2023年11月
第4作「新・男はつらいよ」
1970年公開
***
名古屋の競馬場で偶然出会うタコ社長と寅次郎。
寅次郎に声を掛けるも・・・
タコ社長:あっ!寅さん!!
寅さん:うっせい!黙ってろ!頼むよ!
おいちゃん:なんだい、そりゃ?
タコ社長:馬に頼んだって言うんだがね。
おばちゃん:何を?
タコ社長:1着になってくれよって。
おいちゃん:何を言いやがんでえ、冗談だろ。
タコ社長:いやあ本人は大真面目さ。
一寸の虫にも五分の魂というぐらいだ
ましてや相手は四つ足だ!
人間の気持ちが通じねえわけねえだろう、なんてね。
おいちゃん:バカだね〜全く。
おばちゃん:その馬はそいで強いのかい?
タコ社長:いや、それがね、どうしようもない馬さ。
ワゴンタイガーって言うんだけどもね。
まあ、人間でいやあ
50歳くらいのジジイ馬よ。
無印もいいとこ。
まず絶対来ないということ
受け合いの駄馬さ。
寅さん:何?ジジイ馬だ?
おい!ワゴンタイガーの悪口言いやがると承知しねえぞ。
いいか!ワゴンタイガー、日本流に言いやあどういう事になるんでい?
ワゴンは車、タイガーは寅
早く言いやあ「車 寅次郎」じゃねえか。
そうだろ?同姓同名だい。ちょいと他人とは思えねえぜ。
タコ社長:無茶苦茶だーそんなのは。
同姓同名だからって、気持ちが通じるわけねえだろう?
寅さん:あれ?馬鹿野郎。馬だって人間だって同じ真っ赤な血が流れているんだい。
貧乏人が全財産はたきだしてよ、命を賭けて頼みやわかってくれるんだ。
タコ社長:どうだかね。
寅さん:あれ?てめえワゴンタイガー信用しねえのか?
あいつは俺の言うことにちゃんと返事をしたんだぜ。
タコ社長:返事?
寅さん:当たりめえよ。
馬は嘘をつかねえからな。俺は馬をじーっと見て頼んだんだ。
馬は大きく頷いたぜ、つぶらな瞳でよ。
ヒヒっ!頼むぜ。
おいちゃん:バカだね、どこまでバカなんだろうね。
おばちゃん:で、結局損しちゃったのかい?
タコ社長:いやね それが驚くじゃないか。
おいちゃん:ええ?
タコ社長:きたよ!寅さん!きたんだよ!大穴だよ!!!
おい!しっかりしろ!おい!!しっかりするんだよ!!!
本当にきたんだよ!ワゴンタイガーが!!!!!
寅さん:あ・・・あったりめえだい!べらぼうめ・・・・
タコ社長:1万8,000円の大穴よ!
野朗ね!特券ぶち込んでるから、しめて18万よ!
おいちゃん:18万?
お、おい、そ、その金・・・どうしたい?
寅さん:俺は今日ついてる。
ツキは逃しちゃいけねえ。それが渡世人というものよ。
タコ社長:おい、ちょっと待ってくれ、それだけはやめてくれよ。
ここはね、その金持って、大人しく柴又へ・・・な!さっ!
寅さん:おう!これは俺のゼニだ。
俺のゼニをどう使おうと勝手じゃねえか。
さあ、嫌だったらひと足さきに帰ってくれ。
タコ社長:と、寅さん!あっ!ああっ!あいたたた・・・
寅さん:あばよ!タコ!!
そんな噂話を早速言いふらすタコ社長。
名古屋競馬場にてワゴンタイガーに運命を感じ
見事勝ち当て18万円をゲット!
そこから次のレースへと進み、あれよあれよという間に終わってみれば100万両(円)
意気揚々とタクシーに乗って柴又への帰還を果たす寅さんだったのである。
そのシーンを撮影した場所は一体どこだったのだろうか。
その疑問を解決すべく、映画のシーンを見返してその現場を特定。
今回はその撮影現場となった場所に約53年の時を超えて行ってきたのである。
詳しくはサイトをご覧ください。
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