オリオン座の右肩に当たるべテルギウスがオレンジ色に輝く。優里が「遥か遠く終わらない」と歌った星だ。太陽の何百倍も大きいという1等星は、優里には申し訳ないが、10万年以内に超新星爆発を起こしてその一生を終える。
その左下に見えるのがシリウス。太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星だ。政策集団シリウスなどというものがあったのを知っているのは、50を過ぎた人たちばかりだろう。
シリウスの左上に白く光る1等星がプロキオンだ。この星の名は「犬の前に」というもので、おおいぬ座のシリウスよりも先に昇ってくるため、シリウスがまもなく昇ることを知らせる星の役割を負っていた。大スターの前座とでも言おうか。
しかし、べテルギウスとシリウスとこのプロキオンを結ぶと、冬の南の空に綺麗な三角形が現れる。
プロキオンがグングン昇ると、つられるように冬の大三角もふんわりと夜空に浮き上がって、冬の夜空の主役になる。