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豆知識⑥ 離婚はし易く、婚姻はし難い?

2021-01-07 08:49:25 | 日記

おはようございます。

必ず行政書士と司法書士事務所を開設する千葉県茂原市茂原市在住の山本 徹です。

 昨日、「婚姻」と「婚姻解消・内縁関係」について学びました。その中で、「婚姻」と「婚姻解消=離婚」の法的取り扱いの違いにやや驚きました。

 もちろん、「婚姻」も「離婚(協議離婚が前提)」も両者のその行為に対する「意思」と役所への「届出」が必要なのは、言うまで」ありません。届出様式も同じ内容です。しかしながら、法的法的取り扱いは随分違いがあると思いました。

 「婚姻」では、実質的意思説(最判昭44.10.31・通説)がとられており、「届出意思では足りず,客観的に夫婦とみられる生活共同体の創設を真に欲する意思(実質的意思)が必要である。 」そうです。その理由は、「身分行為においては,当事者の真意を第一に尊重すべきであり,届出は単にそれを公示する機能をもつにすぎない。」からだそうです。 

 他方、「協議離婚」では、形式的意思説(判例)が採用されており、「離婚届出に向けられた意思で足りる」とのことです。その理由は、「法律上の婚姻関係解消後、その夫婦関係を事実上残すことも可能であるから、離婚などの解消的身分行為には届出意思でよい。」からだそうです。

 それぞれの例を挙げます。

 「婚姻」の場合、以下のケースは無効となり、認められません。

  ①子供を嫡出子とするためだけの婚姻届け、②外国人が日本で労働するVISA取得するためだけの婚姻等

 「協議の離婚」の場合、以下のケースは有効となり、認められます。

  ①債権者の強制執行を免れるための協議離婚(最判昭44.11.14)、②氏の変更のための協議離婚(最判昭38.11.28)、

  ③生活扶助を受けるための協議離婚(最判昭57.3.26)

 特に、③の生活扶助を受けるために実質的な夫婦関係を維持しながら、離婚しているケースは、かなり多いそうです。

  しかし、離婚している以上、当然、婚姻している身分保証は、存在しませんので、誤解なきようお願いします。



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