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4月の読書メーター
読んだ本の数:36
読んだページ数:11431相談役 島耕作(3) (モーニング KC)
読了日:04月29日 著者:弘兼 憲史
用心棒始末 剣客相談人10 (二見時代小説文庫)の感想
シリーズ第10巻。有名人となった剣客相談人の偽物が現れた。ただの偽物ではない。剣客相談人文史朗の兄である大目付までもが標的となる一大企ての一環だったのだ。終盤でついに大瀧弥生が「剣客相談人」の一員として名乗りを上げることができた。
読了日:04月29日 著者:森 詠
赤い風花 剣客相談人3 (二見時代小説文庫)の感想
シリーズ第3巻。武家娘が路上で斬られるというとんでもない出だしに驚いた。この娘子が美人だから自らの住まいを明け渡して治療に勤しむオヤジども。長屋の生活はとても微笑ましく描かれている。札差の栄屋仁左衛門より受けた身辺警護の依頼は、一藩の存続に関わる陰謀から分岐した支流に過ぎなかった。
読了日:04月28日 著者:森 詠
第二段階レンズマンの感想
【電子図書館】シリーズ3巻目。懐かしいだけでページを繰っているのではない。今読んでもとてつもない広がりを感じさせるのだ。データベースにカードを使ったり、記録にテープ(まさか穿孔テープか)を使ったりと流石に今の技術から見れば古さを感じさせるが、これが70年以上も前(1941年)の作品だとは思えない発想である。
読了日:04月27日 著者:E・E・スミス
ダウン・バイ・ロー (講談社文庫)の感想
山形の片田舎で展開するバイオレンス。いじめどころのハナシではない。狭い社会でのしがらみと貧困が生み出す社会の陰。一気に読み通してしまった。東大を目指す女子高生が主役なのに、こんな暴力あっていいのだろうか。
読了日:04月26日 著者:深町 秋生
メイド・イン京都の感想
Tシャツブランド「lys(リュス)」の成功物語。本書装丁の写真モデルが身につけているようなものなのか?大学卒業時の芸祭で作った作品【夢】のビー玉が、安曇川の奥に自宅兼工房を構える陶芸家仁野佳太の並べたラムネの瓶とリンクする。テーマは【信頼】。「自分を信用していない人のことを信用することはできない」は十川美咲の言葉だが、婚約者相手でもイベント会社社長の瑠衣相手でも同じことなのだ。京都の町を背景として、出身地を嫌味なく描く作者の感性に身を委ねられた。
読了日:04月26日 著者:藤岡 陽子
必殺、十文字剣 剣客相談人9 (二見時代小説文庫)の感想
最終章で女剣士同士が「満月の決闘」に挑む。魔剣十文字剣を操る摩耶姫と秘太刀霞隠しを使う美人道場主の弥生である。十文字剣の由来とその来し方の背景には隠し金山の利権があったのだ。
読了日:04月25日 著者:森 詠
グレー・レンズマン レンズマン・シリーズの感想
【電子図書館】第二次世界大戦以前にこれだけのものを書いたのがすごい。やっと緒についたIPS細胞による再生医療だが、この時点で全身の欠損部分が年相応に再生されてしまう。まさに在りたいを成し遂げるSFの世界だ。1937年だから女性の地位は低く、ヒロインの地位も従軍病院船の看護婦長止まり。宇宙船の中でタバコも吸っちゃう。そんな上から目線で面白く読了。
読了日:04月24日 著者:E・E スミス
竜巻ガール (双葉文庫)の感想
トルネードのような妹。どうしようもない異性を好きになってしまう懲りない性格。ガール、マザー、ウーマンとワイフ。四編を読み終えたあと、あとがきと解説を読んで腑に落ちた感じがした。
読了日:04月24日 著者:垣谷 美雨
それでも、陽は昇るの感想
震災三部作の完結編。今までのとはちょっと趣が違うように感じた。年月を経たためなのか後世に伝えるということに重きが置かれていた。大慌ての復興時期を過ぎてなお、震災に思いを寄せるということになると政治とは切り離せないことになる。そこにある種のいやらしさが生まれてくるのを感じた。戦争の被害とは異なる自然災害による被害。忘れず前を向くことのなんと難しいことか。
読了日:04月23日 著者:真山仁
笑う傀儡(くぐつ) 剣客相談人7 (二見時代小説文庫)の感想
シリーズ7巻目。剣客相談人が徐々に殿様相談人に変化しつつあった。薩摩藩と佐賀藩の密貿易と麻薬取引を引っ掛けました。少女誘拐やからくり人形の仕掛けなどの仕込みがずさんだが、それなりに楽しめた。
読了日:04月22日 著者:森 詠
