雪舞は首を横に振り「そんなはずないわ」と言う。蘭陵王は禁衛軍の覆面を取り、自分の顔を見せる。「恋しかったか?」と笑う蘭陵王に、雪舞は貞の湯浴みを覗くなんてひどいわ、と蘭陵王を叩きながら怒り出す。さらに「いつの間に忍び込んだのよ」と。「ずっと側にいたが…」と蘭陵王が答えたため「敵の国の王子だって自覚はあるの。あなたって人は」とさらに雪舞は叩こうとする。そんな雪舞を止め、早く帰ろうと蘭陵王は言う。
「それは無理だわ」と言う雪舞。あと2、3日、貞の様子を見る約束をしたから帰れないと。驚いた蘭陵王が「宇文邕を見ただろ。君が好きで引き留めるためなら手段を選ばなぬ」と言うが、雪舞は考えすぎだと返す。必死で蘭陵王はあやつの目は尋常ではない、いやらしい目つきで君を見てる、明らかに君に好意を寄せているのに君だけがそれに気づいていないと言っても「嫉妬しているのね」と言う雪舞。蘭陵王は顔を背けながら「さあな、とにかく君は私のものだ」と言う。
「今頃気づいた?皇帝も惑わす絶世の美女だってことに。心配よね?可愛い」と雪舞は笑う。「その話はおしまいだ。延宗が国境で待ってる」と真面目な顔で話す蘭陵王。雪舞は蘭陵王に抱きつき「殿下がずっとそばにいてくれたなんて。私、とても嬉しいわ」と言う。「楊雪舞はあなたのものよ。だから安心して。心配いらないわ」と。貞の容体が安定するまで見届けたいだけ、落ち着いたら必ず一緒に帰る、あと1日だけ、と雪舞に押し切られ「君の頼みは断れない」と蘭陵王は言うしかなくなる。
ここ数日、不穏な気配が漂っている、宇文護の動きを密かに探っている者もいる、何があろうと明日ここを出る、と蘭陵王は言うと部屋を出て行く。
「おばあ様が予言した戦いが現実になるの?」と雪舞はつぶやく。
兄・毓の霊前で、父が亡くなった後、自分を育ててくれた兄との日々を「決して忘れない」と言う宇文邕。無念だ、朕を守らんがために兄上は命を犠牲にした、と言いながらひざまずく。そして宇文邕は毓が亡くなった日のことを思い返す。
宇文護は宇文邕に毓を毒殺するよう嗾け、毓の元へ行かせる。宇文邕はとてもできないと思っていたが、すべてを分かっている兄は、やらねばいけないと言う。お前が手を下せば宇文護に対して従順であると示せる、気を許せば宇文護はお前に皇位を継がせると。しかし毓は心が優しい宇文邕が自分に毒を盛る事は出来ないということも分かっていた。「ゆえに朕はお前がくる前に毒を飲んだ」と言う毓。動揺し涙を流す宇文邕に、朕が死ねば宇文護は死因を調べる、毒殺でなければお前の手柄にならぬ「宇文護の信用を得て皇帝の座に就く以外に、お前が命を守る術は何一つない」と毓は言う。そして吐血した毓は、娘の貞を頼み亡くなってしまう。
「宇文護が次なる標的に定めたのは朕だ。朕も容赦はせぬ」と宇文邕はつぶく。そこに来た宇文神挙は、玉兎が陛下(宇文邕)に渡された書状を持ち帰り、こちらの策を宇文護に伝える手はずだと報告する。「よし。腹心が裏切れば打つ手はなかろう。これでお膳立ては整った。明日こそ朕は朝儀であやつに引導を渡してみせようぞ」と宇文邕は言う。
大冢宰府に戻った玉兎は、どこにいたのか宇文護に聞かれる。気ばらしに散歩してきたと玉兎は答えるが、宇文護は信じない。
宇文護は玉兎を捕らえさせると、料理人を替えるためにわざと宇文邕の膳に毒を盛る話を聞かせたと言う。「陛下が料理番を入れ替えなければ、大冢宰(宇文護)とて陛下のお側に手の者を送り込めなかったぞ」と言う李安。震えながら玉兎は「新しい料理番が陛下に毒を盛ると?利用したのね」と言う。宇文護は部屋を出て行き、玉兎は李安に殺されてしまう。
「宇文邕。明朝お前の顔を見るのが楽しみだ。派手に吐血するがよい」と宇文護は笑う。そんな宇文護に李安は玉兎の持っていた宇文邕の書状を渡す。そこには宇文邕と手を組み、宇文護に造反する者の名が。「薄情な犬どもは飼い主の前で殺す」と言う宇文護。
翌朝。宇文邕の朝食には龍骨湯が用意されていた。膳の席に座ると「すでに大冢宰が控えております」と宇文神挙が伝えに来る。宇文邕は「ついにこの日が来たか」と言う。
