ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

Strum Your Ukulele (1950's) / Johnny Almeida and his Hawaiians

2021年08月30日 | Hawaiian Ukulele

ずっと欲しくて探していて、やっと入手できた一枚。音源の方はMP3が流通しており、聴いてはいたので内容が良い事は事前にわかっていたが、レコード盤はある時にはあるのに、無いときは全くでない(当然か)。ウクレレをフィーチャーした50年代スヰングのハワイ・インスト音盤である。

このアルバムはLPのフル・アルバム(LP-3423)だと12曲入りで、先のMP3で全曲聴く事ができるのだが、やっと入手した拙宅の盤はその抜粋版に相当する7インチシングル(EP 46)で、片面に2曲ずつ、4曲収録しているもの。選曲違いで同じ体裁・タイトルの7インチ盤が他に2種類あり、(EP44、47)全部揃えばコンプリートなのだが、わざわざ7インチ盤3枚に分割したものがLPと別に存在するのはジュークボックス向けだったかもしれないと推測する。

レーベルの49th State Hawaii Recordは、ホノルルのレコード店Maestro Record Store が地元ハワイ音楽の需要隆盛を見て取り1946年に設立。本盤のJohn Kameaaloha Almeidaや、 Gabby Pahinui、Genoa Keaweなど後にハワイ音楽のレジェンドとみなされるローカルのアーチストを多く吹き込みを行った。正確なリリース年が例によって不明ながら、カタログナンバー前後から推測して本盤も同様に50年代の作品とみて間違いないだろう。

本作の主役John Kameaaloha Almeidaは1897年生まれ、盲目のマルチ楽器奏者・作曲家で、戦前1930年代のラジオ全盛時代から戦後1985年に亡くなるまで300曲以上もの楽曲を生み出し活躍したハワイ音楽の重要人物の一人。多くの楽器をこなしたが、元々は天才ウクレレ少年として知られるようになり、ハワイの伝統音楽と教会での西洋音楽の双方から音楽的影響を受けながら成長し、10代で自らの楽団を率いやがてハワイ王室からも声がかかる程になった。戦後は若手後進の発掘育成にも尽力し、Genoa Keaweなどを世に紹介した。本盤は『ウクレレを弾きませう』といった意味のタイトル通り、ウクレレによるハワイ風スヰング・ミュージックといった内容である。裏ジャケットにはFor Dancing or Your Listening Pleasureとある事からダンス音楽としての需要も意識した吹き込みだったことが伺える。

A1 Hawaiian Town - Lovely Sunrise Haleakala
A2 Ho'Oluana - Na Pua Like Ole
B1 Pua Carnation
B2 Aloha Kuu Ipo Aloha

A面は2曲ともウクレレをフィーチャーしたミドルテンポのスヰング。B面はスチールギターがリードを取りウクレレがバックにまわる。楽団はクラリネットやビブラフォンを配したスイング・バンド編成である。

9月よりまた平常運転に戻り、隔週での更新。いよいよ偉大なキャリアの頂点に達する2000年代以降のオータサン音盤の軌跡を辿ってゆこう。



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Mungo Plays Ukulele (1960) / Mungo Harry Kalahiki

2021年08月23日 | Hawaiian Ukulele

先に紹介したネルソン・ワイキキのアルバムと同様、ハワイ音楽の名門Tradewinds Recordsからのリリース(TS-101)。こちらも2012年にCord internationalという会社がライセンスを受けて簡易な紙ジャケット仕様でCD化された。ハワイ録音。

Harry Kalahikiは1928年生まれというからオータサンより6歳年上、戦後にハワイのローカル音楽シーンで活躍したウクレレ奏者である。中華系移民とハワイアンのハーフで、サーファーでもあり、ミュージシャンとして"The Twilighters"他幾つかのグループを渡り歩いたが、本業はハワイアン・エアーの従業員という兼業ミュージシャンだったようだ。1991年に亡くなっている。

