「四大名捕の危機」
前方に止められた馬車を見かけ、馬から降りた追命。追命は馬車まで歩いて行くと「誰だ、出てこい」と言う。馬車からひょっこり顔を出したのは公主だった。驚いた追命は「なぜここへ?」と聞く。「あなたなら山へ連れていってくれる。だから馬車を借りてついてきた」と言う公主。追命は「ダメだ、お帰りを」と言う。しかし公主は令牌を取り出し「命令よ」と言って聞かない。
険しい山道は馬では登れないため、公主は抱きかかえて連れて行くよう追命に言う。言われたとおり追命が抱き上げた瞬間、無数の蛇が飛んでくる。公主の体を使って向かってきた蛇を落とす追命。猿不邪の姿を見た追命は「動かないで」と公主に言い、追いかける。
依依を乗せて馬を走らせていた鉄手は、何かの気配を感じ馬を止める。「毒の攻撃よ」と依依が言ったとたん、毒が飛んでくる。依依をかばい、毒に侵されてしまう鉄手。依依は「“十里毒霜”?死なないで、願いを叶える約束よ。お願い、しっかりして」と言う。そこに温無常が歩いてくる。「もう婿殿を連れてきたのか」と言う無常。依依が「毒消しを渡して」と言うと「毒消しは父上しか持ってない。おとなしく死ぬがいい」と言って無常は去っていく。
猿不邪に追いついた追命は「お前の負けだ」と告げる。術を使って、たくさんの毒蛇を追命に向かわせた猿不邪は「お前と遊んでいる暇はない。蛇たちを相手にしてろ」と言うと行ってしまう。追命は追いかけようとするが、蛇に阻まれてしまう。
枝で蛇を追い払っていた公主は「追命を恨んでやる」とつぶやく。そこに猿不邪が。公主の近くまで歩いてくると「お前を助けにきた。この蛇は…」と手に持った蛇を見せる猿不邪。公主は悲鳴を上げながら「公主の命令よ、蛇を捨てて」と言う。さらに「叩頭しなさい」と公主が令牌を見せ、猿不邪は「本物の公主だ。こいつは儲け物だな」と言う。
公主が連れ去られそうになった時、無情が飛んでくる。しかし猿不邪の攻撃を受け、目をやられてしまう。飛ばされた無情を、戻ってきた追命が抱きとめる。
捕まっている公主を放せと言う追命。猿不邪は「返してほしければ孤蛇峰まで来るがいい」と言うと公主を連れて行ってしまう。
無情が倒れ込み、大丈夫か、と駆け寄った追命は、初めて無情が目を負傷していることに気づく。「私に構うな、公主を救え」と言う無情。しかし追命は何も見えない無情を置いていくことができない。
敵のアジトに連れて来られた姫瑶花は「諸葛総管と陛下の将兵が鉄壁山を包囲して、ここを壊滅するわ」と温如玉に言う。「皇宮暮らしの皇帝に鉄壁山の何が分かる?諸葛も都にいて、ここへ来られまい」と言う温如玉。そして温如玉は「お前は造幣総監の娘。身分が高く、価値がある。私の息子・温無常と結婚すれば、高貴な子が生まれよう」と言う。そんな話をしていると「やはり師妹は裏切り、鉄手と一緒に行動を。もっとも毒を見舞ったので、鉄手はじきに死にます」と言いながら無常が歩いてくる。さらに公主を背負った猿不邪も戻ってくる。
「大きな獲物が手に入りました。この女は皇帝の娘です」と温如玉に話す猿不邪。温如玉は「慶事が重なったな。わしが公主の婿になれば、明の天下を手に入れられる」と言う。騒ぐ公主と瑶花はツボを突かれ、口を利けなくさせられる。
無常が「我ら嶺南の温氏は今後、最も身分が高くなります」と言う。「あちらの温氏に自慢できるな。温約紅などは嫉妬に狂うだろう」と笑う温如玉。
温如玉は「2人を牢屋に閉じ込めろ。明日、婚礼を挙げるぞ」と命じる。
無常と温如玉がその場からいなくなると、猿不邪は“公主を捕らえたのは俺なのに、師匠が妻にするだなんて。姫瑶花も息子に与えた。不当な恩恵だ。尽力してきたこの猿不邪には、何の見返りもない。きっとこれからも冷遇されるのだろう”と思う。
