【登場人物】
錦覓(きんべき)…楊紫(ヤン・ズー) 花女神の娘
旭鳳(きょくほう)/熠王…鄧倫(ダン・ルン) 天帝の息子
潤玉(じゅんぎょく)…羅云熙(レオ・ロー) 天帝の息子 旭鳳の兄
鎏英(りゅうえい)…陳钰琪(チェン・ユーチー) 魔界の王女
穂禾(すいか)/郡主…王一菲(ワン・イーフェイ) 鳥族王女
雨の降る中、鳩が長老の返信を付けて戻ってくる。“私たち聖医族は熠王に仕えるため生きる者。熠王のためなら死など恐れません。南平侯は反逆者です。この国で生きる民のため、聖医族のことなど構わずに、あなたは熠王を救ってください、熠王がいつの日かこの国から悪を排除した時、私たちもあの世で笑います”と書かれたおばさんからの文を読む錦覓と羌活。錦覓は文を握る。泣きながら「こんなの嫌よ」と羌活が言い、錦覓は羌活を抱きしめる。
訪ねて来た錦覓に「熠王は今朝、また吐血し気を失ったとか。実に見事だ」と褒める南平侯。錦覓は「御意に従い与薬しておりますが、熠王の寿命を後10日とするために薬材を正確な量で調合したいのです。熠王は薬膳を召し上がるとか。熠王に出された過去1年分の品書きをお教えください」と言う。材料の分量だけでなく、召しあがった量も、と。南平侯は「たやすいことだ」と言い、書き留めた物を届けさせると話す。その時、南平侯が“寿にして長く昌えん”と書いていた紙が、風で錦覓の足元まで飛んでくる。
錦覓は急いで紙を拾い、南平侯へ持って行く。じっと錦覓を見つめる南平侯。錦覓はとっさに「南平侯に幸あれ。大志が成就することを祈ります」と言う。南平侯は笑い、紙を取ると「私は朗報を待つのみだ」と返す。
下がりながら“本心の分からない人だわ”と思う錦覓。
帰ろうとした錦覓は郡主に呼ばれる。郡主の周りには侍女が数名いた。泗賓浮石を用いた砭石を、ほんの気持ちだと差し出す郡主。錦覓は「私は何も奏功できておりません。この砭石は貴重な物です。郡主がご自身でお持ちください」と断る。しかし郡主は「名医が持つべきものだわ。父への忠誠心にも感謝を」と言う。“この前とは別人みたいに随分、穏やかね。この侍女たちは何者なの?見張り役かしら ”と思う錦覓。
郡主に誘われ、錦覓は2人だけで散歩をすることに。錦覓は「私に何かご用でしたか?」と尋ねる。「あなたも父の手先だったのね」と言う郡主。錦覓は「何か誤解されているようです。手先だなんて」と言う。郡主は「父と手を組んでいるようだけど、私はあなたたちとは違うの。聖医族の掟は厳しいのに考えが甘いようね」と言う。聖女は熠王の死と共に殉葬されるはず、助かっても私が許さないわ、と。
錦覓は「私の命を王の御命と秤にかけるなど、おこがましいことです。ただ郡主が家族の命を背負う立場にあれば、どうなさいますか?」と聞く。「私が知るのは熠王がいれば安泰である父が謀反を起こそうとしていることだけよ」と答える郡主。錦覓は南平侯とは考えが違い、郡主は熠王のことが好きだから焦っていると分かる。
手の内は隠しておくことにし「今の話を南平侯が聞いていたら?」と錦覓が言う。郡主は「構わないわ。どうせ、また熠王の状況を把握させないために私を閉じ込めるだけよ。我が子はかわいいの。私だって同じよ。謀反が成功しても父を傷つけられない。でも他人は必ずこの手で罰するわ。熠王の敵は討つ」と告げる。錦覓は「郡主は手駒に当たるばかりで肝心な南平侯へは苦言を呈さないようですね。昔からこんな言葉があります。“鈎を盗んだものは誅殺され 国を盗んだ者は諸侯になる”。それでは失礼いたします」と言って、一旦、その場から離れる。
しばらくして郡主の叫び声がする。錦覓が戻ってくると、郡主の足に蛇が絡みついていた。錦覓は雄黄粉を蛇にかけ、棒で蛇を竹林へ投げてしまう。竹林を焼き払うよう侍女たちに言う郡主。潤玉様の酒を造らなきゃ、と思った錦覓は「お待ちを。生きのいい蛇だったので、お酒を作る材料にいただいても?」と頼む。
