ブラインドサッカーの試合
凄いです。
このレベルのプレーができるまでどのくらいかかったのでしょう。
人は周囲の情報の7割を視覚から得ているといいます。
もしブラインドサッカーの練習を取れ入れたとしたら、視覚情報を遮断する
ことで、ほかの感覚やコミュニケーション能力が飛躍的に磨かれ
素晴らしいチームプレーが生まれるかも知れませんね。
以下、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト
サカイクからの転載記事です。
2011/05/13
‐『失敗』、『気づき』、『成長』の課程‐
■サカイク×ブラインドサッカースポ育プロジェクト
前回は、ブラインドサッカーとスポ育プロジェクトについて、学んできました。今回の『サカイク×ブラインドサッカースポ育プロジェクト』は、実際のスポ育で行っている人気ワークを紹介します。子どもたちの成長の様子を、のぞいてみましょう!
《ワーク1~3共通ゲームの説明》
- 四角形のコート(サイズは自由)にアイマスクをしていない4人(A~D)が立ち、その中にアイマスクをした1人(①)が入る
- A~Dがパスを回し、①がボールにタッチする
- 30秒間でタッチした回数を、ほかのチームと競い、一番多くタッチできたチームが勝ち
- 30秒のワークの合間に作戦タイム(時間は自由)を取り、①役を変更しながら、ワークを3回繰り返す
※チーム内のメンバーがそれぞれ、見える役割、見えない役割を行うことで、相手の立場を考え、コミュニケーションが改善されていきます
《用意するもの》
- アイマスク1つ
- 音の出るボール
《STEP1:失敗の段階》
最初の30秒は、選手たちも慣れていず、声も出てきません。 特に、①の選手は、ボールの音に振り回されてしまい、動き方もぎこちがありません。また、A~Dの選手たちは①を避けるような行動を取ることも見られます。なかなかタッチできる回数が増えていかないときは、どうしたらいいのでしょうか?
〈指導のポイント:作戦タイム1〉
ここで一度目の作戦タイムを取ります。
- 見える選手がアイマスクをしている選手を避けるような行動が見られるときは『街中で視覚がい者と出会ったときに避けるという行動をしたとき、(自分が)どのような気持ちになるのか』を考えさせるようにする。
- 声をかける人も主役です。サポートをするだけではないということも示すことが大切です。
- ボールの音だけでは、なかなか動くことができない場合が多いため、どのような言葉で指示をだすといいのか、また、どういうことを指示してほしいのかを選手たち同士で考えさせるようにする。コミュニケーションを深めさせるように導く。
《STEP2:気づきの段階》
一度、作戦タイムをはさむことで、選手たちに次のような変化が見られるようになります。
- ①に対して「こっち」「あっち」と周りから声が出る
- 「声」以外に「拍手」などをして呼ぶ
- 呼びかけを仲間の名前するなど、声かけに工夫が見られる
〈指導のポイント:作戦タイム2〉
再び作戦タイムを取ります。
- 「こっち」「あっち」などではなく、より具体的な指示を出すように促す
- 左右や、あと何歩など、明確な指示を誰が声をだすのかなど、周囲との連係をかんがえ、タイミングを図るように考えさせる
- ①は、仲間の声に集中し、信頼をして動く勇気を持つように声をかける
《STEP3:成長の段階》
2段階を経た、選手たちの変化は次のようになります。
- ボールまであと何歩か、より具体的な指示が出せる
- 左右を伝えられる
- 周囲の状況を見ながら、声かけのタイミングも明確になる
《まとめ》
STEP1~3の間で、『コミュニケーション力とチームワークの向上』がどんどん成長していきます。前回、お伝えした『声を出すこと、聞くこと。そして、そのタイミングの大切さ』を実体験することで、子どもたちの心に変化が見られるのです。見える子が主役になり、サポートをしていく体験は、相手の状況を思い描き、どうしたらいいかを考えるきっかけになっていきます。作戦タイムでも子どもたちは、真剣に状況打破へ向けて思考を巡らせていきますので、教えるのではなく、考える力を生み出すサポートができるように、見守っていきましょう。
※ 目隠しをして運動を行う場合は、十分に安全確認を行ってください。
取材協力・写真提供/『日本ブラインドサッカー協会(PC)』『スポ育プロジェクト(PC)』
取材・文/サカイク編集部
イラスト/MIHOKO