縛られて寝台に座っていた瑶花は“今頃、冷兄さんは三途の川を渡っているのかしら。忘却茶を飲んでしまったら、私が誰なのか忘れてしまう。一緒に死ねる楚離陌がうらやましい”と思いながら涙を流す。
崖から落ちた離陌が目を覚ます。“生きてる。素紗蝉衣が守ってくれたのね”と思った離陌は、隣で倒れている冷血に声をかける。寒さに震えてる冷血。離陌は素紗蝉衣を脱ぎ、冷血に着せる。
しばらくして冷血が意識を取り戻す。震えている離陌に「なぜ蝉衣を?」と冷血が聞く。「あなたのほうが必要よ」と言う離陌。
冷血が離陌に着るよう命令すると、離陌は「毒が回ってるのに、このままじゃ死ぬわ。どうしても着せるのなら、ここを離れる。死んでも戻らない」と行きそうに。冷血は離陌の手をつかんで引き戻す。
手に息をかけ、こする離陌を抱き寄せると「頑張るんだ」と励ます冷血。「温かくなった。あなたさえ生きていれば、私は死んでも悔いはない」と離陌が言い、冷血は口づけをする。
于春童は部下から「温如玉が天寧客桟で王妃に毒を」と報告を受ける。「やはり裏切ったか」と言う春童。
天寧客桟。如煙の前でお茶を飲みながら話していた蝴蝶と海棠。2人が窓から入れられた香りで眠ってしまうと、奴奴と安世耿が部屋に入ってくる。
如煙を見ながら、千香百味にあたったか、と言う安世耿。奴奴が「毒消しは?」と聞くと、安世耿は「ない。続命丹を飲ませれば15日から20日 、延命できる」と答える。「では、いずれ死ぬことに?」と言う奴奴。安世耿は「20日後には隴西に着き、そこで役目も終わりだ」と話す。奴奴が「しかし、殿下」と言いかけるが、黙れ、と安世耿に止められる。
奴奴を下がらせた安世耿は“私の妃になってから、お前は常に暗い顔をしていた。私と一緒にいても、いつも他の男を想っている。それほど苦しいのなら、死ぬことで楽になれよう”と思う。そして如煙にかけた術を解く安世耿。意識を取り戻した如煙は、安世耿から気分を聞かれ「夢を見たみたい。とても気分が悪いです」と、つらそうに言う。「私がいれば大丈夫だ」と言い、安世耿は薬を渡す。
安世耿が「私の仕打ちを恨んでいるのではないか」と言う。如煙は「私は陛下の妻です。何があっても恨みません」と答える。また安世耿は如煙に術をかけ、如煙は身動き1つしなくなる。
春童が会いに来たと知り、安世耿は部屋に通させる。「王妃が襲われたと聞き、駆けつけました」と言う春童。安世耿は「遅すぎだ。焦らずとも四大名捕が温如玉を始末してくれる」と話す。春童は「四大名捕も温如玉も王妃様を狙ってます。いっそ全員、冥土へ」と言う。しかし「いや、戦わせて、漁父の利を得よう」と言う安世耿。そのほうが楽だと。
離陌は冷血に肩を貸し歩き出す。やがて極寒の地帯を抜け、一軒の家を見つける。そこには車椅子に乗った若い女性が暮らしていた。
「谷に落ちて、友人が深手を負いました。休ませていただけませんか?」と頼む離陌。
冷血を寝台に寝かせた後、離陌は「ご友人は誰かと戦った?」と女性から聞かれる。「なぜ?」と離陌が言うと、女性は「叔父・温如玉の閻羅掌を受けているわ」と話す。「あなたの叔父?」と驚く離陌。女性は「怖がらないで。私は温冰児(おん?ひょうじ)、両足の筋を叔父に断ち切られたの」と言う。そして「ご友人の毒を私が治せるかもしれない」と言う温冰児。離陌は「共通の敵がいるからって、信用できないわ」と返す。
温冰児は「信じて。ご友人を助けたい」と言う。「なぜ?」と離陌が聞くと「自分のためよ。ここから連れ出してほしいの。もしくは助けを呼んで」と温冰児は話す。疑ったことを離陌は謝ると、
温冰児は離陌も毒に侵されていることを伝える。