宇文邕が玉座に座り、朝儀が始まる。しかし宇文護とその配下しか入ってこない。他の大臣たちを宮廷の外に追いやったと話す宇文護。そして「見られては都合の悪い贈り物がありすゆえ」と玉兎の躯を持ってこさせる。「これは陛下が私に下さった女子」と宇文護が言い、玉兎の顔を見た宇文邕は目をそらす
陛下にはお分かりでしょう、玉兎が誰のために、なぜ命を落としたのか、と宇文護は言う。「謀反を起こす気か」と詰め寄る宇文神挙に「いかにも。私は謀反を起こすつもりだ」と宇文護は言い返す。そして刀を鞘から抜くと、周りにいた臣下を斬り始める宇文護。青ざめる宇文邕に、陛下が玉兎に書状を託さなければ裏切り者がいることも知らなかった、感謝していると宇文護は言う。
「陛下。本日の朝儀で私にとどめを刺すおつもりでしたな。お気をつけなされ。気を高ぶらせると毒のまわりが早まります」と宇文護が言い終わったとたん、宇文邕は苦しみだす。それを見た宇文護が、今朝、陛下は龍骨湯を飲まれたはず、と言い、宇文邕は吐血する。新しい料理番こそ私の手の者だ、と勝ち誇ったように言う宇文護。そして死ぬ前に"皇位を譲る"という詔を記そうするよう迫る。譲位の詔を出さねば、夥しい血が流れる、血縁者も皆殺しと心得るがよいと。
宇文邕は寝所に連れて行かれ、宇文護は宇文邕のいなくなった玉座に座る。
騒ぎが貞の部屋にも聞こえて来る。貞にここにいるよう言い聞かせると、雪舞は様子を見に行くことに。
雪舞が部屋を出ると慌ただしくどこかへ向かおうとする皇后の姿が。雪舞が何があったのか聞くと「宇文護が謀反を起こして陛下に毒を盛ったの」と答える皇后。それを床から抜け出した貞も聞いてしまう。雪舞と皇后は一緒に行こうとしたが、宇文護の命を受けた兵に止められ行くことができない。
貞は誰にも気づかれず部屋から出てしまう。
寝所に連れて行かれた宇文邕は、口を真っ赤に染め、苦しんでいた。「もはやこれまでだ。詔を記そうする。他に手だてはない。宇文護が兵に命ずれば宮殿は血の海と化す。急げ記そうせよ」とつらそうに宇文神挙に言う宇文邕。それを陰から聞いていた李安は喜び、宇文護に報告する。李安から聞いた宇文護は自ら詔を取りに行く事に。
雪舞は貞が部屋からいなくなっていることに気づく。慌てて捜しに行こうとする雪舞。そこに禁衛軍に扮した蘭陵王が来る。「最悪の事態になった。すぐ出立する」と言う蘭陵王。しかし、ただでさえ混乱しているのに貞を放って行けないと雪舞は言う。「もしも貞に何かあれば一生悔やむ事になる」と。仕方なく蘭陵王も一緒に捜すことにする。
寝所へ行った宇文護は、詔を握りながら横になっている宇文邕の姿を見て笑い出す。「正々堂々と皇帝の座に就く時が来た」と言い、宇文護は詔を宇文邕の手から取ろうとする。しかし宇文邕は詔を離さない。「皇位を譲るのは、さぞ無念だろう」と言いもう一度、詔を取ろうとする宇文護。その時、目を見開き体を起こした宇文邕が宇文護の首に短剣を突きつける。ハッとした宇文護は「飲んでおらぬのか」と言う。宇文神挙は宇文護と一緒に入ってきた李安たちを捕らえる。
「驚いたであろう。朕が一芝居打ったのだ」と言う宇文邕。玉兎を利用し、料理番を替えるよう仕向けて手の者を送り込む、そんな宇文護の企みを宇文邕は気づいていた。皇帝毒殺となれば大事、玉兎がそれを容易にかぎつけたこと事態が怪しかったと宇文邕は言う。
万一の事があれば腹心が黙っていない、とまだ余裕をもっていた宇文護だったが、玉兎が持っていた宇文邕の書状に書かれていた者は、造反する者ではなく宇文護の腹心の名だった。書状を見ればここに名のある者たちを宇文護が始末すると考えた宇文邕。さらに玉兎もここで宇文邕の元に戻れば殺されると分かっていた。それでも「陛下。このまま私が宇文護の手にかかってこそ、書状は真実味をおび、疑念も撥ね除けます。陛下のお芝居を信じ込むはず。それで死ねれば本望です」と言い戻った玉兎。
