ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

Stringed Out (1971) / Ohta-San

2020年04月20日 | Ohta-San - Vinyl
ハワイ・Surfside Recordsからのリリース。70年代にはいっても同レーベルでの吹き込みは続いた。「Hawaii Five-O(SFS-107)」、「Ohta-San and The Surfside Strings」名義による「Love Story(SFS-108)」に続く本作(SFS-109)が同レーベルでの7作目という勘定になるが、恐らくは同レーベルでの最後の作品。

録音はハワイ、Commercial Recording Studio。プロデューサーはここまで多くのSurfside作品と同じく、Don McDiarmid Jr。ジャケット写真はサム・カマカ氏所有のビンテージ・ウクレレ・コレクション。アルバム・タイトルの「Stringed Out」には「(人・物を)ずらっと並べる」といった意味があり、それでこの写真なのだろう。

収録曲は以下

A1 My Sweet Lord    
A2 Jesus Christ Super Star
A3 Day Tripper
A4 Summer Knows
A5 Bridge Over Troubled Water
A6 Close To You

B1 He Ain't Heavy He's My Brother
B2 Imagine
B3 Never Can Say Goodbye
B4 Casa Forte
B5 Nikki
B6 Raindrops

本作でのサウンドのテイストは、かのCTI作品を彷彿とさせるようなセンスの良いジャズ/ロックにまとまっており、全体にエレピを中心とした小編成のエレクトリック・ジャズコンボ演奏がオータサンのウクレレをサポートする。曲目を見るとロック寄りの選曲が目につくが、ジョージ・ハリソンの「マイ・スイート・ロード」、レノンのソロ「イマジン」、ビートルズの「デイ・トリッパー」を取り上げていて、どうやら気に入ったのかオータサンはずっと後の2002年になって、ビートルズと元メンバーのソロ曲を集めた「OHTA-SAN PLAYS THE BEATLES」というCDを出しており、そこでもこの3曲をすべて再演している。ただ、その時代特有の空気感が醸し出すリアルタイムな感覚は本作ならではのもの。溌剌とした60年代のオータサンとはまた趣きの違う、落ち着きを備えジャズよりに洗練されたクオリティ高い作品に仕上がっている。

あの小さく素朴なウクレレという楽器たった1本で、鑑賞に堪える音楽作品をアルバム一枚分完成するだけでも並大抵の事ではないだろうが、オータサンはアイデアに行き詰まるどころか、時代ごとの流行やサウンドをさりげなく柔軟に取り入れながら、実に多彩な作品群を次々と生み出してゆく所が驚嘆に値すると思う。

ライナーノーツによればこの時代のオータサンはライブ演奏の方面でもハワイ中のナイトクラブで引っ張りだこだったようで、イリカイ、シェラトン・ワイキキ、ハワイアン・リージェント、クイーン・カピオラニと言った一流ホテルのラウンジから、JB'sグリルやウルマウ・ビレッジのフラタウンと言ったライブスポットまで、出ずっぱりだったようだ。まだ年若いが、いっぽうでプロとして充分な経験も重ねて充実した時期だったに違いない。この勢いに乗って、のちに「Song For Anna」の世界的ヒットをものにする事となる。




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Plays The Theme From Hawaii Five-O (1970?)/ Ohta-San

2020年04月06日 | Ohta-San - Vinyl

Surfside recordsからの五作目。制作年度が不明だが、カタログナンバー一つ手前のSFS-106"Shades of Green/Linda Green"が1970年とあるので、本作(SFS-107)は恐らくオータサンの70年代に入って最初の作品だったろう。 しかし、ここで聴かれるサウンドはむしろ多分に60年代後期的である。あえて形容するならロッキン・ボッサ・インストとでもいおうか、ロック・インスト的な楽曲とクールなジャズ・ボッサが無理なく同居する。

ジャズ・ボッサ系の楽曲ではビブラフォンの使い方が効果的で、まるでレア・グルーヴ。もちろん従来からの流れでSeiji Hiraokaの参加を想像するところだが、本作でアレンジャー&コンダクターとしてクレジットされているのは、MAÇAO YAGUIという別の名前。もしや昭和・平成に活躍した日本のジャズ・ピアニストの八木 正生氏であろうか。数多くの映画音楽を手掛け、“ダバダ〜”のスキャットで知られるネスカフェのCMソングなどでも知られる作曲家である。

ジャケットに表記されている正確なアルバムタイトルは「OHTA-SAN Hawaii's Greatest Ukulele Player Plays The Theme From HAWAII FIVE-O And The Theme From ROMEO&JULIET And Other World Favorite」という長いもの。

選曲はボサノヴァとジャズの人気曲を中心に、バカラック、映画音楽、オータサンの自作曲を2曲(B4,B6)という選曲。そのB4は本アルバム収録のバージョンではアップテンポのジャズ・ロック調だが、のちに歌詞がつけられ女性歌手との"Linda Green with Ohta-San"名義でシングル盤としてリリースされた(Surfside Records ‎– 1006)。そちらはなんとグループサウンズのようなサイケ・ロック調の楽曲である。タイトル曲はアメリカCBS系で1968年から1980年まで12シーズンに渡り放送された、地元ハワイを舞台とする人気TVドラマから。

A1 Hawaii Five-O
A2 A Time For Us (Romeo & Juliet Theme)
A3 Wave
A4 Dindi
A5 April Fools
A6 Didn't We?

B1 Samba De Orpheus
B2 Green Dolphin Street
B3 Here's That Rainy Day
B4 Surfing Village
B5 Yesterday I Heard The Rain
B6 Love Can Be A Harmful Thing

録音はホノルルのCommercial Recording studioにて。プロデューサーはDon McDiarmid, Jr.




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