「砂漠への出立」
【登場人物】
莘月 …狼に育てられた娘
衛無忌 …皇帝の妃の甥
九爺 …医学の知識も高い御曹司
石謹言 …九爺(莫循)の側近
莘月が着物に手を伸ばすが、衛無忌はそれを遠ざけてしまう。衛無忌がものすごく怒っていると分かり、莘月は刺激しないようにしようと考える。「自尊心が傷つくわ。私の入浴姿を見たのに何の反応もないなんて」と言う莘月。衛無忌は「私に男らしい反応を望むなら、君こそ入浴を見られた女の反応をするべきだろう」と返す。"入浴を見られた女の反応"ね、と言い、莘月は「誰か来て!」と叫ぶ。慌てて駆け寄り、衛無忌は手巾を莘月の口に詰めてしまう。さらに莘月を裸のまま布団で包み、紐で縛ってしまう衛無忌。
包んだままの莘月を抱えながら、衛無忌は馬を走らせる。「どこに行く気?」と莘月が聞くと「南山だ」と答える衛無忌。荷物も軍営まで運ばせると。「この好色男」と言う莘月。衛無忌は笑みを浮かべ、暴言すら「披露してくれ。時間はたっぷりある」と言う。
なぜ居場所が?と言う莘月に、ここは中原、私の管轄だ、陳からの文はその日の晩、私の手元に届いた、君の行き先など簡単に調べられると返す衛無忌。
軍営に着くと莘月に男装をさせる衛無忌。鏡や櫛を持ってきた衛無忌は、莘月の髪を結い始める。髪を梳かされながら、莘月はかつて父が髪を編んでくれた時のことを思い出す。鏡をそっと動かし、衛無忌の顔を見る莘月。
「町に出て、うまいものを食べよう」と衛無忌が莘月に言う。食べる物は任せると言う莘月に「では、責任を持って案内する。君みたいに逃げない」と言う衛無忌。「出ていくのは私の自由よ」と莘月が返すと、衛無忌は「明朝、君が消えていたら私は心配のあまり軍令を下すだろう。"今後は狼の肉を使って料理しろ"と」と言う。「できっこないわ」と言う莘月。衛無忌は笑みを浮かべ「試すか?」と言って歩き出す。
茶を飲みながら「私の護衛を努めてみるか?」と衛無忌が莘月に話す。「気をつけてよ。怒らせたら刺客になるから」と莘月は言う。
莘月はいつまでとどめる気?と衛無忌に聞く。「砂漠の地理に詳しい君に案内役を頼みたい」と答える衛無忌。だから厚遇する、だが絶対に逃がさないと。
食事が終わり歩いている時、莘月は慕容峰が贈ってくれた七首(小刀)が売られていることに気づく。"こんな場所に流れ着いていたなんて"と思う莘月。
代金を払った衛無忌が「気に入ったのか」と聞く。いたずらを思いついた莘月は、鞘から七首を抜くと自分の腹に刺したフリをする。「莘月、何をする」と慌てる衛無忌。苦しそうな顔をしていた莘月は、急に笑い「馬鹿ね。本当に刺さったら血が出るわ」と言って、七首の刃の部分が引っ込む仕掛けを見せる。青い顔をした衛無忌は「そのとおりだ。私は馬鹿だよ」と言い、行ってしまう。
心配して冷静さを失ったから芝居にだまされたと気づいた莘月は、衛無忌の隣に座り「怒らないで。ちょっとからかっただけよ」と言う。「私が怒っているのは、君が命を弄んだからだ」と言う衛無忌。
莘月は七首は大切な人が贈ってくれたもので、これを使ってよく父を驚かせたと話す。莘月に父がいたことを知った衛無忌は「私の父は、いないも同然だ」と言う。そんな衛無忌に、これをあげるから許してと、莘月は七首を差し出す。「必要ない。この七首は君が持っていろ」と衛無忌は言う。
衛無忌は李誠から馬術を学ぶよう莘月に話す。
馬術を学びたくない莘月に、李誠は「馬に乗れないと、有事の際、みんなの足手まといになりますよ」と言う。莘月はまだ若い李誠に、なぜ従軍したのか聞く。李誠は、昨年の秋、雁門関に攻めて来た羯族に、両親や姉を殺されたと答える。それを聞いた莘月は、不測の事態が起きたら真っ先に衛無忌に迷惑をかけると思い、馬術を教えてもらうことに。
