把握できたのは次の日だった。が!!)
車で通勤していたこともあり、酒は飲まなかったが、帰る時間を見計らっていた。
医局員は、泊まる派と、帰る派に分かれていたが、最終どうしたのかは、知らない。
なぜなら、PM10時を過ぎたころに、思い切って車で裏道を使って帰ろうと、決心したからである。
やめておいたほうが良い!!と皆に反対されたが、そんなに主幹道路がこんでいるのなら、脇道はすいているのでは??と考えたからである。
やはり、その考えは、正しかった。
無茶苦茶に渋滞している中原街道を横目に、裏道を使って帰宅した。
中原街道と環七を横切った!!が、渋滞なしで自宅に到着した。
普段から、裏道を検索していて良かったと!!その時初めて思った。
その後、次の日からは本当の事実が心を揺さぶった。
こんなことが起きていたのか!!
福島にいる弟は電話で、内陸部の方なので大丈夫だ!!!との返事があった。
自分の家族関係で亡くなった方はいなかったが、ニュースを見ていると
自然と涙が出てくる自分がいた。
その後、何人か、東日本大震災や神戸の大震災を経験した被害者を診察したことがあった。
やはり、地震には恐怖を感じるし、眠れないことが多々あると言っていた。
なかなか、自分が所属している科の関係で救急患者さんを見ることは少ないが、
心に寄り添うことはできると考えている。
それでは黙祷!
新型コロナがこれ以上猛威を振るいませんように!!