ロサ・コルデシー系統は耐寒性の強いバラ
Hkor
ロサ・ルゴサ(ハマナシ)の流れをくむロサ・コルデシー(Rosa kordesii)を交配の親とするのがハイブリッド・コルデシー系統です。
◉ 日本からイギリスに渡ったアジアの原産の原種バラ“ロサ・ルゴサ(Rosar rugosa) と日本原産の原種バラ“ロサ・ルキアエ(Rosa luciae )の交配により“マックス・グラフ(Max Graf)というかバラが1919年作出されました。

マックスグラフ 浜寺公園バラ園2024.5.18
この、マックス・グラフの実生から生まれたのが“ロサ・コルデシー”(Rosa ×kordesii)で、半八重の真っ赤なバラだった。
この、“ロサ・コルデシー”を交配親として作出された一連のグループのバラが「ハイブリッド・コルデシー系統」(Hkor)です。名前でわかる通り、ドイツの育種家コルデスによって作出されたのが大半を占めます。
ハイブリッド・コルデシー系統(Hkor)は、ロサ・ルゴサの性質を受け継ぎ寒さに強く、ロサ・ルキアエの性質を受け継ぎ枝の長いブッシュ樹形からつる性です。花の色は様々ですがロサ・コルデシーの赤色を受け継ぎ鮮やかなバラがあります。
◉代表的なバラは
◉ドルムント 系統:Hkor. 作出: 1955年 ドイツ Kordes
・返り咲き ・一重咲き ・つる樹形 ・交配: 実生 × Rosa kordesii H.Wulff.


浜寺公園バラ園2024.5.18.
◉シンパティー 系統:HKor. 作出: 1964年 ドイツ コルデス
・交配: Wihelm Hansmaann × Don Juan. ・一季咲き(返り咲き) ・つる性
・交配: Wihelm Hansmaann × Don Juan. ・一季咲き(返り咲き) ・つる性


中之島公園バラ園2024.5.3
⭕️ロサ・コルデシーの謎
上記の様に、”ロサ・ルゴサ“ と”ロサ・ルキエ”の交配によりできたのが、「マックス・グラフ」です。マックス・グラフはピンク色の一重咲きのバラで寒さに強いことから北海道など公園で見る事ができる(浜寺公園バラ園にも植栽されている:上記写真)
⚫︎このマックス・グラフの種を撒いて生まれたのが「ロサ・コルデシー」と言われています。ロサ・コルデシーは半八重咲きの真っ赤なバラだったといわれています。が、このロサ・コルデシーを実際に見ることも写真も入手する事が出来ない現状だとか。何故かと言うと、ロサ・コルデシーは品種登録されていません。
⚫︎実は、マックス・グラフは殆ど実の出来ないバラで、その実ができただけでも珍しいのに、その実生から親となるマックス・グラフはピンクの花とは全く異なった花色:真っ赤な花のバラが誕生する(ロサ・コルデシー)というのは不思議な話です。遺伝的にも両者には大きな違いがあるとか??
育種家コルデスが秘伝中の秘として、ロサ・こるでしーを世に出さなかったのか? ? それとも、マックス・グラフからろさ・コルデシーになる間に何か秘密があるのか、今も謎です。
⭕️中之島公園バラ園にも1株ありました。この系統は少ないです。
中之島公園バラ園 2024.5.3.




バラの系統フローチャート 概略
