ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

ミスター・ウクレレ (1993) / ハーブ・オオタ

2020年11月23日 | Ukulele DVD
リットーミュージックから1993年にリリースされた、オータサンの映像作品(VHS)の一作目。後にDVDでリイシューされた。オータサンがまだ日本のレコード会社と契約して本格的な日本市場での再デビューを果たす直前の時期でもあり、日本の若いウクレレ愛好者に対してオータサン自身とそのウクレレ奏法を紹介する両方の意味合いで制作されたようだ。ウクレレという楽器が俄かに再び脚光を浴び、そのブームの兆しの中心的存在として突如担ぎ出された格好となったオータサンはこの年、リリース・ラッシュの様相を呈する事になる。

本作でオータサンの相手役を務めるのは若き日の山口岩男氏で、のちに"IWAO"名義で新世代の国産ウクレレプレーヤーの草分け的存在となり日本におけるウクレレ音楽市場の一翼を担う事になる。オータサンにミュージシャン(ギタリスト)視点での強い好奇心をもって質問を多く投げかけているのが印象的。

ほかにも同じくウクレレ再ブームの流れで大きな存在だったゴンチチのチチ松村氏との会話や短いジャムセッションの場面も目を引くが、さらに興味深いのは93年というこの時点で、ライル・リッツとのウクレレでの共演作についても紹介されており、なんとレコーディング風景の映像(音声は聴く事が出来ず、映像のみ)を見ることができる。本編中で岩男氏にリリース時期を聞かれたオータサンは「ボク全然知らないの・・・」と大笑いしているが、実際にリリースされたのは1996年のアルバム「Magical Ukulele 」か、そうでなければずっと後の2001年のアルバム、「Ukulele Duo」の一部として収録される事になる音源のレコーディング風景であった可能性もあるだろう。

(収録内容)
・演奏「Over The Rainbow」、「Nadia's Dream、「スターダスト」、「ショパン エチュード3番」、「マラゲーニャ」ほか
・奏法解説(山口岩男氏の質問に答える形で、実演しつつテクニック解説)
・チチ松村(トークとジャムセッション)
・ライル・リッツとのレコーディング映像(映像のみ)


ウクレレのコードチャートが付録で同封されている。


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Ka Mea Ho'okani 'Ukulele (1991) / Ohta-San

2020年11月09日 | Ohta-San - CD

数あるPoki Records作品中で恐らく唯一、CD化されているオータサン作品。プロデューサーはLea A.Uehara。録音はAudio Resource,ミキシングはDolphin Studio。タイトルはハワイ語で「ウクレレのプレーヤー」といった意味らしい。

収録曲は以下
1 Waikiki Beach
2 Blue Lei
3 Royal Hawaiian Hotel
4 Pua Lokelau
5 Poki's Blues
6 Kainoa
7 Kaulana O Hilo Hanakahi
8 Po'ipu I Kaua'i
9 My Yellow Ginger Lei
10 Beautiful Kanani
11 Manuela Boy
12 Kanpai

バンド・メンバーは以下
Herbert Ohta - 'Ukulele
Francis Ho'okano - Vibes
Josef Podrouzek - Acoustic Guitar
Lyle Ritz - Acoustic Bass
Herbert Ohta Jr. - 6 string tenor 'Ukulele

ここで目を引くのはまずライル・リッツの参加。50年代ヴァーヴでの二枚のアルバムで知られるジャズ・ウクレレの先駆者だが、ここではベースを担当。彼はベーシストとしては、かの”レッキング・クルー”の一員として「ペット・サウンズ」はじめ数々のアメリカン・ポップス名盤でのプレイでも知られる西海岸セッション・ミュージシャン。加えて、当時若干20歳だったハーブ・オータ・ジュニアが本作でレコーディング・デビューを果たしている。ここでは6弦テナー・ウクレレを担当(7.ではソロも披露)。

内容は他Poki Records作品と同様、本作もハワイ・ローカルのマーケットを強く意識したもの。アルバム・タイトルにわざわざハワイ語を使っている点にも、そうした意図が表れているだろう。ライナーノーツにも本作が同レーベルでの7作目である事、近年日本でのジャズやニューエイジ音楽の吹き込みが続いているが、喜ばしい事に当レーベルにおいて再びハワイ音楽を演奏・・・といった事が書かれている。(※本サイトにて紹介済のPoki系列レーベル作品を数えてオヤ一枚足りないな、と気づいた方は鋭い。もう一枚まだ未紹介の作品がありますが、これは後日!)しかし、アルバムのラストを飾るは長渕剛の「乾杯」である。




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