煎じた薬湯を温冰児は離陌に飲ませる。「温家は毒の専門家なの。父の洛陽王・温晩と2番目の叔父・温約紅は人を助ける。でも3番目の叔父・温如玉は毒で人を殺す。それで父と敵対したの。父は毒も作れるし、その毒消しも作れる」と話す温冰児。離陌が「常に毒の研究を?」と聞くと、温冰児は「ええ。前に千香百味という毒を作ったわ。でも温如玉が父を傷つけ、その作り方を盗んだの」と答える。
離陌は「千香百味というのは、様々な香りがまざった毒?」と尋ねる。「知ってるの?」と言う温冰児。離陌は「友人がその毒にあたったの。毒消しは?」と言う。温冰児は「父は傷つけられた後、寝たきりになったから毒消しは作れなかった。私が作り出すのを恐れて、温如玉は私まで不自由な体にしたわ」と答える。温家に生まれた定めだわ、関わりたくないけど、結局、私も毒の使い手になった、と。それでも温冰児は「でも閻羅掌の毒消しを作り出せたわ。いつか復讐する」と言う。
離陌は「ここでどうやって暮らしてきたの?」と聞く。温冰児は「桃を食べて生きてきたの。実と花と種を。2番目の叔父が助けに来ようとしたけど、鉄壁山が険しくて入れなかった」と言う。「友人の毒が治ったら、すぐ連れ出すわ」と言う離陌。温冰児は「閻羅掌の毒消しを今、煎じているところなの。桃花の蕊を薬に混ぜると解毒できるのよ。これを飲ませれば、明日には目が覚めるわ」と言う。
追命が無情を部屋へ連れて行くと、しばらくして蝴蝶と海棠が来る。「如煙の警護はどうした」と言う追命に、不思議な香りに眠らされたことを話す蝴蝶。追命が「幻覚剤だな」と言う。「如煙は?」と無情が心配し「大丈夫、籠の中に」と答える海棠。
無情が温如玉を捜し出すと言って行こうとする。その状態では無理だと止める追命。それでも「如煙の毒は千香百味だ。毒消しがなければ必ず死ぬ。やっと再会できたのだ、二度と離れたくない」と無情は聞こうとしない。
無情は邪魔をする追命と戦おうとする。しかし追命に押さえつけられ「命を祖末にするな、如煙と生きろ」と言われてしまう。毒消しは俺が捜してくる、ここで吉報を待てと。
行こうとする追命の肩をつかみ「心より感謝する」と言う無情。追命はその手に触れると、部屋を出て行く。
依依は鉄手の唖穴を封じ、声を出させなくすると、温如玉の元へ行く。「この鉄手は我らに帰順し、五毒翎教に尽くすそうです」と言う依依。温如玉は「冷血は墜落死、無情は失明、鉄手は我らの配下になった。よし、依依、大手柄だぞ」と言う。依依は「鉄手は私を妻にするそうです」と話す。鉄手は私の夫で五毒翎教の婿、ですが毒にあたっている、お助けくださいと。まだ信用に足りぬと思った温如玉は「先に毒を抑える薬を与えよう、しばらくは死なぬ。その後はお前たちの心がけ次第だ」と言う。
依依が忠誠を誓ったところで、安世耿に飲まされた屍魂丹の毒消しを作るために「腕を1本、わしにくれ」と言う温如玉。依依が「他に女弟子はいくらでもいるのに、なぜ私の腕を?」と訴えると、温如玉は「辰年卯月申時生れの者の腕しか役に立たぬ。つまり、お前しかいないのだ」と言う。そして温如玉は閻羅掌の秘伝書を補償として手渡し「よいか、明後日の申の刻に腕を捧げるのだ」と言うと行ってしまう。
公主が閉じ込められていた洞窟に猿不邪が入ってくる。ツボを押され、しゃべれるようになった公主が「失せなさい」と言うと「お前は俺が捕らえた俺の所有物だ。俺はお前の婿殿になる男だぞ」と返す猿不邪。公主は「よして、私の婿は冷血よ。ダメでも追命にする」と言い返す。猿不邪は笑いながら「冷血なら師匠の一撃を受けて崖から落ちて死んだよ」と言う。そして結ばれたと報告すれば師匠が婚礼を挙げてくれると猿不邪は公主に襲いかかる。その時、無常が「公主に手を出すな」と言いながら部屋に入ってくる。
「俺が捕らえたのに、師匠が横取りした」と不満をぶつける猿不邪。無常が「無礼者め」と言うと、猿不邪は無常を刺して殺してしまう。死体を始末しに行く猿不邪は、公主に「誰かに話せば殺すぞ」と言う。
