ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

déjà vu - The Romantic Sound of Ukulele (1993) / Herb Ohta

2020年12月21日 | Ohta-San - CD

M&H Hawaiiからの93年リリース。

このM&Hというレーベルは地元ハワイにおけるオータサンのマネジメント会社による制作で、所謂自主制作盤に近いものと思われる。古いものだと80年代のアナログ・レコード時代から既にオータサン作品の音盤が確認できるが、CDの時代に入って以降は、ハワイ制作によるオータサン作品の大部分を担うレーベルとなってゆく。

本作でのオータサンは、シンセ、サックスとフリューゲルホーンのホーン・セクション、チョッパーベースやシンセベース等をフィーチャーしたエレクトリック・バンドによるスムース・ジャズ調サウンドに挑戦している。イントロだけ聴いていると、おやっケニーGか?と思わせるような曲もチラホラ(それでタイトルが「デジャブ」という事ではないだろうが)・・・。もちろん、曲が始まれば主役はオータサンによるウクレレ演奏である。

プロデュースはオータサン自身で、エグゼクティブ・プロデューサーはオータサンのマネージャー(ミチコ・ウラタ)がクレジット。録音はホノルルのRendez-Vous Rec, Inc.。

収録曲は以下
1.Wind Beneath My Wing
2.Love Won't Go Away
3.Watermelon Man
4.Feeling Like It Lately
5.Magical Magazine Madness (vocals/Andrea Lee Young)
6.Jami
7.Deja Vu
8.L.A. (vocals/Andrea Lee Young)
9.Ponteio
10.That's What Friends Are For

3. はハービ・ハンコック原曲。タイトル曲7.はアイザック・ヘイズ作でディオンヌ・ワーウイックが歌った79年のヒット。9.は71年CTIでのアストラッド・ジルベルトとスタンリー・タレンタインの共演盤でも有名なブラジル音楽。ラストを飾るバラード10.はスティービー・ワンダー、エルトン・ジョン、ディオンヌ・ワーウイック、グラディス・ナイトの4人が歌い、MTV旋風に乗って82年にヒットした「愛のハーモニー」。オータサンはアルバム全体の半分に相当する5曲(2,4,5,6,8)を自ら作曲している。

メンバーは以下
Herb Ohta: `ukulele
David Choy: saxophone
Tony Flores: percussion
Mike Lewis: fluegel horn
Pierre Grill: keyborads
Andrea Lee Young: vocals (on 05, 08) 

毎年実施されるオータサンの日本ツアー会場でこうしたCDを購入すると、終演後にオータサンからサインを頂くことができるほか、ハワイに行くと現地のCDショップや大型書店等でも売られていた。アーチストがCDを自主制作してコンサート会場でグッズとして自ら販売する手法は、今や日本国内でも多くのプロ・ミュージシャンが採用しているが、CD業界の衰退がアメリカでは早くから急速に進行したため、オータサンもハワイにおいては90年代から一早くこうした手法を取り入れたのだろう。

こうして毎年夏近くになると、コンサート・ツアーにあわせてハワイ側では新作CDが準備されるようになってゆく一方で、日本ではウクレレ復権やハワイ人気により大手レコード業界各社から新作CDのリリースが逆に増加したため、90年代以降2000年代にかけて発表されるオータサンの新作CDアルバム総数は驚くべき増殖の一途をたどってゆくのだ。





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Islands Forever with good old folks (1993) / Ohta-san

2020年12月07日 | Ohta-San - CD
オータサンとは1953年に日本ウクレレ協会の発足に伴い銀座で出会った、というマイク山野氏との個人的な長年の交流により実現した録音盤。山野楽器(Yamano Music)からMike's Pocketというシリーズで1993年にCDリリースされた。録音は93年1月17日ホノルルにて。

本盤でオータサンの伴奏を務めるのは70年代に多くのオータサン名義のアルバムに参加していたFrancis Hookano(ビブラフォン)に加え、ベースのRobin Parazは、オータサンの覆面バンド「Poki-San & Friends」のアルバム(1974、後にオータサン名義で「Instrumental Hawaiian Favorites」としても再リリース)でベースを弾いていた他、アルバム「Hawaiian Musical Treasures (1980)」でもオータサンのバックをつとめた(両アルバムともFrancis Hookanoも参加)が、ベースのピッチが時折気になる箇所があり、この人は他の吹込みでも同様の傾向があるようだ。ライナーノーツによれば25年余に亘り幾つかのホテルを渡り歩いて共に演奏していた仲間との事で、そのせいか作品としてしっかりと作り込まれたレコーディングというより近しい仲間内でのリハーサルを雰囲気もそのままに記録したような音源のように聴こえる。一部の楽曲ではチープなリズムマシンが使れ、オータサンご自身も本当に正規にリリースされる作品として考えていたのか或いは私的なデモテープ録音のつもりだったのか微妙な所ではあるが、今となっては日本での再ブレイク直前に残された貴重な記録音源ともいえる。楽曲はハワイアンの有名曲をラウンジ・ジャズ風味でアレンジした演奏を中心とした構成で、或いはこのメンバーでのハワイのホテル・ラウンジ等における"営業"ライヴ用の演奏メニューであったのかもしれない。

1.Kuu Ipo I Ka He'e Pueone  
2.Hawaiian Wedding Song
3.Beyond The Reef
4.Kalua
5.In A Little Hula Heaven
6.Pili Ho'oipoipo
7.I'll Remember You
8.Waikiki
9.Waikoloa
10.E Maliu Mai

93年というとちょうどオータサンが日本のレコード会社と契約して日本"再"デビューを果たす前年の「空白期間」に当たり、一方でウクレレという楽器が再ブームの盛り上がりを見せる中でリリースされる機会を得た本音源では、正規盤らしからぬ私的なデモテープのような内容が却って興味をそそる、謎多き一枚




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