角を曲がり、鍾少曦(ジョン・シャオシー)から見えなくなった所で立ち止まった顔力正(イェン・リージェン)は、右手を見ると「彼女のこと、嫌いじゃなかったんだ」とつぶやく。
授業中も力正に花びらを取ってもらったことを思い出し、ぼんやりしてしまう少曦。“たしかに力正はイケメンよ。でも、そろそろ見慣れてもいい頃よね?どうして、あんな気持ちに…”と思いながら、あの時の場所を絵で描いてみる。しかし、うまく描くことができず、破いて丸めてしまう。そして、少曦は日記を書き始める。
〈10月1日火曜日、晴れ。今日は彼の編入試験。試験の出来を聞いていた時、そよ風が吹いた。彼が私の髪に手を伸ばすから、胸はドキドキ。てっきりキスされると思って、びっくりした〉
翌朝。少曦は少し開いているドアの隙間から、制服に着替えている力正を見かける。そんな少曦に気づき「何か用?」とドアを開ける力正。「のぞいてない、通りかかっただけ」と言った少曦は、ジャケットを着た力正を見て「わあ、A組になったの?」と目を輝かせる。「違いが?」と力正が言い、少曦は「もちろんよ。誰でもA組に入れると?」と返す。A組のAはエースって意味よ、A組の卒業生はほとんどが国立大か海外の名門大学に進学するの、と。
「バッジは?」と少曦が聞き、力正は机にあったバッジを手に取る。「分かってるの?これはA組のステータスシンボル。入学した当時、このバッジをつけるのが夢だった」と話す少曦。力正は「なら、あげる」と言う。「要らないわよ」と少曦は言い、力正のジャケットにバッジをつける。2人の顔が近づき、互いに意識し合う少曦と力正。
〈10月11日金曜日、晴れ。彼が編入試験に合格した。今日は初めて、一緒に登校する〉
スカートで登校する少曦を見て「スカートもはくのか」とつぶやく力正。
力正は少曦の後ろについて行く。
〈今日は初めて2人きりで通学路を歩いた。最初は緊張してるのを悟られたくなくて、無意識に早歩きになった。でも早く学校に着くのはもったいない。だから、わざとゆっくり歩いた〉
学校の近くまでくると、なぜ鍾兄貴がA組の生徒と?という声などが聞こえ、少曦は気になる。立ち止まった少曦に「何してる?」と言う力正。少曦は「1人で行って」と言う。力正が理由を聞くと、A組でしょ?と返す少曦。少曦の前まで戻ってきた力正は「他クラスとの登校は禁止なのか?」と言う。何も答えない少曦が、周りを気にしていることが分かり「友達なんだから別にいいだろ?人目なんて気にするな」と力正が話す。笑顔になった少曦は「そうね、友達なら一緒にいて当たり前。堂々とすればいい。行こう」と言って歩き出す。
〈堂々と私といてくれる男子は、彼が初めてだった。平静を装ってたけど、本当はすごくうれしかった〉
力正はA組でやっていけるのかな?と心配になった少曦は、授業を抜け出しA組へ見に行く。そこには数学の問題をすらすらと解く力正の姿が。先生も気に入り、今学期の助手も力正がやることに。
〈10月24日木曜日、晴れ 時々そよ風。彼が編入して1週間が過ぎた。惜しいのは同じクラスじゃないこと。やっぱり彼と違うクラスでラッキーだったのかも。授業中に居眠りしてるのを彼に見られたら…カッコ悪いもの〉
「先生、トイレ」と言う少曦。先生は「また授業中にトイレか。最近どうした?」と言う。
先生の許可をもらい教室を出た少曦は、急いでA組へ駆けていく。
〈彼と知り合ってから私は小さな楽しみをたくさん見つけた。そのうちの1つが木曜日の6時間目に教室を抜け出して、力正の様子を見に行くこと。私は方程式なんて嫌いだけど、板書する彼を見るのは大好き。カッカッカッというチョークの音も心地いい。黒板の前に立ち、解答を書く彼は自信に満ちている〉
家。食事が始まり「今日から鍾家では菜箸で料理を取る」と言い出す少曦。「どうして?」と両親が同時に聞き、少曦は「そのほうが衛生的だからよ」と言う。少曦に笑顔を向ける力正。
部屋に戻る少曦を力正が呼び止める。「月水金は補習してやる」と言う力正。少曦が「どうして私に?」と聞くと、力正は「3科目で100点の友達なんて、要らないからだ」と答える。「いいな?」と言って力正が部屋に入ってしまい「大きなお世話よ。補習なんて大嫌いなの」と言い返した少曦だったが、毎日少しずつ2人の距離が縮まっていくことが嬉しい。
〈彼の好みも徐々に分かってきた。たぶん彼の一番好きな歌は、私の心に響いた“クロース・トゥ・ユー”〉
2人は壁越しに座り、同時にクロース・トゥ・ユーを聞き始める。
〈彼は字が上手で、持ち物が少ない。まるでいつでも、この家を出られるよう準備しているみたいだ。どうしよう。私の日記は彼のことばかり。もしかして彼に恋しちゃったの?じゃあ彼は?少しは私のことを好きかな〉
〈11月8日金曜日、晴れ。最近、放課後の練習が好きになってきた〉
「鍾少曦、もっと速く」と校舎にいる力正が声をかける。
〈それは時々、頭を上げると彼が私を見ているから。以前は陸上部にいる理由が分からなかった。単に昔から足が速いせいかも。でも今は彼がゴール前に立っているのを見ると、もっとがんばろうと思う。ゴールが彼の存在によって、意味を持った気がした〉