1 Galop (The Comedians)    
2 Granada
3 Muskrat Ramble
4 Hanohano Hanalei
5 Eighteenth Century Drawing Room
6 March Medley (Over Hill, Over Dale - Anchors Aweigh - Marine Hymn - Air Corps March)
7 Palolo
8 September Song
9 Ka Ua Loku
10 I Know That You Know
11 Claire De Lune
12 Tea For Two

伴奏は自身が所属するグループ"The Twilighters"のメンバーがつけていて、
Kahea (Arranger & Bass) 
Kala (Drums) というシンプルなジャズ風のコンボ編成。

1.は運動会の徒競走で必ずかかる、アノ曲である。6.は行進曲メドレーで、鼓笛隊を模した太鼓や笛が入っていて面白い。8.は男性コーラス入りのジャジーな60'sラウンジ風の演奏でなかなか聴かせる。10.はウッドベースとの追いかけっこのようなアレンジが楽しいスインギーなナンバー。11.はコードソロによるクラシックの独奏。ウクレレ演奏はコード演奏とジャカソロを主体とした素朴なスタイルが持ち味。



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Favorite Selections By Johnny Ukulele (1960) / Johnny Ukulele

2021年08月16日 | Hawaiian Ukulele

ジョニー・ウクレレはハワイ島ヒロ出身のアメリカの俳優、ウクレレ奏者。その俳優としてのキャリアによって、本作はハリウッドを拠点とするアメリカ本土のキャピトル・レコードからのリリースという機会を得た。なんと1901年生まれというから、あのビル・タピアより7つも上のウクレレ界の最長老格だ。生涯唯一のアルバムという本作の時点で、すでに60歳頃だった計算になる。キャピトルが現存するアメリカの大手レコード会社であることから、後に日本で世界初CD化までされた(「おしゃれで心地良く、優れた音楽を集めた"フレスカ・ハワイ"シリーズ」6タイトルのひとつとして)。1971年にアメリカ本土のLAで亡くなっている。

1 Ua Like No A Like
2 Maui Chimes
3 Hawaiian Wedding Song
4 Jungle Song
5 Blue Hawaii
6 Tea For Two Cha Cha
7 Hawaiian War Chant
8 Wailana (Drowsy Waters)
9 The Third Man Theme
10 Kohala March
11 Hawaiian Music Box
12 Black and White Rag

アメリカ本土でのマーチン・デニーなどエキゾチカ音楽の需要に応えたレコードだろう、4.(その名も「ジャングル・ソング」)ではお馴染みマーチン・デニーお家芸の動物の鳴きまね(Bird Calls)もふんだんに使われている。他の選曲は「ブルーハワイ」はじめ、ハワイを舞台にしたアメリカの映画音楽などいかにもラウンジ風な内容で、ウクレレのスタイルは恐らくマーチン製のソプラノ・ウクレレによる素朴なトレモロ奏法を中心としたエディ・カマエに近いスタイル。そもそもウクレレを中心としたレコードは珍しい上に、ジョニー氏もちゃんと弾ける人だったようで、内容は悪くない。





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Ukulele Stylist (1962?) / Nelson Waikiki

2021年08月09日 | Hawaiian Ukulele

正確な制作年度は不明だが、リリース元のレーベルであるTradewinds Recordsのカタログナンバーを辿ると本作がTS-108、その前後でTS-106「Slack Key Guitar In Stereo/Leonard Kwan, Raymond Kane」 が1961年作、TS-110「Folk Songs Of Hawaii/ Noelani Kanoho Mahoe」が1963年とある事から、恐らく1962年頃の作と推定する。 同レーベルはスラックキーギター関連の名盤など保有するハワイ音楽の名門レーベル。

本作の主人公、 Nelson Waikikiは同レーベルから二枚のアルバムを発表しているが、一枚目の本作はのちにCord Internationalなる会社がTradewinds Recordsのライセンスを受け簡易な紙ジャケット仕様でCD化した。特に2「Misty」が名演奏として知られている。ハワイ録音。

