交通コンサルタントの願い

交通工学の知識と交通管制官としての勤務経験から得た知見に基づき、交通問題を解説する。

エスコンフィールド北海道周辺における大渋滞発生の懸念

2023-04-18 14:51:10 | 記事

3月30日、プロ野球日本ハムファイターズの新球場、エスコンフィールド北海道が開業した。
球場内にホテルや温泉があるなど、これまでの球場とは異なる新しい形の球場ということで注目を集め、ニュースや情報番組で多く取り上げられた。

球場の最大収容人数は3万5千人。
最寄りの駅から徒歩約20分の場所ということもあり、最寄り駅を含む複数の地点から球場までシャトルバスが運行されている。
4,000台の駐車場は、試合開催日は事前予約制とされ、車での来場も可能となっている。

これらの情報を耳にし、「いつか周辺で大渋滞が発生するのではないか」との懸念が私の脳裏に浮かんだ。

そして、ある出来事を思い出していた。
2018年11月、大分で開催されたサッカー日本代表とベネズエラ代表の試合のことである。
試合開始前、会場周辺で大渋滞が発生し、両チームの選手バスは予定より約1時間遅れで会場に到着した。
3万6千枚の観戦チケットが完売していたにもかかわらず、キックオフの19時半時点での観客席は空席が目立ち、試合終了まで会場に駆け込んでくる観客が見られた。

会場直近の交差点を起点として5km以上の渋滞が4時間以上続き、そのうち1時間半は10.4km渋滞していた。
会場周辺を含む大分市内中心部では、合計20km以上の渋滞が2時間半にわたって続き、大分市内中心部の交通網はほぼ麻痺した。

この大渋滞は、試合関係者や観客だけでなく、当然、住民にも大きな影響を及ぼした。
仕事を終え、帰宅のためにバスを利用した乗客は、通常30分ほどかかるところが2時間以上要したと話していた。

様々な要因が重なったとき、このような大渋滞は起こるのである。

エスコンフィールド北海道とこの大分のスタジアムは、立地などに類似する点がある。
そのため、私は、エスコンフィールド北海道周辺で、住民にも大きな影響を及ぼす同じような大渋滞が発生するのではないかと懸念している。

同じような事態が起こらないことを願って、次回以降の記事で大渋滞を引き起こす要因について解説する。


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