通学路。いつものように力正が少曦の後からついてくる。
〈彼と行き帰りを共にすることが日課になった。いつもの通学路も2人で一緒に歩くと、なぜか違って見える。そのうち2つのことに気づいた。1つは私が歩くスピードを落とすほど心臓の鼓動が速くなること〉
横断歩道の少し前で振り返った少曦は、力正と目が合い足早になる。駆け寄った力正はそんな少曦の手を引っぱり、次の瞬間、車が前を通り過ぎていく。赤信号だったことに気づく少曦。力正は「バカだな、気をつけろよ」と言い、その時から力正が前を歩くことに。
〈2つ目は私は彼について歩くほうが好きだってこと。彼の後ろ姿をじっと見つめながら、こっそそり歩調を合わせる。彼が左足を出すと、私も左足を。彼が右足を出せば、私も右足を出す。それから、後ろを歩く時のベストな距離も見つけた。2メートル20センチだ。その距離なら彼が通ったあとの空気に、かすかな彼の匂いを感じられるから〉
〈11月18日月曜日、晴れ。今回のテストで私は325位まで浮上。これまでで最高だ。きっと彼の補習のおかげね〉
ぼんやりしていた少曦に「325位を100位に上げる方法を考えろ」と言う力正。少曦は「やめてよ。私が100位に入ったら、父さんが腰を抜かすわ。待って、なぜ私の順位を?」と言う。気まずい力正は「僕の補習の成果だからさ」とごまかす。「あなたは上位の成績だろうけど、私は下から数えた方が早い。我慢強いよね」と笑う少曦。
力正は「賭けをしないか」と言い出す。期末テストで100位に入ったら映画をおごると。「100位?無理に決まってる。私よ」と少曦は返す。「可能性はある」と力正が言い「私を信じてるの?」と少曦が聞く。「教え方に自信がある」と答える力正。悔しい少曦は「必ず100位に入ってみせるわ」と言う。
〈彼と賭けをしたことで、私は初めて本気で物事に取り組んだ。ただ、それが単に映画が見たいからなのか、彼とデートしたいからなのか私にも分からない〉
〈11月29日金曜日、最近、好きになった雨の日〉
少曦と力正は電話ボックスで雨宿りをする。ティッシュで力正を拭いてやる少曦。自然に体が近づき、我に返った少曦は「自分で拭いて」と言って離れる。
少曦が「急に雨が降るなんて。でも何だか暑い」と言う。「そうか?僕は“楽しく”ない」と言う力正。少曦は笑い「発音が間違ってる。“楽しい”じゃなくて“暑い”よ」と言う。
〈雨のせいで私たちは、狭い電話ボックスの中、彼がマスターするまで発音の練習を続けた。本当に不思議。私は根気のない人間なのに、何度、繰り返し教えても嫌にならない。それは中国語を教える間、彼を見つめていられるから。このまま時が止まってくれたらいいのに…〉
母と叔母さんと一緒に、少曦も月娥先生の所へ行くことに。
占い師の月娥先生に結婚運を見てもらった叔母さんは、月下老人の赤い糸を手首に結んでもらう。伝説では男女の縁はすべて月下老人の婚姻簿に記されている、月下老人は縁のある男女を選び、彼らの足に赤い糸を結ぶのが仕事だと月娥先生は言う。
叔母さんはすぐ効果が現れ、少曦は「私にも赤い糸を」と頼む。
お父さんには赤い糸のことは内緒にしてくれと母に頼まれ、少曦は自分の手首に結んでもらった赤い糸をリストバンドで隠す。
少曦は、赤い糸を見ながら“つまり、この赤い糸が切れたら、運命の人が現れるってこと?”と考える。そして他の男と話していたことを嫉妬した力正が「君が好きだ、つきあおう」と言い、キスをする妄想をする少曦。少曦は「本当にそうなったら、もう最高だわ」とつぶやく。
少曦がクラスに戻ってくると、ある男子が少曦の書いていた日記を読み上げていた。涙を流す少曦に、その男子は「鍾少曦、お前も女だったんだな。彼って誰だ、教えろよ」と言う。
ーつづくー
少曦が普段は男子顔負けなのに、女の子っぽい面があって可愛い(*´艸`*)
スカートも履いたり、それを気にしたり。
一緒に映画も見に行けるといいよねって思っていたら大事件が発生ヾ(・ω・`;)ノ
日記を暴露した男子はもちろん最低だけど、ほかのクラスメイトたちも如蘋と宇彬以外は相手が誰なのか聞いてて…(o´д`o)=3
これでは少曦があまりにも可哀想。
この後、少曦はどうするかな…。
“彼”が力正だと分からないといいんだけど。
せっかく力正も少しずつ心を開いてくれるようになってきたのにー。
続きがすごく気になるぅぅぅぅ。
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陸上部の練習とか学校の行き帰りの二人の距離とか信号で手を引っ張られたときとか雨宿りの電話ボックスの中とか。
高校生のときの甘酸っぱい恋の香りが。(遠い遠い目)
そんな大事な日記がまさか・・・・
少曦兄貴はホントは傷つきやすい乙女なのに、どうなるのかな。
授業中他クラスの前を歩いているのを見て、A組は授業時間も違う!?と思ったけど、さすがにそんなことはないかな・・
力正が数学の問題を解くのを覗き見している少曦も可愛かったです。
とってもドキドキする回ですね。いよいよ力正が登校するんですね〜