何度、落馬しても練習を続けたが、習得を焦るあまりあんな姿になったと莘月の馬術について衛無忌に報告する李誠。衛無忌は入浴の準備をさせろと李誠を下がらせる。
汚れた顔についた莘月の傷に触れ「痛むか」と言う衛無忌。莘月は怒ったように「落馬してみれば?」と言い返す。学び始めた頃は肩や腰がこると、衛無忌は莘月の肩をもむ。
衛無忌は、明朝、出陣することを莘月に伝える。莘月はここに残していくことを決める衛無忌。
莘月が入浴している最中、陳雁光が衛無忌に莘月の荷物と鳩を持って来る。
失踪した娘を捜す一団に会ったと衛無忌に話す陳雁光。衛無忌が誰の使いか聞くと、陳雁光は「おそらく…」と小声で伝える。
入浴後、莘月は誰が自分を捜していたのか聞くが、衛無忌は「君を乗せた御者だ」とごまかす。
その頃、石謹言と石慎行は涼州の宿で莘月の足取りが途絶えたことを九爺に報告していた。何日、探っても手掛かりは皆無だと。「砂漠の民に人出を増やせと命じろ」と言う九爺。これまで砂漠との深入りを避け、できるだけ距離を置いてきたため「莘月さんのため…」と言いかける謹言。しかし最後まで言わせず「私の命令に従え。どんな代償も彼女には変えられない」と九爺は言う。
明朝。衛無忌は莘月の寝台へ。足音が聞こえ、寝ているフリをする莘月。莘月の顔を見ながら「莘月、行ってくる」と衛無忌は優しく言う。今起きたというように目を開ける莘月。
衛無忌は莘月の頭をなでてから出ていこうとする。莘月は呼び止め「気をつけて」と言う。「分かってる」と嬉しそうに返す衛無忌。
起きた時には出陣していたと、落ち込む李誠。沈んでいる李誠に「私と100回、手合わせできたら、お前の出陣を認めるよう将軍(衛無忌)に頼んでやる」と莘月は言う。
莘月の言葉に元気を取り戻した李誠だったが、戦は命のやりとりだと容赦のない莘月との手合わせで体は傷だらけに。
2万の軍を率いて南山に出兵し快進撃を遂げた衛無忌は、包囲戦術で羯族を撃破する。
大勝利した衛無忌が凱旋する。
汚れた体の衛無忌に「入浴したら?」と莘月は言う。しかし疲れきっている衛無忌は「まずは眠りたい」と歩きながら鎧などを外し、寝台に横になるとすぐに寝てしまう。莘月はそんな衛無忌に布団をかける。衛無忌は寝たまま莘月の手をつかみ離さない。仕方なく、手を握られたまま莘月は床に座る。しかし衛無忌があまりにも臭いため、莘月は手巾を顔にかけ寝台にもたれながら眠ることに。
目の覚めた衛無忌は、そばで莘月が寝ていることが嬉しい。じきに目覚めた莘月に「そばで夜を明かすほど、私が恋しかったか」と言う衛無忌。衛無忌は「おいで」と言い、莘月を自分のそばに引寄せる。「入浴してよ。臭くて死にそう」と鼻をつまむ莘月。勘違いだろう、確かめてみろ、と言ってふざけている間に、床に倒れ込んでしまう2人。
真剣な顔で見つめ合い、莘月に口づけしようとする衛無忌。その時、李誠が入ってくる。莘月が男だと思っている李誠は、変な誤解をしたまま慌てて出ていく。
食事をしていた莘月は、誤解をしている李誠に、衛無忌とは武芸の稽古をしていただけだと説明する。もみ合ううちに倒れ込んだのだと。素直に信じる李誠。
莘月と李誠の手合わせを見た衛無忌は「師匠が皆、徒弟を痛めつけるなら、誰が武芸を学ぶ?」と莘月に言う。私に出来るのは生死の狭間で武芸を体得させること、一撃で敵を殺す技を教えてる、と言う莘月。
李誠が下がり、莘月は100回手合わせをして彼を鍛えるから出陣させてあげてと衛無忌に頼む。「出陣する前に殺す気か?話は終わりだ。馬に乗るぞ」と言う衛無忌。
ーつづくー
莘月を必死で捜す九爺が痛々しくて(;д;)
いなくなって初めて存在の大きさに気づくこともあると思う。
だけど、たいてい気づいた時は遅くて…。
衛無忌が今回もよかったー!!
