扶揺(フーヤオ)…ヤン・ミー
長孫無極(ちょうそんむきょく)…イーサン・ルアン
長孫迥(ちょうそんけい)/皇帝…ワン・ジンソン
「究極の選択」
徳王が無極の前まで歩いてくる。「この戦は私とあなたのどちらかが死ぬ」という無極。徳王は背後の臣下たちには罪を問わず生かしてやってくれと頼み、無極は「分かりました」と言う。無極が「2人はどこに?」と聞く。「誰だ」と返した徳王は、うつむくと「お前の大事な人は私の大事な人だ。決して傷つけたりせぬ」と言う。
無極と徳王は一対一の戦いを始める。
皇帝が落としていった毒薬を皇后が取ろうとする。しかし、それに気づいた扶揺が先に手に取る。「愛する人と添えぬこの苦しみを無極には味わわせたくない」と毒薬を渡すように言う皇后。扶揺は女子など、この世に無数にいます。無極の母上はあなただけ」と言い返す。そして「1人だけここを出れるならそれは皇后様。私は修行として毒を飲んできました。そのおかげで毒では死にません。早く無極を呼んできてください」と言うと扶揺は毒薬を飲んでしまう。
縛り付けていた鎖が消え、皇后は扶揺に駆け寄る。「一緒に出ましょう」と言う皇后。扶揺は「いいえ、陛下は1人しか出しません。早く無極をここへ」と言い、皇后を行かせる。
吐血をした扶揺は「見たでしょ?見たはずよ。あなたが殺したいのは私たちじゃなかった。知ってたわ。殺したかったのは無極の善良さ。私はただの駒にすぎない。うっかりあなたの計略にはまり、こうして死のうとしている。どうか、もう無極を許してあげて。無極から善良さを奪い去らないで。無極はあなたを敬愛しているから」と皇帝に言う。無極の名を呼びながら動かなくなく扶揺。
皇后には車が用意されていた。「陛下より“望むところへ送れ”と」と宦官に伝えられる皇后。皇后は「何もかもお見通しなのね」とつぶやき“長孫迥、何をしてもあなたの計略から逃れられない。逆転できぬなら負けを認めるわ”と思う。
韓林は皇后が江北へ発ったことを皇帝に伝える。「もう1人は?」と聞く皇帝。韓林は「恐らく、死んだかと」と答える。皇帝が「朕は残忍すぎるか?」と尋ねる。「五州を統べる陛下が何をなさってもそれは五州のため。残忍だとしても五州のためです」と言う韓林。
徳王もかつて穹蒼で修行を積んだことがあった。「これほど我らの剣法が似ているとは。ただ、私は老いたが」と言う徳王。無極は「穹蒼は剣法だけでなく人の道も教える。叔父上は剣法のみ覚え、君臣の道、兄弟の礼をお忘れか?」と言う。徳王は「兄弟の礼?」と言うと再び無極と剣を交える。
無極が徳王の首に剣先を向ける。徳王が自らその剣に刺さろうとし、急いで剣を下ろした無極が素手で徳王を止める。吐血し、その場に倒れこむ徳王。無極は持っていた剣を手から離す。
意識のない扶揺の元に周じいが現れる。
反乱軍が投降したと韓林が皇帝に伝えに来る。生け捕りにした徳王について、皇帝は「“その場で斬刑に”と伝えよ」と命じる。
目覚めた扶揺は、目の前に周じいがいて驚く。泣きながら周じいを抱きしめ、幻ではないと分かる扶揺。周じいは「お前が玄元山で見たものは、すべてわしがお前に見せたものだ。お前の知らぬことを今から教えてやる」と言う。扶揺が下山してからずっと周じいは見守っていた。周じいは「お前の過去も、これから向き合うものも、わしは誰より分かっておる。お前はわしに気づかず、わしもお前の決定に口出しせなんだ。だがな、お前の苦しみは全て見てきた。よくここまで頑張ったな。わしはうれしいぞ」と言う。
「助けたい人がいるの。助けに行かなきゃ」と言う扶揺。周じいは「天権皇帝は無極に長孫迥を殺させて、一生、悔やませたい。お前はそれを止めたいのだろ」と言う。しかし「今のお前はどこへも行けぬ」という周じい。運命がお前と無極に与えた苦難だ、耐えねばならん、しかも体が弱っとるだろ、と。それでも扶揺は行きたがるが、意識を失ってしまう。
周じいは“わしが何もせねば、お前は毒で死ぬ。助けるなら牧霊の王に頼まねば。そうなるとお前は運命から逃れられぬ”と思う。
“太淵の御麟台、天煞の天門墟、璇璣の鸑鷟淵。扶揺よ、お前の5つの封印のうち3つは解けた。穹蒼へ行く前にここでの封印も今から解かれるのだ”と思う周じい。しばらくして牧霊の王・農耕神が現れ、扶揺に近づく。周じいは涙を流す。
穹蒼の禁忌の地へ行った扶揺。どこからともなく「お前が五色石を授けられし者か。元は平凡な人生を送る普通の者だった。だが運命がお前を特別な者にした。千百年前の五州の大戦で帝非天は負けたものの消えたわけではない。その残血が凝結し五色石となり、お前の封印が解けるよう導く。五重の封印が解ければ帝非天は完全に目覚める。帝非天の断片は今にも動き出そうとお前を呼んでいる。お前を五州に災いをもたらす妖女とするために」という声が聞こえてくる。