「朕の勝ちだな」と宇文邕が言う。「殺すがよい」と目を閉じる宇文護。兄や尉遅迥、玉兎の死を己が命で償ってもらうと宇文邕は剣を振り上げる。そこに「小馬ちゃん」と貞が。一瞬の隙ができ、李安は貞を人質にとってしまう。そのすぐ後に雪舞と蘭陵王が来る。状況を見た雪舞は「時を稼ぐから貞を助けて」と蘭陵王に言い、緊迫する中へ入っていく。
「貞を放して」と言う雪舞。宇文邕も李安も突然入ってきた雪舞に驚く。「私は巫咸の末裔、巫族の天女。古より悪を滅ぼしてきた。あなたも覚悟するのね」と雪舞は李安に近付きながら言う。宇文邕は「それ以上近付いてはならぬ」と言うが、雪舞は「悪人など恐れぬ。これは巫咸にまつわる毒の粉。少しでも浴びればあなたは血を吐いて死ぬ事になる」と言うと握った手を上げる。
「騙されるな、後ろを見ろ」と言う宇文護の言葉で、李安は動いている覆面をした蘭陵王の方を見る。あたふたする李安に雪舞が手にもっていた粉をかけ、目をつぶった李安の首を斬りつける蘭陵王。雪舞は貞を連れ急いで出て行く。そして「貞と雪舞を宮殿へ連れて行け。必ず二人を守るのだ」と宇文邕が言い、蘭陵王もその場を後にする。
「お前の父である宇文泰が私を殺してはならぬと命じた。父親に背くのか」と言う宇文護。宇文邕は声を張り上げ、宇文護を刺してしまう。宇文護が倒れ、剣を掲げた宇文邕は「これより周は朕が治める国となる。国中に触れを出せ。朕こそが天下だ」と力強く告げる。
雪舞は貞を部屋に戻し、蘭陵王と一緒に周を出る。
高延宗の待つ同福旅館へ着く蘭陵王と雪舞。しかし、そこには雪舞がいなくなったとを知り、追いかけてきた宇文邕と宇文神挙、そして周兵たちが隠れていた。蘭陵王と雪舞は周兵に囲まれてしまう。高延宗も捕まっていた。
「別れの挨拶もないのか」と言う宇文邕。宇文邕は狼煙に気づき、見つけることが出来たと話す。「宇文邕、あなたはよい人だわ。どうか行かせて」と雪舞は頼む。しかし宇文邕は「去って行くのか。それは許せぬ」と言う。そなたといる時だけ皇帝という立場を忘れられる、少しも距離を感じない、心を開いて本音を口に出せる相手だ、そなたが貞を救いに現れた時、初めて恐怖を覚えた、朕は今まで女子のことで取り乱したことはない、朕はそなたを側に置きたいと。
「私を脅しても通用しないわよ」と言う雪舞。そして「私たちを解放して。行かせてくれたら永遠の友になれるわ。あなたの治める周の国を私も愛せると思う」と言う。「誠に残れぬのか」と言う宇文邕に雪舞は「私はこの人に嫁ぐの」と蘭陵王を見る。"蘭陵王に嫁ぐ"と言われ動揺した宇文邕だったが、それを隠し「そなたを奪えば盗賊になったと言われる。それこそ笑い者だ。楊雪舞、決して忘れるな。一生の約束だぞ。我らは生涯の友となる」と言い、包囲を解かせる。そして高延宗も離し、約束した捕虜も釈放すると言う。
宇文邕は助けてくれた蘭陵王に、人に貸しを作ることは嫌いだと停戦を申し入れる。「これより三年で周は国力をつける。戦はせぬ。斉は責めぬと誓う」と。雪舞は素晴らしいことだと喜び「あなたは必ず名君になるわ」と宇文邕に言う。「朕が生きているかぎり雪舞を傷つけたら容赦せぬぞ。次は譲らん。これが最初で最後だ」と蘭陵王に言う宇文邕。蘭陵王は雪舞を引寄せ「悪いな。例え天が落ちてもおぬしに雪舞は渡さん」と言う。そして停戦を蘭陵王は感謝する。
「気が変わる前に去れ」と宇文邕に言われ、蘭陵王たちはその場から離れる。去って行く雪舞を見ながら「ようやく心が安らぐ相手を見つけたのに、側に置けぬとはおしい」と宇文邕は悲しそうに言う。
ーつづくー
もう初めから蘭陵王が雪舞相手に可愛くて可愛くて、何度もリピするからあらすじ書きがすすまないったらっ(*≧ω≦*)
宇文邕があんなにも貞を大切にしている理由も分かりました(;_;)
切ない、切なすぎるよ…。
兄・毓は命をかけて宇文邕を助けてくれたのね。この先のことも考えて。
何て何て何て弟想いの兄(;△;)
そして玉兎は初めから死を覚悟していたのね。
本当に宇文護と宇文邕の戦いは見応えがありました。
あの書状に書かれていた名も、本当は宇文護の腹心ばかりだったなんて!
