私はテレビを見る時間がないので、歌手も俳優も昔の人しか知りません。その知っている人も、次々亡くなります。映像で私が知っているだけで、あちらは私のことなど知らないけれど、こちらとしては、「顔見知り」が故人となっていくのに胸がしめつけられる思いがします。一斉を風靡しても、いつかは老い、衰える現実は、私の姿でもあります。私の場合は、一斉風靡する人生の勲章はなく、地味な人生でした。でも例外なく、役目を終える時がくるのです。それは、地味でも先が短いなどという思いがなかった頃と、全く違う感覚です。みじめとか、あわれとかではない、むしろ、ピリオドまで何ができるかな。と、過大も過小もしない目で、自分を正直にみようとする、誠実な時期が私の今の年かなと思います。若さを失ったように思いますが、静かに老けるのを、むしろ、ホッとする気持ちがあります。大食できるわけでもなく、孔雀のように着飾るつもりもないです。そんなつつましい、最期を迎えられたら、私は成功の人生と思います。