錦覓が蛇を探していると、占い師(彦佑)が木に寄りかかって座っていた。錦覓が蛇を捕まえようとしていたと分かり「生き物は愛護するべきだ。なぜ蛇を追いかける?」と聞く彦佑。錦覓は薬酒に使うと言う。そんな話をしていると郡主が来る。いぶかしげに見られた彦佑は、天界の記憶はないのか?と思い、鎌をかけることに。
「穂禾公主、ご息災で」と言う彦佑。侍女が「名で呼ぶとは無礼者め」と怒り、錦覓は「この人は占い師で仙人みたいな方です」と話す。彦佑は「私の名は撲哧君という、新しく参った食客だ。驚かせてしまって、すまないね」と言う。
鴻昌酒楼。錦覓が「撲哧君、変な名前だけど、ご両親がつけたの?」と彦佑に聞く。「実を言うと妻がつけたんだ」と答える彦佑。錦覓がどうして南平侯の食客になったのか尋ねる。彦佑は「暇潰しさ。食客は南平侯が呼んだ者だけじゃない。君と別れてからひどい目に。南平侯の従者に占えとつきまとわれてる」と話す。「私のことも占ってくれない?」と言う錦覓。しかし彦佑は「占いなどでたらめだ。何を占おうと?」と言う。
錦覓は「もし誰かが自分の弱みにつけ込んで、望まないことをさせようとしたらどうする?」と言う。「人には振り回されない」と返す彦佑。錦覓は「命に従えば過ちとなる。背けば心が痛む」と話す。彦佑が「私たちは似た者同士だな」と言う。
傅相がいる前で咳き込み、喀血する熠王。すぐにたくさんの手巾が運ばれて来る。傅相は“納妃の献言”を上奏し「熠王は病を抱えておられますが、世継ぎの御子がおられません。国のため、1日でも早く納妃を。妃を娶れば悪運は消え、子を授かれば国も長く繁栄しましょう」と話す。熠王は「悪い話ではないが、私は病を患っている身だ。娶って女子の盛りを無駄にする。納妃は私の病が癒えてからに」と言う。納妃を拒まれるのならば、王位継承者の決定を考えるように言う傅相。考えておく、と熠王が返し、傅相は下がる。
北苑山荘で錦覓に体をほぐしてもらいながら「君の仕組んだこの症状は、面倒を引き起こす。だが、まあよい。これで南平侯の気も緩むはずだ」と言う熠王。熠王は「従臣たちは私の死により国が揺らぐのを恐れ“妃を娶り運気を変えよ”と」と話す。「お妃を娶られたら御子の誕生のため、滋養強壮の薬をこしらえ献上いたします」と言う錦覓。熠王は「鈍感な奴め」とつぶやく。
熠王は「最初から女子になど興味はない。月並みな女という意味だ。聖医族の暮らしをやめ、他の人生を歩みたくはないか?例えば普通の女子のように生きる。もしくは王妃として生きる」と言う。
驚いて熠王を見つめた錦覓は、慌てて立つと「滅相もない。私は山で育った退屈で無知な人間です。薬を作る以外、脳はありません」と話す。「私はそんなに頼りないか?」と言う熠王。錦覓は「私は…自分の力だけで生きていけます」と言う。熠王が部屋を出て行き、秦潼も後を追う。
偶然、話を聞いてしまった羌活が入れ替わりに入ってくる。
「熠王はあなたのことを?」と聞く羌活。錦覓が「違うわ」と否定すると、羌活が「あなたは愛してるの?」と聞く。胸に痛みを感じながら「まさか、そんなわけない」と言う錦覓。羌活は「聖医族の掟を忘れないで。許されないことよ」と話す。錦覓は「大丈夫。分かってるわ、安心して」と言う。
夜。錦覓は龍の鱗を使って潤玉を呼ぶ。錦覓が約束した酒が用意してあり、喜ぶ潤玉。「月下美人は咲きましたか?」と錦覓が聞く。潤玉は月下美人を出すと花を咲かせる。
「仙宮とはどんなところですか?」と錦覓が聞く。潤玉は「物寂しく月下美人がわずかに咲き、1匹の鹿がいるのみだ」とうつむき加減で答える。錦覓は潤玉の寂しそうな顔に気づき「仙境ではどんな景色が見られるのか教えてくださいますか?」と話題を変える。
潤玉は「私の居所には虹がかかっていて、あまたの星が輝く天の川を一望できる。ある仙女を想うと、いつもあそこへ行く」と話す。「確かに潤玉様が夢に出てくるといつも虹も見えてました。仙女様を心から愛しておられるのですね」と言う錦覓。潤玉が嬉しそうに頷き、錦覓は「そういえば仙女さまと月下美人を愛でる約束があると。どうなりましたか?」と尋ねる。「結局、実現しなかった」と答える潤玉。そんな話をしている時、熠王が来る。
仮面の男が錦覓を狙っていたが、、熠王を見てやめる。