夜の武士 剣客相談人6 (二見時代小説文庫)の感想
シリーズ6巻目。第二話では天下の御政道を糺すため、幕閣に支配されている御庭番と対決する。第三話では大目付に働きかけて公儀隠密の通行手形まで手に入れた。いやはや。
読了日:04月20日 著者:森 詠
危険なビーナス (講談社文庫)の感想
独身獣医手島伯朗のもとに運び込まれるペットは様々だが、飼い主が無知だという感じがよく出ていて面白い。ストーリーの本筋は母の再婚した家がとてつもない大金持ちで、その遺産相続に関して相続人の弟が現れないまま色々と問題が発生するという内容だ。いやはや、結論はそうきたか。弟の妻楓や、助手の蔭山元美、ときどき出てくる患者の飼い主など美人がたくさん出てきてそれぞれに心が動かされるスケベな伯朗をうまく描いていると感じた。
読了日:04月19日 著者:東野 圭吾
銀河パトロール隊 レンズマン・シリーズの感想
【電子図書館】もう50数年ぶりに目にしたキンボール・キニスンという名前。スペースオペラの始まり始まり~である。読メの感想を見ていたら、コミックとして出版されたこともあるようだ。エドガー・ライス・バローズの火星シリーズ同様、懐かしい作品だ。しばらくはレンズマンシリーズを楽しもうと思う。
読了日:04月18日 著者:E・E スミス
我は景祐の感想
会津高校卒の私にとって、戊辰戦争は会津藩目線ばかりでしたが、奥羽越列藩同盟を克明に描いてもらって嬉しく感じた。それにしても長州閥のひどさ!吉田松陰も人間性は指導しなかったのだろうか。世良修蔵は暗殺の憂き目にあったが、このような輩は帝国陸軍にそのまま引き継がれ、大陸において酷いことをしたのではないか。安倍晋三、佐藤栄作、岸信介は何れも長州の系列。どこまで信じていいのか良くわからない。歴史の流れとはいえ、東北の悲劇は徳川慶喜の軟弱な独りよがりの行動に始まったのではないだろうか。
読了日:04月18日 著者:熊谷 達也
ガールズ・ブルー2 (文春文庫)の感想
【電子図書館】高校3年生にとって進路をどうするかは大きな問題だが、なかなか真正面に捉えられない様子。思考がちょっとしたきっかけでとんでもない飛躍をする。こんな年頃が私にもあったのだろうか。と思いながら読み終えた。電子図書館収録の作品は、文字の大きさや縦書き横書きが選べて大変読みやすかった。
読了日:04月17日 著者:あさの あつこ
ガールズ・ブルー (文春文庫)の感想
【電子図書館】。青春日記だが普通ではない。落ちこぼれの高校生たちはお互いに干渉しないながらに心を通わせている。目的が希薄なのでモチベーションも薄い。そんな曲がった子達の日常がなのだが、何故か最後まで読んでしまった。続きもあるらしい。
読了日:04月16日 著者:あさの あつこ
剣鬼往来 剣客相談人5 (二見時代小説文庫)の感想
シリーズ第5巻。秘剣が乱舞する回。道場鬼の娘が遣うのは「雲隠し(裏・表)」、兄の依頼でやむなく用いたのは「秘剣引き潮」。男勝りの女剣士や、依頼を受けた藩の奥方お鷹の方と側室お紗絵殿が登場し、鼻の下を長くするのもエンターテインメントの一環。今後の弥生の動向にも注意が必要になりそうだ。
読了日:04月15日 著者:森 詠
この川のむこうに君がいるの感想
小学校卒業の年に震災で被害を受けた少女の高校生活を通して、コミュニケーションで受ける感じ方を表現していた。自ら被害者と名乗れる子、若くして震災の語り部として歩み始めた子、そして東京には「自分を優しく思いたいヤツ」も。主人公の少女は度々PTSDに襲われるものの誰にも相談できないでいたが、高校の部活動を通して少しずつ立ち直る様子が描かれていた。この川=荒川の河川敷はなんどかマラソン大会で走ったことがあり、駅名や路線名に懐かしさを感じました。
読了日:04月15日 著者:濱野京子
乱れ髪 残心剣 剣客相談人4 (二見時代小説文庫)の感想
大門甚兵衛の過去と所属していた旧藩のお家騒動が明らかになる。何れにしてもいい人が必ずしも善人ではなく、悪人必ずしも悪行をなすわけではないという。ややこしい描写で少し疲れた。
読了日:04月14日 著者:森 詠
狐憑きの女 長屋の殿様 剣客相談人2 (二見時代小説文庫)の感想
嘘も方便、真実で解決できぬ道も、場合によっては切り抜けてすべてが平和になるという。「狐憑き」あるわけないし、子猫を探したというのは小さき姫の絵空事。愛犬クロが狙われているのは真実なのか?そして第4話。文史郎の浪人前の状況が明らかになり、萩の方はめでたく妊娠。・・・でいいのか?いいんです。
