徒然糞 ー不幸の糞手紙ー

不幸の糞手紙　　　　　　　山浦健康

頃は１２月半のことなるに
共に帰らむとて高津多門（本名）といふ男といたり
仕事終わりて光善寺駅の厠へ立ち寄りたり

小便器三つありて、われは奥の場所をつかへり
多聞真ん中の小便器を使ひ小便などせむとするにやがて
「おわーっ」と叫びたり
「如何したるにや」と問へば
「糞なり　小便器に糞のあるなり」といふ
「まことにや」とて小便器をのぞけば
ややとうもろこしの混じりたる様の糞のちょこんといたり

「珍しきこともあるらむ」とて感心したるに多聞
「写真に撮らむ」とて携帯電話を取り出したり
「あなきたな　そは愚か者にや」などいひつつ見たるに
多聞構はずパシャリと撮れり

「山浦先生にも送らむ」といひたれば
「いらぬ　そなたは糞にや　完全に死にたまへ」といへり

しばし後　我が弟子に手紙を送りたれば
「ぜひ見せたまへ」とかえりたり
さらばとて多聞に
「我が友人糞の写真見たしといひたれば送りたまへ」といへば
やがて送られたる

電話にて糞の写真貼りつけて
「本日中に五人の人にこの写真送らなば必ず不幸になるべし」と添えたり
おそらく今週中に日本全国に広まるにや

弟子より
「ち◯このごとき糞なり」と帰りたり
このもの必ず不幸になるにや



※徒然糞…http://www.eonet.ne.jp/~tozomo-hazuki/tozomo/homeindex2.htm　参照