本当にちょっとした日記

身の周りにあった何気ない出来事を、ただ書いていこうかと思います。

Tell Me, Sister

2009-10-15 18:45:31 | 日常
自分が嫌いだった 何もかも嫌だった
嫌うことで別の自分になれる気分になってた
低い鼻やクセの髪じゃ もしなかったら
一生はどんなにか違うわと憎んだ

時は流れ ある日突然 全て備えた彼女に会った
私にない全てを持って 「何もない」と未来を見てた

Tell Me, Sister 真似させておくれよ
Tell Me, Sister 追いつこうとしても
Tell Me, Sister そんなふうになれない
「そのままでいいのに」と彼女は微笑むだけだった

全ての男は彼女に夢中だった
全ての女さえ彼女には挑まなかった
悪口を言われない運命ってあるものね
その逆の運命が私だと思った

時は流れ ある日突然 この世にいない彼女を知った
きっとずっと全てを知って 「何もない」と未来を見てた

Tell Me, Sister 教えておくれよ
Tell Me, Sister 恵まれたものは何?
Tell Me, Sister 何を真似ればいい?
「そのままでいいのに」と微笑みだけが残った


中島みゆきのアルバム「短編集」に収録されている「Tell Me, Sister」という歌。彼女自身、オールナイトニッポンでよく言っていたが、自分にかなりのコンプレックスを持っているようで、彼女の歌詞にはよく自分自身の代名詞として「くせ毛」という言葉をつかう。
こういった思春期特有の感情を歌った歌詞は非常に多く、その中でこの歌は私が最も好きな歌。

一見すると自分が憧れる女性が死んでしまったような事を言う人が多いが、そんな単純なものじゃない。

「全て備えた彼女」は自分の憧れそのもの。
それになれば幸せになれる、もしくは今よりも恵まれた存在になれると信じている。
思春期には自分自身を否定する事でその憧れに近づこうとする反面、心の何処かで「そんな自分になっても何もない」と何処かで冷めているのかもしれない。

年とともに現実を知り、その憧れた存在になろうとしてもなれない自分を知る。
完璧な自分は幻影であり最初から存在しなかったもの。うすうすは気付いていたけど。

その後の「そのままでいいのに」という言葉は、今の自分を受け入れたのではなく、諦めて自分を慰めているように思える。
それゆえに「恵まれたものは何?」「何を真似ればいい?」という悲痛な叫びになる。理想の自分になれば幸せになれると頑張ったのに。
いまさら・・・ と。
やはり最初から「何もなかった」のである。
結局は「そのままでいいのに」と自分に言い聞かせて生きていくしかない。


彼女の歌詞はその人の環境や心の状態でいろんな取り方が出来る。
今この歌を聴いてその意味がこんな風に思えるということは、これが今の私の心境なのかも。





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4 コメント

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Unknown (山下)
2009-10-16 07:27:13
 あらら。何かお悩みですか?

 私にはやはり彼女は死んだんだと思えますねぇ。
 で、彼女が早くに亡くなっていた事を随分後から知って、彼女の全てに憧れてたけど、実は彼女は病気で残り少ない命であることを「きっとずっと全てを知って「何もない」未来を見てた」んだと気が付いた。

 で、何も知らずに「貴方が羨ましい」とか「貴方みたいになりたい」とか言っていたあの頃の自分が、更に空っぽな人間だったんだと気付いて恥ずかしく思うと。

 で、今は、人は各々他人からは見えない苦しみや悲しみがあるから、誰かに憧れてその一部分を手に入れてたとしても幸せになれるかどうかは分からないことを知った。
 それでも自分がどうあるべきなのかは未だに分からない。

 ってそんな感じの内容に私には思えますねぇ。

 私も若い頃は自分の全てが嫌いでした(くせ毛でしたし)けど今では完璧な人生を歩んできたと思ってます。
 太極拳じゃないですけど虚と実、陰と陽。悪いことがあってこそ成せるものもあるのだと。

 まぁ、それでももし生まれ変わったら別な人生を歩みたいですけどね。
 同じだと飽きちゃいますから
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Unknown (山浦)
2009-10-16 19:21:36
私も自分の人生には悔いはありません。
でも、最近自分のやりたい事と、まわりから求められる事のギャップで思うようにいきません。
なかなか思い通りに生きるのは難しいですね。

もし生まれ変わるなら、人間じゃない方がいいです。
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Unknown (山下)
2009-10-17 07:26:12
 あれ? 山浦さんってそんなキャラでしたっけ?
 自分のやりたくない事なんてポイッと捨てて興味のあることだけ楽しめば良いじゃないですか。

 私から見ればその方がずっと山浦さんらしいと思いますがねぇ。
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Unknown (山浦)
2009-10-17 15:34:16
そうなんですよ。
極力やりたくない事は断ってきましたが、今まで許容範囲だった事が環境が変わると許容範囲じゃなくなってきたりするんですよ。
今はひたすら逃避する方向に動いており、みんなの役に立てばと思ってやってきたオステオパシーの勉強会ももう中止する事にしました。
でも生活がかかと、全部を捨てるわけにはいかないですね。
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