さらに「お前の存在が帝非天に再起の機会を与える。五重の封印が解ける時、帝非天はよみがえる。お前は五州に災いをもたらす元凶なのだ。お前が死なねば五州の民は再び地獄の苦しみを味わうだろう。この世でお前を完全に葬れる者は1人だけだ」と言われる扶揺。扶揺が「それは誰なの?」と尋ねると「今、お前の中の邪火の力は強くなっている。あの者だけがお前を葬り去れる。未来永劫、跡形もなく。それで二度と災いは起きぬ」という返事と長青子が現れる。「その者とは玄霊真葉を授かりし者」と。
幾度となく無極から見せられ、触れてきた玄霊真葉。扶揺は悲しそうに長青子を見ながら微笑み「あなただったの」と言う。“私たちの間には、こんな因縁があったのね”と思う扶揺。
現実の世界に戻ってきた扶揺は「受け入れる用意はできているか?」と問われ「私は自分で何かを選べたことはない。生死でさえ私のものではないのね。私の死で五州の太平が手に入るなら、何の悔いもないわ」と言う。
扶揺は周じいに「あなたは誰?」と聞く。「わしは五州十聖者2番目の聖霊だよ。生涯、放浪し俗世間と関わらずにいたが、ある日、川辺でお前を見つけた。その時、お前は手に五色石を握っておった。それが何を意味するか知っていたが、こう思ったのだ。他人がお前の命を決めてはならぬと」と話す周じい。
扶揺は「だから私を玄元山に?」と聞く。周じいは「そうだ。元玄山の霊気はお前の邪火の力を抑えられる。元玄山にいればお前は平穏な一生が送れるはずだった」と答える。「それを私が拒んだのね。これまでのことを後悔してないわ。危ない目に遭ったけど、愛する人に出会えた。最高の景色も見た。もし死んだとしても満足よ」と言う扶揺。
周じいは火かき棒だった匕首を取り出し「これは穹蒼の長青木の匕首だ。千年木から1本だけ作れる。やれる物は何もないが、これを持っていけ」と言って扶揺に渡す。そして「玄霊真葉を持つ者がそばにおろう。殺せ。そうすればお前を殺す者は誰もおらぬ。殺さねばこの苦しい人生が続いていくのだぞ。扶揺、言うべきことは言った。お前が自分で選べ。わしは手出しせぬ。そろそろ行く頃だ」と言う周じい。「嫌よ」と扶揺は止めようとするが、周じいは「わしが一生の修行で得た力をお前に与えた。わしはお前を10年育て、1日の師となり、そして終生の父だ。お別れだ。二度と会うことはない」と言うと消えてしまう。
皇宮からの使いが来たことを話し、“謀反人・徳王を死罪に処す。戒めのため皇太子が処刑せよ”という皇帝からの命令を無極に伝える江楓。
無極が処刑台へ行くと“徳王・長孫迦は朝廷に仕えること三十余年。天建国の重臣と見せて、その実、名利と権力を追い求めた。皇位簒奪を狙い軍を動かし、悪計を立て謀反を起こした。皇帝と長孫皇族の祖先を脅かす逆賊なり。不忠不孝、不仁不義。規律を乱し国を害した罪は重く極悪なり。過去の記録に鑑みてもかくなる極悪人は他に類を見ず。皇太子は国の威信を建て直さねばならぬ。皇太子・長孫無極は兵の目前にて逆賊を斬刑し、他の者への戒めとすべし。遵守せよ”という勅旨が読み上げられる。
笑った徳王が「“不忠不孝、不仁不義。罪は重く極悪”?兄上、よくもそんなことが言えますね。この数十年、天権と兄上のためにどれだけ私が汚い仕事を引き受けたか。そのあげくに“かくなる極悪人は他に類をみず”?罪状などいくらでも作れるな。殺すだけでは足りず、兄上は私の屍の上に屈辱を振りまかねば気が済まぬのか」と言う。そして無極に「謀反を平定し逆賊を斬る皇太子は、最高の名声と多くの民心を得るでしょう。皇太子の威勢が轟くなら首を差し出す、惜しくない。長孫迥に対して負けは認めたくないが、そなたになら…」と言う徳王。
無極は「あなたが正しくても、どうにもできない」と言って酒の入った杯を渡す。その酒を飲んだ徳王は「万代ののち私の名は逆臣の頭として残っているやもしれぬ。だが覚えていてくれ。この長孫迦の一生は公明正大だった。天下の民に尽くし、誠実に生きた。恥じるところなし」と無極に言う。
刑が執行されようとした時「待って」と言う皇后の止める声が。徳王の元へ駆け寄る皇后。皇家の対面に関わると、段潼は無極に「皇后様を立ち去らせてください」と言う。しかし「この責は私が負う」と言って処刑台から下りる無極。
ーつづくー
皇帝が酷すぎる(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
無極の愛する2人に毒薬を与えて選ばせたり、無極に実の父を殺させようとしたり。
そんなの五州のためじゃないよ、韓林!!!と言いたい(;△;)
周じいが…(;д;)
ずっと扶揺のことを見守っていてくれたのね。
生きていてくれたのも、そばにいてくれたことも嬉しいけど、再びお別れだなんて"(ノ_・、)"
小七にも会わせてあげたかった!!!
扶揺は絶対無極を殺すことなんてできないよね。
この選択を聞いた時、人魚姫を思い出しちゃった(;´д`)ノ
好きな人に殺されるのも、好きな人を殺さなくちゃいけないのもつらい。
処刑台に駆けつけた皇后。
皇后は無極に真実を話せるかな?
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