「この者は?」と聞く熠王。錦覓は「私の友人です。信じてもらえないかもしれませんが…神仙様です」と答える。潤玉が「旭鳳、立派にやっているようだな」と言う。「無礼な。王を名で呼ぶとは」と言う秦潼。
仮面の男は面の男たちに襲われ、滅霊箭を取られそうになる。宙に飛んだ滅霊箭を術で自分に引き寄せる仮面の男。しかし彦佑が先に取ってしまう。
彦佑が矢を投げ、面の男たちがそれを持ち去る。追いかける仮面の男。
仮面の男は面の男たちを倒し、矢を手に取る。
歩いていた仮面の男の前に鎏英が現れる。「教えて、暮辞なんでしょ?」と言う鎏英。仮面の男が持っている矢を見て「滅霊箭で誰を殺そうと?」と鎏英が聞く。何も言わず去ろうとする仮面の男。鎏英は仮面の男に向かって鞭を伸ばす。それを仮面の男が避ける。数回、そんなことをくり返したところに、面の男たちがまた現れる。
面の男たちと2人は戦うが、仮面の男は自分が持っていた矢が偽物だと気づく。その場を後にした仮面の男を鎏英は追う。
潤玉は「外で散歩など?」と錦覓を誘う。しかし「ならぬ。私が許すと?」と言う熠王。神仙様にかなうはずありません、と錦覓は熠王に言う。しかし「この上ない好敵手。戦わぬのは惜しい」と熠王が言い、潤玉は仙法を使わず拳法のみで戦おうとする。そこに笑いながら彦佑が来る。
「彦佑、なぜここに?」と聞く潤玉。
錦覓は「彦佑?奥さんのつけた名前が撲哧君だものね」と納得する。潤玉が「妻がつけた名だと?」と言う。2人が知り合いなのか錦覓が聞き、彦佑は「私は半仙だから縁故あるんだ」と話す。潤玉は錦覓たちの記憶を消し、彦佑と出て行く。
彦佑と歩きながら「なぜ敵ばかり作る?今度は魔界の者か」と言う潤玉。彦佑は「この宝物のためですよ」と滅霊箭を見せる。潤玉が「この矢は一体?どこで手に?」と聞く。“あの方の気持ちを変えてくれるやも”と思った彦佑は「滅霊箭ですよ。大変な財物で、手に入れるのに苦労しました」と話す。
潤玉は「撲哧君という名は妻がつけただと?璇璣宮の者を盗み取る心づもりか」と言う。
「ただの冗談ですよ。殿下の敵は北苑山荘にあり。大胆にも正面から勝負を挑んでいる。仕置きが必要で?」と言う彦佑。潤玉は「私が悪いのだ。寛容なあまり、お前たちに妄想を抱かせた」と言う。
朝。目覚めた羌活は、錦覓、熠王、秦潼が寝ていることに驚く。すぐに錦覓を起こす羌活。昨夜の出来事を覚えていない錦覓は「お酒に蛇毒が残っていたのかしら」と言う。
天界に戻ってきた潤玉を鄺露が出迎える。
省経閣へ行き、鄺露と一緒に滅霊箭を調べ始めた潤玉。そんな中、潤玉は天帝の描いた女の絵姿を見つける。それには“龍魚は蔌々と紅色の涙を流す 今朝出会うも 想い離れざらん”と書かれていた。潤玉はその女が付けていた霊火珠を見て「なぜ描かれている。何者なのだ」とつぶやく。
仮面の男を追った鎏英は「火神は兄同然で錦覓は友よ。指一本、触れさせない。滅霊箭で命を狙ったら容赦しないわ」と言う。「滅霊箭は失った。もう狙えない。だから私を追うな」と強く言う仮面の男。鎏英は「命を奪う武器など消えていい。それから、私の真鍮は?」と言い返す。何のことだ、と言って仮面の男は歩き出す。鎏英は以前、負傷した場所を押さえ痛み出したふりをする。戻ってきた仮面の男の隙をつき、仮面を取ってしまう鎏英。
ーつづくー
今回は熠王の「鈍感な奴め」がツボ(*´艸`*)
「最初から女子になど興味はない」って熠王が言うから、秦潼を見た錦覓がおかしくて(≧▽≦)
秦潼の態度も面白かったけど。
でも、誤解する前にちゃんと「月並みな女という意味だ」と熠王が言ってくれてよかった!!
「もしくは王妃として生きる」と熠王が言ったけど…残念(;д;)
厳しい掟もあるものね…。
滅霊箭を奪った彦佑。
彦佑も義母に命じられているけど…どうするんだろう?
義母と潤玉も何か関係がある?
天帝が描いた絵姿の女性も気になるしヾ(・ω・`;)ノ
とうとう仮面を取ってしまった鎏英。
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