1 Hi‘ilawe (Slack Key Uke)
2 Misty
3 Philippine Themes
4 Slack Key Medley
5 Kokoni Sachi-Ari
6 Nani Waimea
7 Kalakaua
8 Caravan
9 Yellow Bird
10 Nalani
11 Never On A Sunday
12 Hawaiian Medley
           
5「ここに幸あり」は、昭和の日本映画の主題歌だが、昭和33年(1958)9月に大津美子が三橋美智也とともにハワイ公演した事から、現地の日系人の間で大ヒットした。オータサンのDeccaからの一作目「Ukulele Isle(1965)」でも演奏されていた。

Nelson waikikiを含む演奏メンバーは"The Troubadors" として北米と日本をツアーした経験もあり、本作に先立ってグループとして"Maui Hawaiians"名義でのアルバムも出している。
Nelson Waikiki - ukulele
"Kani" Nahaku - accordian & ukulele
Alika Kaopuiki - ukulele
Leo Villarimo - bass
"Tutu" Kanaha - guitar
Hanale Gadall - ukulele
Abe Kahookele - ukulele
Al Corden - ukulele

素朴なトレモロ奏法による、心和むウクレレ演奏。伴奏はいかにも場数を踏んで様々な営業現場を盛り上げてきたプロのツアーバンドといった風情がある。本作に続くソロ名義二作目のアルバムでは、バンドメイトのアコーディオン奏者Kani Nahaku とのダブルヘッダー作品としてリリースされている。




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Pacific Ukelele (1972) / Sione Aleki

2021年08月02日 | World Ukulele

昨年に続き、今年も8月中は夏休みスペシャルと勝手に題して、オータサン以外にもある!すばらしきウクレレ音盤の世界を週刊ペースでご紹介したいと思う。

最初はこちら、Hibiscusというニュージーランドのレーベルが出していた「South Pacific Festival Of Arts」というシリーズの一枚。フィジー共和国の首都Suvaで開催された同名の音楽フェスでの実況録音盤のようである(録音では観客の歓声などはフェイドアウト編集により聞こえない)。

A1 Song Of The Islands    
A2 Pokarekare Ana
A3 Hano Hano Lei
A4 The Sheik Of Araby
A5 Five Feet Two Eyes Of Blue
A6 Hawaiian Song

B1 On The Beach
B2 12th Street Rag
B3 Ukulele's Song Of Love
B4 Hilo March
B5 When The Girl In Your Arms
B6 Farewell Songs
a. Maori: Po Atarau (Now Is the Hour)
b. Fijian: Isa Lei

本作の主役であるSione Alekiは、トンガ出身の盲目のウクレレ奏者。スティールギター入りのハワイアン風バンドを従えた演奏だが、メンバー等は不明。

トンガはハワイやタヒチ、イースター島などと同じくポリネシア圏に属する王国で、楽器伝来の起源は不明ながらウクレレなどの楽器を奏でながら宗教曲などを合唱する文化もあるという。 

Sione Alekiというアーチストについては日本では殆ど知られていないが、本アルバムのジャケット写真に見られるように「歯でウクレレを弾く」ほか、ウクレレをひっかき、叩き、地面にこすりつける等、音を鳴らす為のあらゆる方法を駆使し、傷だらけでボロボロのウクレレを弾き倒す独特の演奏スタイルの持ち主だったようだ。

このように書くと何やらキワモノという印象を持たれてしまうが、レコードで聴ける音は意外なほどオーセンティックなコード奏法&ジャカソロ。トリッキーな音はA4.のエンディング近くあたりに、擬音が少々聞かれる程度。この72年制作のレコードは「12th Street Rag」や「Hilo March」、「Five Feet Two Eyes Of Blue」といったウクレレ定番曲も含め、この時代に録音されたウクレレ音楽としては偏見無しに素晴らしい演奏で、一聴に値する。

YouTubeには生前の多くの動画がシェアされており、2009年に故郷トンガで亡くなるまで演奏を続けていた様子を閲覧することができる。



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