2月28日 金曜日
時々
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きのう実家地域をブラブラしていて、ここに住み続けているお菓子屋さんのおばあちゃんの話を聞いて思ったこと。
街道沿いに家は並んでいるものの、その多くは空き家だという。
そんな感じに見えてはいたが、正確な戸数までは知らなかった。
市役所を除くと近辺に働く場所がほとんど無いので高校を卒業すると若者は村を出て行く。
そして親世代、残っていた年寄りが亡くなると、下流の町などに移り住んでいた子たちが家を壊しに戻ってくる。
そうしたことが繰り返された結果、歯抜けのようになった、今の寂しい集落になっているのだ。
ほぼ年寄りしか住んでおらず、子供の声は聴こえない。
これには小学校が廃校になり、それをあてにして商売をしていた人々が店を畳んだり去ったりしたこと、新しい小学校が下流に移転したことも無関係ではないだろう。
いま小学校の跡地には寂しい村には不釣り合いなほど立派な公民館が建っている。
帰省時には歩くことのない裏道もブラブラしてみたが、2〜3人しか見かけなかった。
少し前までなら見慣れぬ者が付近をブラついていたら地域住民総出でジトーっと監視されたものだが、それも無かった。
ハヤシさん(きのう話をしたおばあちゃん)だけでなく、近所の人でさえ僕が誰なのか分からなかったようだ。
離れて20年近くになるからか。
「もうどうしようもないの…」
寂れて朽ちていくのを待つだけの村だ、と言いたいのだ。
何度もそう呟いたハヤシさんの淋しそうな声と表情が強く印象に残っている。
「おい、村役場(現、市役所)に就職した奴ら、この現状を見て何も思わんのか!?」
と言いたいところだが、僕も普段は村の外で生活をしている身だ。
帰省のたびに何とも言えない気持ちになる。
ひみつ🤭日記
間違って集落に迷いこまない限り、観光客がこの寂れた村の実態を目にすることは無いと思う。…地方鉄道の車窓からだと丸見えか。
観光客用にか、集落の手前で大きな道との分岐点があり、集落の人以外はその川沿いの道を宇奈月方面に向かうことになる。
保育園もいつの間にか取り壊されており、習字に通ったお寺も無くなっていた。
村で大きな建物は、旧小学校の体育館、先述の公民館、消防分団の建物、そして電気設備会社のビルくらいだ。