休日の暇つぶしに You Tube を見ていました。
ドラムの映像をいろいろと見ていたところ、シャネルズの映像が出てきました。しばらく見ていたら非常になつかしくなり感動してしまいました。若かりし頃からもともとシャネルズ大好き人間でした。
シャネルズ! バンド名からしてカッコイイ! かたやラッツの方は英語の逆さ読み。山本山みたいなものであまりピンときません。(RATS & STAR)
シャネルズの詳しいことはあまり知りませんが、彼らは全員大森の暴走族で仲間の一人が事故死したことをきっかけに暴走族をやめ、各々まじめに社会人として仕事に就きました。シャネルズのことを記憶を頼りに書いてみます。
鈴木雅之さんの姉は、周知のとおり鈴木清美さんでプロのソウルシンガーだったようで、弟の雅之さんはお姉さんの影響を受けたみたいです。田代まさしさんは、鈴木家によく遊びに来て清美さんに大変可愛がられていたようです。
前で歌っている四人は同学年の年長者。クワマンは一つ下。バックバンドは年下の暴走族の舎弟で、ドラム担当は見るからに〇〇〇〇そのものです。クワマンはハワイの〇〇〇〇そのものです。あくまでも見た目ですよ。誤解なきように。
鈴木雅之さんの歌も素晴らしいのですが、当時、メンバーの中で田代さんがカッコよさで、一番人気だったように覚えています。
シャネルズの凄いところは、何かの音楽コンクールでサザンオールスターズと決勝まで残り、優勝してしまったということです。あのサザンオールスターズに勝ったのです。企画・パフォーマンス・振り付けだけではなく、鈴木雅之さんのボーカル&コーラスの歌唱力は抜群!
サザンオールスターズは毛ガニを除く全員が青山学院大学です。桑田さんは中退したかな?一方、シャネルズは全員暴走族です。デビュー当初は仕事をしながら二足のわらじで、「ブルーカラー」を売り物にミュージシャンとしてテレビ出演していました。
衣装、振り付けなどの企画プロデュースは、ほとんど田代さんによるものです。あの派手な衣装は、当時キャバレーの呼び込みの人が着ていた衣装です。顔を靴炭で黒く塗りたくって、黒人を装いました。シャネルズは、基本ドゥアップバンドなので、黒人の音楽性に憧れていたということもあるのかもしれません。
四人のコーラスには味があり、振り付けは最高です。見て聴いて楽しくなってきます。見る人を引き付ける魅力があります。ただのドゥーアップバンドではなく、エンタテイナーでもあります。
サザンオールスターズとシャネルズを比較してみてください。サザンオールスターズは、見るからにオボッチャマ風の育ちのよさが感じられます。シャネルズは、どうみてもオボッチャマには見えません。
サザンオールスターズはトラブルを一切表面化していません。長渕剛バトルくらいですかね。一方、シャネルズは刑事事件が何度か表面化しました。シャネルズはラッツ&スターにバンド名を変えてイメチェンをしました。それでも紆余曲折ありで消滅してしまいました。
この記事は、サザンオールスターズを批判するものではありません。コンテストの決勝で残った二つの同世代の有名なスーパーバンドなので、比較対象しているだけです。桑田さんもシャネルズの実力を認めていたみたいです。シャネルズのメンバー合同結婚式で、桑田さんが笑顔で祝福していた映像を、テレビかなにかで見たような記憶があります。サザンとシャネルズは、よきライバルなのです。
田代さんは、コントの世界に入らないで、音楽に専念していたらこんな結末にはならなかったかもしれません。コントの才能もありましたが、二足のわらじはよくなかったのではないかと思います。
コントの世界にスカウトした志村けんさんが言っていましたが、「田代さんは几帳面で真面目な性格」であると。ときとして、几帳面さや真面目さが裏目にでることがあるんですよね。
桑田さんもコントの才能があり、ドリフターズのいかりや長介さんからスカウトされたがゴメンナサイしたという逸話があります。実際にテレビでショートコントもやってました。トークも面白いですよね。しかし、桑田さんはコントの世界には入りませんでした。
才能あふれる田代さんをはじめ、シャネルズの歴史を顧みて、こんな素晴らしいバンドが消滅してしまったことに、今でも過去の映像を見ると残念に思います。
鈴木雅之さんはどんな気持ちで一人ボーカルをしているのでしょうか。肩に重い荷物を背負って歌っているのでしょうか。
現在の日本音楽業界を見ていると、シャネルズのような実力があって、才能あふれる個性的なバンドは二度と出て来ないでしょう。彼らは暴走族仲間の事故死という悲惨な過去を背負って、どん底から這い上がってきたアマチュアミュージシャンです。音楽センスは抜群で、しかも企画は前例のない型破りでした。
このように実力があり、才能あふれ、しかもパフォーマンスに優れるバンドが無くなってしまったことは本当に残念です。
記憶のみ頼りに書いているので、文中記載のことは事実とは異なっているかもしれません。ご容赦願います。
とあるパーティーで私が歌った音源がありました。なんのこっちゃ(汗
● ランナウェイ(シャネルズ)
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WBCヘビー級王座マイクタイソンが負けた時、TVの実況中継でガッツ石松さんが「強い者が負けるのは淋しい」と言って涙を流していたことを思い出します。何故かシャネルズとマイクタイソンがかぶるのです。ともにヒールでスーパースターということでしょうか。
事故死した暴走族仲間のためにも、ファンのためにも、シャネルズにはもっともっと活躍してほしかった。鈴木雅之さんは、一人肩に重い荷物を背負って、これからも歌い続けるのでしょう。