始めの怒ってる顔もニヤニヤしちゃう(´艸`●)
そして莘月のぐるぐる巻きがおかしくて。
あれ、布団て書いたけど、布団で合ってるかなぁ?(おい)
髪の毛を梳かすところも良かったし、出陣前も出陣後もよかったです(*´ー`*)
そうそう、今回は莘月の鼻息が可愛いかった。
ふんふんふんって(≧∇≦)ノ彡
そんな莘月を"莘月豚"と言っちゃう衛無忌。
食欲をそそる名前でも、食べちゃダメだよ! (*≧ω≦*)
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グルグル巻きにされましたね(爆)
暴言はいくらでも聞くとは、すっかり无忌ペース。
姐姐仰るように二人のやりとりは飽きませんねー
无忌ペースとはいえ、
鳩の一件は、九爺を意識しているのかな?
と思いつつ、
二人の漫才的展開から目が離せないです(笑)
うーん、よく分からない(笑)。
衛無忌は強引なようでいて、シンゲツを尊重するところは尊重して。素敵ですね。
そしてこの二人の掛け合いが面白い~。
シンゲツの男装姿もなかなか似合っていますね。
男性のような凛々しい話し方、武術の腕がすごいところ、馬を強引に乗り回してしまうところなど・・、新たな魅力が炸裂で、目が離せないです。
シンゲツは九爺様を忘れてはいないけど、やはり側にいる無忌を意識していくんだろうなぁ・・。
寝台でのシーンが何度かあり、何だか新婚夫婦みたいだなって思っちゃいました。(#^.^#)
必死に探す九爺様も切ないですが、なりふり構わずって感じには思えませんでしたね・・・。
二人の掛け合いが始まってシン月が上手かと思ったら~衛無忌が、力業!
シン月をぐるぐる巻きに~(*≧∀≦*)
着物で巻いたようだけど着物にしては厚みもありましたね~?
衛無忌の方が立場が優勢なようでいつも以上に二人の掛け合いが面白かったです(*≧∀≦*)
そんな中で衛無忌がシン月の髪をすくシーンは流れてる音楽の効果もあってかなんだか艶っぽくてどきどきしちゃいました( 〃▽〃)
衛無忌の側で寝るはめになったり、李誠をどきどきさせたアクシデントがあったり…そば近くにいることでシン月と衛無忌の関係が変わりそうな予感も…
同じようにシン月の情報を求めてても、見つけたということを除いても、自ら動いた衛無忌は動で、自宅で待つ九爺は静、二人の今までの性格も含めそう感じた回でした。
衛無忌に遅れを取った九爺も気にかかるけど、シン月を見つけるために砂漠の民に関わりを深める九爺も心配ですね…
今までバッドタイミングでマイナスポイントだったけど
九爺より先に見つけたことからグッドタイミングに変わりポイントUPです。
いつもの二人に戻って、楽しいです。
お布団ぐるぐる巻きは、諍い女の宮中の初夜を思い出しました。
シン月の武術の腕はすごいですね。
李誠の勘違いも面白かった。