扶揺(フーヤオ)…ヤン・ミー
長孫無極(ちょうそんむきょく)/軒轅旻(けんえんびん)…イーサン・ルアン
宗越(そうえつ)/軒轅越(けんえんえつ)…ライ・イー
長孫迥(ちょうそんけい)…ワン・ジンソン
「天権国の皇太子」
薬が苦くてのみたくないのだ、置いておけ、と皇帝からの薬を持ってきた宦官に言う長孫無極。責任は私が負うと。しかし皇后は陛下のお心遣いだと言い、皆の前でのむ。
皇帝は「去るがよい。これから先、そなたの生死も何もかも、天権は一切関わりなし」と扶揺に告げる。
「他に議題がなければ、これにて散会せよ」と言って、その場を後にする皇后。皆も次々と出ていく中、仏蓮が無極の腕をつかみ「皇太子殿下」と引き止める。無極は仏蓮の手を自分から離し「姫はお疲れでしょう。休まれるがよい」と行こうとする。しかし仏蓮はまた無極の腕をつかみ「殿下にお願いがございます。聞いていただけますでしょうか」と言う。
無極は微笑みながら仏蓮の手を優しく払う。「天権皇宮は神聖な地。私はまだどこも見てません。殿下は詳しいから、あちこち案内してくれませんか」と言う仏蓮。無極は「命じておいた。いつでも案内をつけましょう」と言う。さらに無極が行くのを引き止めた仏蓮は「私は殿下に案内してほしい」と頼む。「姫。ご自重を」と言い、今度こそ無極は行ってしまう。仏蓮は怒りがこみ上げてくる。
力なく皇宮を去ろうとした扶揺の前に、兵を引き連れた長孫平戎が現れる。「公主を騙る逆賊を召し捕えよ」と命じる平戎。扶揺は襲って来た兵を倒し、兵の持っていた剣を手に持つ。
散会しても出てこない無極を待っていた徳夫人。ようやく出て来た無極を呼び寄せると、仏蓮の偽者が扶揺だと伝える。
平戎に剣を向け「始めから仏蓮と組み、私を殺す気ね」と言う扶揺。平戎は「黙って紫鳳腰牌を渡せ。楽に死なせてやる」と言う。扶揺が「帯を締めてかかっといで」と返し、2人は闘いを始める。
急いで皇帝の元へ向かった無極は「すべて私の過ちです。仏蓮が遅れたのは、私の思慮不足。扶揺が身分を偽りしたことに悪意はなく…。父上は五州の聖主。無知な民をお許しください」と頼む。皇帝が何も言わず「生まれて初めてお願い申し上げます。どうか扶揺をお見逃しください。責めは私一人が負います」と言う無極。皇帝は「すでに逃した。生き延びれるかは娘の運命次第だ」と言う。無極はすぐに飛び出して行く。
外に出た無極は、江楓に「扶揺が危ない。配下を集めろ」と命じる。
平戎の投げた毒虫が扶揺の首を刺す。扶揺は倒れ、意識を失う。そして連れ去られた扶揺は閉じ込められてしまう。
仏蓮に紫鳳腰牌を渡す平戎。
昨夜、平戎を訪ねた仏蓮は「ご助力くださり、殿下が思いどおり皇太子になった暁には、私が嫁ぐべき方は翊王殿下になられます」と約束していた。
紫鳳腰牌を受け取った仏蓮は「翊王殿下のご尽力、こたびのご厚意、決して忘れませぬ」と言う。
「私は姫のためなら何でもしましょう。お気に召さぬ者があれば1人残らず始末する。見返りは期待してもよいのだな」と言う平戎。仏蓮は「あの女は武術の達人で絶技の持ち主。遅れを取らぬようご注意を。ご自分の腕のみに頼っては、決して勝てませぬ。もしもの時のため巧霊を張り付かせ、三度の食事に細工をしました。殿下は果たして、こちらにつく気がおありかしら」と言う。
平戎が「よかろう。奸智に長けた姫なら無極への策もお持ちだろう」と言う。「あなたは…」と言う仏蓮。平戎は「腹を立てるな。姫に同情したのだ。無極が姫を妃にせぬなら、気を使う必要はない。まして天権の皇子はやつ1人じゃない。もしも我が妃となるなら期待には背かぬぞ」と話す。仏蓮は「お忘れですか?ゆうべ、こう言いました。あなたが皇太子となれば躊躇なくあなたに嫁ぐと」と言う。
「何としてでも皇太子妃に…」と言う平戎。仏蓮は「そう。幼き日よりあまたの姉妹の中で、最も聡明で最も美しく母に愛されたのはあの人。なのに私はいつも第二王女。鳳浄執より遅く生まれただけで、璇璣の女王の座を得ることができぬ。このまま璇璣の第二王女に甘んずるか、それとも五州で最も貴き女人となり、璇璣女王をひざまずかせるか。ならば天権の皇后を選ぶ。そなたと盟を結ぶのは、そなたが皇太子になると言ったからだ。私が無極を愛しているのは皇后の地位のため。別に未練はない。でも今はまだ殿下は皇太子ではないわ。だから先ほどの話はなかったことに」と話す。
