本当にちょっとした日記

身の周りにあった何気ない出来事を、ただ書いていこうかと思います。

如是我聞

2012-04-11 22:42:11 | 日常
「如是我聞 一時仏在 舎衛国 祇樹給孤独園」
というのは浄土系の仏教で葬式の時に読まれる阿弥陀経の出だしの部分。

仏教の経典であるお経は「如是我聞」という出だしで始まります。
それはお釈迦様が亡くなった後、その教えを残すために、弟子500人が集まって、
「あの時、仏がこう言ったのを聞きました」
という形でみんなで相談しながら編纂したからと言われています。

最近読んでいる太宰治の本の中に、「如是我聞」というエッセイがあります。
「人間失格」を書いた頃と同じぐらいに書いたらしいですが、
同じ「如是我聞」と言っても、お教とは内容が全く違います。

太宰治の「如是我聞」は簡単にいえば人の悪口。
「お前ら、こんな風に自分の悪口を言ってるのを聞いたぞ~」って感じで、
彼の文章をけなした大学の先生や、小説家に対して小学生のような感じで悪口を書いているのは、
太宰治という人間の素直な気持ちを表していて本当に面白いです。

特に志賀直哉に対して「暗夜行路なんか大層な題をつけやがって」とか「文章は下手くそ」とか
当時地位を確立していた彼に対するヒガミとしか思えないようなことを延々と書き連ねています。

子供の喧嘩みたいに感情的に書いているところもあれば、理論的になぜ志賀直哉がいけないのか
など分析して書いているところも面白い。

文豪というと人格者のようなイメージですが、みんな案外、俗物っぽい一面があるんですね。




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