読了日:04月14日 著者:森 詠
おね 下の感想
家康との腹のさぐりあい、冷たい刃を首に押し付けられるほどの迫力があった。秀吉の功によって北政所の地位にまで到達したおね、戦をなくすことを命題とし、信長に憧れ、家康に対峙した壮大なドラマが完結した。
読了日:04月14日 著者:田渕 久美子
おね 上の感想
初読みの作家かと思ったら、テレビドラマ「篤姫」「江」を生み出した方だった。秀吉の妻北政所についてはあまり知らなかったが、本書によればなんと見事な女性であることか。下巻が楽しみ。
読了日:04月13日 著者:田渕 久美子
剣客相談人 長屋の殿様 文史郎 (二見書房 時代小説文庫)の感想
藩政改革に邁進した婿殿は、奥方や家老に裏切られ若隠居として下屋敷に押し込められた。蟄居に時間を持て余した殿は傅役と図って出奔し下町の長屋に住むが、持ち出した3両を使い切ったので糧を得るために口入れ屋に赴いたところ「相談人」の仕事を持ちかけられた。シリーズ「剣客相談人」は23巻あるようなので少しずつ楽しんでいきます。
読了日:04月11日 著者:森 詠
店長がバカすぎての感想
なんとまぁ、小学生の男の子が好きな女の子にいたずらするのと同じ心境だったとはねぇ。書中「小説」が出てきて入れ子になっているのはオペラ「道化師」みたいだが、とにかく目まぐるしくてついていけなくなりそうだった。私も最近はとんと書店に足を運ばなくなっているので、申し訳ないような気持ちで読み終えた。社長については誇張が過ぎるように思った。いくらなんでもねぇ、売上ダウンに寄与するような指示はありえないと思うのだ。
読了日:04月11日 著者:早見和真
アパレル興亡の感想
昭和24年の馬喰町界隈が衣料品の問屋、小売店で賑わっていた描写から始まる日本のアパレルの歴史。aparelの訳「衣服」なのだが、日本では既製服を指すようだ。注文服から既製服への転換と、カジュアルウエアへの拡大など、服装にはむとんちゃくな私にもわかるブランデ名が次々と現れては消えていく様子がよくわかり、とても楽しく読んだ。悪者のように描かれているが、2代目社長の田谷は糸、生地、デザイン、縫製など多方面に渡って努力して得た能力を持っていたように感じました。ワンマンと前時代的な会社運営は納得できませんが。
読了日:04月10日 著者:黒木 亮
ライオンのおやつの感想
電子図書館で発見(助かる)。瀬戸内海に浮かぶレモン島のホスピス「ライオンの家」に海野雫が到着したところから始まる物語。33歳、AYA世代のステージVIのがん患者だ。手術をして抗癌剤治療をしたが、効果なく積極的な抗がん剤治療を中止をしたあとのストーリーなので、運命に身を任せる覚悟が見えてくる。私のような年であればともかく、若い世代ではなかなかその境地になれないのではないかと思う。場所と管理人のマドンナをはじめとするスタッフ、同居者などの温かい心にふれて、助産院のようなライオンの家で暮らしを始め燃え尽きる。
読了日:04月08日 著者:小川糸
私を月に連れてっての感想
田中さんのお母さん、なんか秘密があるんだな。それにしてもこのクオリティーに今回も脱帽です。3章の構成だがそれぞれの章の語り手が変わっていく。最初は田中花実ちゃん視点でクラスメートの佐知子さんや石井くんが登場するが、かつて住んでいたアパートお訪れてのんちゃんに出会い、ストーリーの雰囲気が一気に変わった。二話目は二階に住んでいるプー太郎の松下賢人なのだが、これこれその美人はフミオくんだよ。3話目は1話目で行った体験学習の工場に勤務している村山しのぶさん。幼い頃田中さんのお母さんと同じ病室だったたらしい。
読了日:04月07日 著者:鈴木 るりか
貌のない貌 梓凪子の捜査報告書の感想
「女副署長」が面白かったので本作品へ。田添杏美副署長は一見普通のおとなしい女性警官でしたが、本作の梓凪子巡査も足が速い以外はごく普通の(スーパーマンではない)女性警察官である。犯罪の痕跡をたどるのに、防犯カメラの映像をひたすら追う場面が描かれているが、あれは大変そうだ。集中できるのは5分程度ではないのだろうか。国際問題にも発展するかと思われた中国人実業家の失踪。思わぬところに悪の根が・・・。今回も楽しく読み終えた。
読了日:04月07日 著者:松嶋 智左
うちの父が運転をやめませんの感想
