地面に1分

旅、ではないが、往復600km。現地滞在は2時間ほど。

息子は「板前さん」になりたいと。まぁ、ボクの弟は昔にコックさんをしてたし、ボク自身も料理をするのは好きだし。「蕎麦屋さん」のバイトも3年ほど。もちろん、勉強は大嫌いだから進学はしない。他の仕事に興味があるわけでもないわけで…まぁ、もっともではあるが…厳しい道。

10月に加賀へと車を走らせた。経緯は→　「息子と二人旅」　をご覧下さい。。。

そんなわけで絞ったのが「山中」「山代」でした。このご時世、当然に求人なんて有るはずもない。Webサイトを徘徊し、ありったけの旅館やホテル、割烹をピックアップしてデーターベース化する。料理のレベル、客室数、ロケーション…様々な角度から絞り込む。エクセルに変換して…「んぢゃ、頑張れ～」と。そう、息子はそれら一軒一軒に電話で問い合わせ。ただひたすらにね。

ようやく一件のホテルに手応え。募集なんかしていないのだけど、電話での話が気に入っていただけたのか面接していただけることに。うむ、勝負はこれから…

日曜日に現地まで走りたかったのだが、なにぶん「もぎとり」から帰ってきたばかり。かなり疲れている…　ので、月曜の早朝から向かうことにした。う～ん…ETCの休日割引が使えないのが厳しい…(セコイ！)

 6時に出発。城陽で給油中に「キャンピングポート：木村氏」より電話…こんな時間でも発見される車…(笑)　で、ひたすら北上、10時半には無事に到着。道の駅で息子が着替えてる間にチョット散策。

 

道の駅「今はやまなか」だとさ。。。

 

列車も有った。利用者は少ないな…

 

面接は11時半から。30分前が原則？なので11時にホテルへと向かう。今回面接を受けさせていただくのは「花紫」です。山中温泉、いや、「加賀四湯」においてもトップクラス！「じゃらん」でもハイクラスに指定、宿泊料金は…ボクは…泊まれない…(汗笑)

息子のこだわり。客室は50室以下、料理はじゃらんのポイントで4.5以上、充分な歴史とプライドを持っている宿。大規模ホテルで何十人も料理人がいる厨房は学ぶのに時間がかかるし、派閥や妙な競争も生まれる。安いプランががメインの宿は、そのしわ寄せが料理に。いろんな角度から検討していたのです。さぁて、いざ出陣！

 

ん…軽バンが邪魔…　「花紫」へと向かう息子。

 

ボクは車の中で待機。ジーパンに革ジャン、頭は…そう、金髪！！先週にブリーチする時間を間違えた（ってっか、1時間放置した…汗)のです。まぁ～なんとも…「ぼんじゅ～るぅ まどもぁぜぇ～るぅ」って状態なのです。ホテルの方に見られると…ヤバイ…

12時半。息子の姿が見えた。そう、二人の方と…あぁ～ん！？二人…　板前姿の方と、制服姿の女性…あぁ～～～！　　はい、板長様と、人事部の方でした…　とりあえず駈け寄り「はじめまして！いや、こんな格好でスミマセン！あのぉ～よろしくお願いいたします！」と…(汗汗汗)　あぁ、「地面に1分」ってのは、この時、です。

お二人とも、とても素敵な方でした。そして笑顔で見送っていただきました。はぁ…もし落ちたらボクのせいだ…あぁぁぁ…　と話していたのですが、息子は「うん、イイ印象を持ってもらったかも！厨房や独身寮も見せてもらったし、オーナーさんにも会ったしぃ～♪」とお気楽モード…ふぅ、まぁ、その性格は非常に良い、のですがね。。。

 

で…なかなか結果が来ない…10日ほど経った…

 

22日…「おうっ！オヤジ！通ったでぇ～～～！」

 

ふう。。。ようやく安心。。。ホッとしました。。。

 

彼は、来春から「石川県民」になります。最高の食材、最高の器、そしてそれらを神業のように自由に操る最高の技術を身につけるために。もう奈良には帰らないかも知れない。年に会えるのは1～2回ってとこか。土日と祝日は休みなど無し。自分が選んだ道とはいえ、かなり精進が必要な世界。親として、心配ではあるが…ヤツならできる！そう思っている。

 

マサヨシ、おめでとう。活躍を楽しみにしてるよ。。。