最後の小馬ちゃんが切なくて悲しくて。
それでもやっはり雪舞には強引なことをしない。
ようやく見つけた心安らげる相手を手放したくはないよね。皇帝としての孤独がある。
だけどちゃんと最後は手放して男らしかったと思う"(ノ_・、)"
その言葉を聞いていた宇文神挙も印象的でした。
停戦も覆面なしの蘭陵王もすごくすごく嬉しいけど、小馬ちゃんはしばらく出て来ないのかな…。
あと、あの禁衛軍の兵2人はまた見たいかも(≧∇≦)ノ彡
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なかなか時間がとれなくて、今頃になってしまってごめんなさい(;_;)
あらすじを読んでくださって有り難うございました。
ぜひぜひ、また遊びに来て下さい(*´ω`*)
貞が危ないっと思ったら、雪舞の度胸のよさ!
蘭陵王も手を貸して助けれました!
小馬ちゃんも(^ ^)雪舞を手放してくれました~
小馬ちゃんの兄も出てきてくれて~貞を大切にするのがよくわかりますね!
小馬ちゃんが雪舞を手放してくれてよかったです。
やっぱり、いい人!
停戦、どちらも安堵ですね(o^^o)
5爺も出てきてくれました~( ^ω^ )少しでも会えてよかったわ~
次の展開はーーーーー( ^ω^ )
楽しみです~
ありがとうございます(o^^o)
ホント、お兄さまを始め、その霊前に供えて、慰めてほしいですね。
これからは本当の意味で良い皇帝になってほしいですよね。
大家宰は好みのおじさまでしたが、
実は、小馬ちゃんのお兄さまも。このドラマはこの回だけ
ご出演のはずでしたので、この回は楽しみにしていました。
もちろん、主役の三人がらみの、
雪舞が四爺と知るところ、停戦が決定するところも
いい場面でしたよね。
周への出張が終わり、
次は結婚式に間に合うのかしら、と
斉に舞台が戻るので、なんだか心配になりました(苦笑)
禁衛軍の我慢の子の蘭陵王はやっと仮面を取りましたね、かわいかったー。顔だけだしてゆでたまごみたーい。宇文邕の目つきに焼き持ちやいたり、雪舞は私のものだっていってるし。雪舞は宇文邕の態度には全然気がついてないし、相手にしてませんね。私はあなたのものよ。って!でも、やっと二人の仲良し場面登場ですね。ずっーと切なかったし。
宇文邕も、クーデターと毒殺対策に雪舞の事で気持ちが大変でしたね。玉兎のことも気にかけてたからよけいね。でも、雪舞が助けにはいり、結果仕方なく、蘭陵王が宇文邕を命も皇帝の座も助けることになるなんて!
雪舞は、天女は宇文邕の天女でもあるんですよね?!貞の事も助けたしね。
そして、最後ドキドキの対話。何度も側にいてといっても雪舞には通じてないわあ。
宇文邕も皇帝の重ーい仮面を外して。あんなに兵がいるところで話したのにね。宇文神挙も察してましたね。雪舞が最後もう少し、宇文邕に優しくしてあげてほしかったなあ。
そして同じ画面に、蘭陵王もいて。感動しました。次も楽しみです。
とってもわかりやすいあらすじありがとうございます。
また遊びに来させてください。