平戎が「もし私が皇太子の地位を奪ったら」と尋ねる。「あなたが皇太子となれば、私はあなたの女」と返し、仏蓮は部屋を出て行く。
調べて戻って来た江楓から「巧霊が扶揺さんは翊王に捕まったと」と報告を受ける無極。無極が「他には?」と聞くと、江楓は「扶揺さんに毒を盛っていたと。今頃はもしや…」と答える。すぐに助けに行こうとする無極。しかし、ひざまずき「なりません。ご心配は分かりますが翊王の挑発です。突然、翊王府に行けば皇族の争いを引き起こします」と江楓が必死で止める。無極は「皇族だと。私も皇族の面子のため忍んできた。翊王の悪巧みにも黙っていたが、扶揺に手を出すならやつの面子などはぎ取ってやる」と怒りを込めて言い返す。
璇璣で産しない玉の腕輪を、仏蓮姫の宿に届けるよう徐来に言いつける平戎。徐来は「無極が偽仏蓮を捜し回っています。大騒ぎの様子。どうやら無極は偽仏蓮にご執心です」と報告する。平戎は「面白い。そういう者ならかわいがってやらねば」と言う。
意識が朦朧としている扶揺を襲おうとする平戎。扶揺は蝋燭立てで平戎の頭を叩く。「鎖魂針が効いているはず」と言った平戎は、置かれていた剣を手に持つ。扶揺は割れた蝋燭立てのかけらを手に取る。剣を振るう平戎に、扶揺はかけらで抵抗する。斬られても蹴られても立ち上がる扶揺に、平戎は「ばかな、動けるはずはない。しかも重傷の身で」と驚く。
扶揺を刺し、平戎は高笑いする。その頃、翊王府に無極が馬で駆けつけていた。
門前で「詔勅なく翊王府に押し入る気で?無理を通すなら、皇族の掟を破る行いですぞ」と無極を止める徐来。
扶揺は剣を両手でつかみ、食い込んでもゆっくりと刺している平戎に迫って行く。平戎が剣を抜き、扶揺が平戎をなぐる。
兵が剣を抜くが、無極は馬に乗ったまま翊王府に入る。
平戎の剣が扶揺の腕を突き刺す。突き抜けた剣の先を折る扶揺。その剣の先が真上に飛び、平戎を自分の側から離した扶揺が折れた剣の先を蹴る。飛んできた剣の先に傷つけられ、叫ぶ平戎。
無極はその声を聞き、馬に乗ったまま扉を突き破って部屋の中へ。
倒れている扶揺に駆け寄る無極。扶揺は無極に微笑んで「来てくれた」と言うと意識を失う。「来たとも」と言う無極。無極は泣きながら扶揺に上着をかける。
剣を手に持ち倒れこんでいる平戎に向けた無極は「お前を殺せどこの恨みは消えぬ。だが、お前を生かしておけば一刻も我慢できぬ」と言う。剣を振り上げた無極を懸命に止める江楓。その間に平戎は、皇帝の命で宮殿に連れて行かれる。
無極は扶揺を抱きかかえ、部屋を出て行く。
皇帝の元に運び込まれた平戎は「無極めが私を殺そうと…」と言う。「もし無極が本気なら、今頃、お前は死体だった」と言う皇帝。皇帝は「皇太子の座を望むのはよい。だが、お前は思慮に欠ける。無極が穹蒼で学ぶ10年の間をお前は好機と考え、無駄骨を折り人心を籠絡したが、つまるところ偽仏蓮に敗れたのだ。皇族にとって何が重要か分かるか。体面だ。このことが朝廷や天下に伝われば、大皇子よ、いかに責任を取る」と言う。泣きながら「手がおありのはず。何とぞお力を」と言う平戎。皇帝は「命までは取らぬ。これでも我が息子だ」と言うと、薬を平戎の上に落とし行ってしまう。平戎はそんな父に向かい「敵を討ってください。やつに裁きを…」と叫ぶ。
扶揺を治療した宗越は「まずは安心だ」と言う。傍らに座り、うなされている扶揺に「私がついてる」と言う無極。宗越は無極を部屋の外へ連れ出す。
「なぜあんな傷を?」と尋ねる宗越。無極は「平戎は十聖者・星輝の門下。これまで侮っていたが“星輝聖手”を会得していた。うかつだった」と話す。宗越は「毒性の強い技だ。扶揺体内の邪毒と幾重にも重なり常人なら死んでいた。今は封印の毒が他の毒を食らい、その代わり封印の毒が力を強めている。このままでは悪くすると…」とそれ以上言うのをためらう。「はっきり言え」と無極が言い、宗越は「悪くすると命の危険がある」と告げる。「解毒は?」と聞く無極。宗越が答える前に江楓が来て「陛下が禅室を出られ議政殿に行かれ、殿下をお召しです」と伝えに来る。
璇璣の公主に化け、長孫皇族の暗殺を謀った。その者は死罪だ」と言う皇帝。段潼が「太子が刺客を連れ去ったとか。皇族の威厳を傷つける事態。太子は関わっておられるのか」と言う。「段殿、どういう意味だ。太子が刺客と組んで、自分の兄を襲ったと?」と聞く雷元山。段潼は「雷将軍、早合点だ。賊の女を太子が連れ去った。それには理由があろう。きちんと調べねば。翊王に傷を負わせるとは相当の使い手。その賊、決して逃してはなりませぬ」と言う。