公共交通機関が次々と廃止されてゆく高齢者比率の高い地方。自動車運転免許証を取り上げてどう生活しろというのか。八方が収まるような答えは存在しない。販売代行業という案も一つのアイデアではあると感心しながら読み終えた。児童の列に突っ込む高齢者が運転する自動車。規制が必要なことは明らかであるが、都会や地方のそれぞれの違いを見計らっているうちに、どうにもならなくなってくる感じが怖い。地方でのコンパクトシティー構想だって、先祖代々を持ち出されたらどうにもならない。
読了日:04月07日 著者:垣谷 美雨
海は見えるかの感想
「そして、星の輝く夜がくる」に続き2年目となる遠間第一小学校での日々。短編集と言った内容だが、私が一番気になったのは「海は見えるか」。「たよりがないのは」の章に使われている写真は奇跡の一本松だが、東日本大震災の震災遺構として保存されています。観光庁の東北復興ツアーに参加して目にしました。そして松原があった浜辺の前に巨大な堤防を構築しているところでした。そこに住まっていない私にとって驚くべき建造物です。その建設に至った事柄が記されています。未だに深い闇に閉ざされている被害者を思うとせつなくなります。
読了日:04月06日 著者:真山 仁
冬の喝采 運命の箱根駅伝 下 (幻冬舎文庫)の感想
今はGPS付きのスポーツウォッチが一般的になっており、距離もタイムもそして心拍数までも測定できるので、データとして十分に活用できる時代になりました。それらのデータはクラウドに保存できいつでも参照できるのです。黒木亮氏はきめ細かく毎日のランニング記録をノートに書きつけ、ずっと大事に保管してこの作品に生かしたようです。私は46歳から走り始めたなんちゃってジョガーですが、結構マッサージにはお世話になりました。トップアスリートの繊細な体の構成は、ちょっとの狂いをも許さないのだろうなと感じました。
読了日:04月04日 著者:黒木 亮
冬の喝采 運命の箱根駅伝 上 (幻冬舎文庫)の感想
粘着質な性格で自意識と自己顕示欲が人一倍強い老人。早大競走部監督であった中村清の描写である。現在ではデータに基づく指導が当たり前であるが、彼はリディアードの理論は実践に生かしたものの、選手個人個人の練習やレースのデータをもとにした指導はしていなかったようだ。本書では何度も脚の痛みが出てくるが、マッサージを受けてもなかなか回復しない大変な様子が伝わってくる。一流のアスリートでさえそうなら、市民ランナーは成績を追うのではなく、その楽しみ方に注意しなければならないと感じた。
読了日:04月04日 著者:黒木 亮
小隊の感想
157ページの作品。北海道での守備戦を描いている。装備については全く理解できないながら、日頃の訓練なしでは動くことが困難な様子がよく分かる。T-90 BMP SP などの専門用語には全くついていけませんでしたが、それが余計に緊迫感を与えているようでした。いま南方の海洋を中共が犯しています。国防は重量な課題だと思います。
読了日:04月04日 著者:砂川 文次
女副署長 (新潮文庫)の感想
8月3日、県の郊外にある日見坂署は大きな嵐に襲われた。文字通りの台風直撃の他に、よりによって署内で殺人事件が発生したのだ。殺人事件の解決ステップが楽しいのはミステリーの一大要素ですが、ここでは警察署内組織による対立も描かれています。真面目で正義感の強い警官ばかりでなく、犯罪者と接する職業であることにより自らが犯罪を犯す可能性が否定できないことを表現していました。また、災害出動での警察の役割も興味深く読みました。たった一日に様々な事象を埋め込んだ作品でした。
読了日:04月04日 著者:松嶋 智左
類の感想
500ページに及ぼうとする本書だがあっという間に読み終えた。流石にまかてさんだ。本書を書くきっかけは類の評伝「鴎外の三男坊 森類の生涯(山﨑國紀作)」を読んだことだそうで、それから鷗外とその妻の志しげさんも含め、鷗外一家の書いたものを片端から読んだそうだ。類の幼少の頃からまとわりつく「鬱積感」が生き方を見いだせないその場しのぎの生活をせざるを得なかったのかと感じた。戦争さえなければそれでも良かったのにと同情を禁じ得ないが、60歳で病に倒れた妻美穂があまりに可愛そうに思われてならない。
読了日:04月01日 著者:朝井 まかて
市の図書館に「電子図書館」があるのですが、そこで高校生時代に読んだスペースオペラに出会ってしまいました。
E・E・スミスの「レンズマン」シリーズです。
エドガー・ライス・バローズの「火星シリーズ」も収載してほしいものです。
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