依依と2人きりになった鉄手は「温如玉に俺を救わせようと?」と聞く。「唯一の方法よ」と答える依依。鉄手が「だが腕は?」と言うと、依依は「私の腕よ、ほっといて」と返す。「君の腕をやっても、温如玉は俺を治さないだろう」と話す鉄手。依依はもうしゃべらないで休むように言う。
閻羅掌の秘伝書を見ながら、依依は“奥義を習得しよう。師匠が嘘をついたら、やっつけて薬を奪えばいい”と思う。
追命は温如玉の手下を倒すと、服を奪ってアジトに潜入する。
公主のいる洞窟へ行き「明日、混乱に乗じて助ける」と話す。「今すぐ家に帰りたい」と公主は泣くが、明日、必ず救い出すと約束し、追命は瑶花のいる洞窟へ行く。
瑶花のツボを突き、話せるようにした追命は、縛られている縄を解く。「無情が目をやられ、冷血は行方不明だ」と話す追命。瑶花は「冷兄さんは死んだ」と言う。温如玉の一撃を受けて、崖から落ちたと。追命は「ここで待っててくれ。明日、総攻撃をかけて仇を討とう」と言う。うなずく瑶花。
追命が歩いていると依依と会う。近くに温如玉の配下がいるため、追命の前を通り過ぎていく時、そっと「鉄手はこっちよ」と言う依依。追命は依依の後をついて行く。
鉄手と会った追命は、公主と瑶花も囚われていることを伝える。十里毒霜にあたったことを話した鉄手は、冷血と無情が無事か聞く。「冷血も無情も深手だ」と答える追命。
追命が「温如玉の婚礼が始まれば警備が緩むはずだ」と言うと、鉄手が「罠を仕掛けて、奴らを混乱に陥れよう」と返す。その隙に2人を救うよう、追命は鉄手に言う。
追命は依依と一緒に道を塞ぐための罠を作ったり、仕掛けのある酒甕を他の酒甕と同じ場所に置く。
追命が「本当に師匠を裏切れるのか」と依依に言う。依依は「腕を差し出せと言われた。縁を切るわ」と答える。依依が危険を冒してまで鉄手のために戻ったことを知り「君は鉄手が本気で好きなんだな」と言う追命。依依が「初めて好きになった人よ」と言い、追命は“公主も俺が初めて好きになった女だ”と思う。
ーつづくー
離陌と冷血が、まさかのキス!!(´艸`●)
冷血は何となく離陌が好きかもって思っていたけど、離陌が「あなたさえ生きていれば、私は死んでも悔いはない」と言ったのにはビックリ。
如煙が身動き一つしなかったのは、安世耿が術をかけていたからなのね(@_@;)
これでは無情がいくら声をかけても反応しないよね…。
安世耿は本当に如煙を見捨てるつもりなのかな?
今回の追命はすごくカッコいい!!
今までも、もちろんカッコいい姿はあったけど、愛する人がさらわれても、無情を置き去りにしなかったことに感涙。
どちらも大切なことに変わりない(;д;)
車椅子の温冰児。
言われないと狐ちゃん(ジェン・シュアンちゃん)だと気づかない人もいそう(@_@;)
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やっとお互いに本心を見せたぁ。
でも離陌が冷血のことをそんなに想っていたとは、なかなか分からなかったですよね。
(冷血がキスするのもある意味ビックリだけどね)
前に、「瑶花さんと冷血さまはお似合いだから邪魔してはいけないわ」と自分に言い聞かせていたようなシーンがあったけど、その時にはかなり好意を寄せていたのかも?
追命が無情をおきざりにしなかったのも、ちょっと意外で驚きました。
無情があそこまで強く言っていたから、従うのかな?と思ったら、違いましたね。
あんな状況で冷静に優先順位を判断できるなんてすごいです。さすが四大名捕ですね~!(^_-)-☆
2人で極寒の地帯から抜け出すシーンは執念でした!
そして、狐ちゃんと会って救われてよかったです♪
この狐ちゃんは新しいイメージなので、
気付きにくかったです。よーーーくみると
やっぱり狐ちゃんでした!
救われてよかったです。