「まずは女を捕らえ処刑する。それ以外はあとで話そう」と言う皇帝。そんな話をしている中、無極が来る。
仏蓮姫を騙る賊に捕縛の命が、その賊を殿下がお連れになったとか、と言われた無極は「扶揺は確かに私の屋敷に。されど、しばしご猶予を。父上に内密の話が」と話す。皇帝はみんなを下がらせる。
「翊王負傷の真相はご存じのはず。落としどころはいくらでも…」と言う無極。皇帝は「だが、後のためを思えば娘を処刑するしかない」と言う。そうすれば真相は永遠に知られまい、少なくとも真相に触れる者はおらぬ、と。無極は「分かってます。皇室に醜聞は許されぬこと。翊王の負傷に心を痛めていること。騒乱を鎮め、人心を抑えねばならぬこと。元凶を罰しないとしても、罪なき娘を罰するなどできぬはず」と言う。
「罪がない?その娘に罪はある。俗世の平凡な娘が天権の皇太子を誘惑した。それは娘の罪だ。お前がその娘を好いた時、有罪となったのだ。お前が娘をかばえば、その罪は深くなる。無極よ、幼い頃より教えておいたはずだ。君主には弱点があってはならぬと。お前に兵法も謀略も教えたが、教え損ねたのは“情”の一文字だ。古来、幾多の帝王や将軍、英雄や豪傑が情のため身を滅ぼした。よかろう。朕が今日、お前の情を断ち切ってやる」と言う。
上陽宮に兵が押し寄せて来る。兵たちと闘う江楓。
無極はひざまずき「なりませぬ」と言うが、皇帝から「もう遅い」と言われてしまう。出て行こうとする無極を止め「ここを出れば後悔するぞ」と言う皇帝。それでも無極は「お許しを」と言って叩頭し出て行く。
無極の前に大勢の兵たちが立ちはだかる。戻るように言う兵たちと闘い、宮殿を離れる無極。
そのことが皇帝に伝えられる。
無極が上陽宮へ行くと、宗越も闘いに加わっていた。次々と兵を倒し、まっすぐ扶揺の元へ向かう無極。扶揺を見た無極は「まずい、急ぐぞ」と小七に言う。
無極は扶揺を抱きかかえ、宗越、小七、江楓と上陽宮を出る。
「騒動の末、出奔したとなれば父上も許すまい。何かあれば知らせよ」と江楓に言う無極。翊王と仏蓮に気をつけろ、一波乱あるぞ、と。そして無極は江楓に「面倒をかけてすまぬ」と詫びる。江楓は「お気遣いなく。殿下こそお気をつけください。扶揺さんは強運なので大丈夫」と言う。
江楓が行き、無極は「父上に願えば命を許されると思った。甘かった」と宗越に言う。「見くびっていたか」と言う宗越。無極は「いや。私は己を買いかぶり、扶揺を殺しかけた」と言う。宗越は「自分を責めるな。扶揺は毒が互いに作用し、命が危うい。今は翊王の“星輝鎖情”の毒が強烈で昏睡が続いている」と話す。「南戎で飲沽草が見つかれば解毒できる」と言う無極。宗越は「安心しろ」と無極の肩をぽんっと叩き「私も行く」と言う。無極は宗越の顔を見て笑う。
無極たちは駱駝に乗って砂漠を移動する。
ーつづくー
扶揺すごすぎる!!
斬られても刺されても立ち上がって闘い続けて(✽ ゚д゚ ✽)
平戎の受けた傷って…(๑°艸°๑)
ここここここここ(ニワトリ?)、ここは書きづらい。
そもそも、どこがどう傷ついたのかハッキリ分からないのだけど( ̄▼ ̄|||)
馬に乗って駆けつけた無極がかっこよかったー(๑>◡<๑)
平戎を殺そうと暴れた無極もよかったし。
仏蓮が無極より皇太子妃にと話していたのは本当かな?
平戎を利用するために言ったのかな?(ㅎωㅎ*)
何度も何度も無極に袖にされた時の仏蓮の顔!!
怖かったぁぁぁぁぁぁぁ。
でも、ちょっと笑っちゃった(≧▽≦)
駱駝に乗ってる無極の袖の中には元宝はいるのかな?(*´艸`*)
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「幼き日よりあまたの姉妹の中で、最も聡明で最も美しく母に愛されたのはあの人。」ってひょっとしてあの人のこと?
実は仏蓮が第二王女というのに引っかかってたんです。やっぱり姉妹なのか?実の姉妹なのにここまでする?
扶瑶の謎がだんだん解けるかな。
平戎、自業自得だね〜蹴られただけでも、あの痛さは私にはわからないけど、笑
平戎にしたら笑いごとじゃないけど。