Tips的に色々

仕事から趣味に至るまで徒然なるままに

リスキリングという言葉の違和感

2023-12-30 15:40:34 | コラム
現在、リスキリングとリカレントが同義語として扱われている。

リカレントは古くからある言葉で、自分が習得していない新しい領域のスキルを学ぶことを指す。
学校を卒業してから改めて学びの葉を設けるという意味があるので「学び直し」と訳される。

リスキリングは比較的新しい言葉で、同じく「学び直し」と訳されるが、実は正確な意味は違う。
一度得たスキルを、新しい技術や環境に適応できるよう、現在のスキルを置き換えながら拡張していくことを指す。
現在の知識と新しい知識に強い相関性があるので「学び直し」と訳しても違和感が出ないのだ。

しかし、以上を踏まえると、リスキリングをリカレントと言い替えるのは意味が通るが、リカレントをリスキリングと言い替えると意味が通らない場面かでてくる。
現在のスキルとまったく違うスキルを身につける場合、リスキリングの接頭詞「リ(再度)」が意味をなさなくなるのだ。

もちろん同義に使える場面は多いのだが、ネットを彷徨っていると間違った解説をしているページが山ほど出てくる。
外来語であっても日本語は正しく使いたいものである。

なお、それとは別にスキルアップという言葉もある。
こちらは、一度得たスキルを置き換えることなく、より広く学んでいくことを指すので、「学び直し」とは訳さない。

--------
tsutaya0225あっとgmail.com