ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

A Night of Ukulele Jazz/Live At McCabe's (2001) / Lyle Ritz & Herb Ohta

2021年10月25日 | Ohta-San - CD

この年は3つの国と地域、都合4つのレコード会社からオータサンのCDが一挙リリースされている。

アメリカ本土から、
・Flea Market Music (本作) 新録、ライル・リッツとの共演盤(ライヴ録音)

日本から、
・ビクター(Globe Rootsシリーズ) 新録、ライル・リッツとの共演盤(スタジオ録音)
・ポリドール 70年代日本吹き込みアナログLPのCD復刻盤

ハワイから、
・M&H  オータサン初のソロ(独奏)ウクレレ、新録

このように多くの新録を含むCDが届けられた中、本作では90年代から数多くのアルバムでベーシストとしてオータサンを支えたライル・リッツが、ジャズ・ウクレレのレジェンドとして本格的な共演を果たしている。ウクレレでの両者共演は、遡る事5年前の「Magical Ukulele (1996)」が伏線であったろう。アメリカ本土のFlea Market Musicからリリースされたライヴ盤(本作)と、日本制作のスタジオ盤(ビクター盤)の両方がこの年リリースされた。

ライヴ収録が行われた録音日は記載がなく不明だが、ビクターのスタジオ共演盤のライナーノーツにあるサザン関口氏のコメントによれば、本作の録音されたライブは前年の2000年で、そのあと同じパッケージで日本でのコンサートツアーも実施されたとの事で、時系列ではこちらのライヴ収録がスタジオ盤より先・・・と言いたいところだが、このあたり少し込み入った事情がある。(詳しくは次回の更新記事で!)

カリフォルニアのサンタモニカに現存するギターショップ「McCabe's」でのライヴ録音。以前に一度店に立ち寄ってみたことがあるが、プロのギタリストがメンテナンスに愛器を持ち込むような老舗の楽器店で、店内にライヴスペースを併設しており、音楽や朗読などのイベントを時折開催してるようだった。

ハワイのオータサンにとって南カリフォルニアはアメリカ本土の中でもとりわけハワイとの繋がりが強く、多くの熱心なハワイ音楽やウクレレの愛好家がいる土地柄で、受け入れられやすかっただろう。ライル・リッツにとってはかつてレッキング・クルーの一員として数々の名盤に参加したお膝元であり、多くの音楽ファンが長年のベーシストとしてのキャリアを認知していたに違いない。

なお、ライル・リッツはそもそもスタジオワークを生業としたミュージシャンのため、ライヴ録音盤も数多いオータサンに対して、本作はライル・リッツがウクレレ奏者として生前に遺した唯一のライヴ実況録音盤(映像作品を除く)であり、その意味でも貴重な音盤と言えるだろう。

1. Lulu's Back In Town
- ライル・リッツ
2. Triste
- ライル・リッツ
3. Where Or When
- ライル・リッツ
4. Tonight You Belong To Me
- Emily Ritz & Lyle Ritz
5. Bluesette
- ライル・リッツ
6.The Very Thought Of You
- ハーブ・オオタ
7. September Song
- ハーブ・オオタ
8. I'll Remember April
- ハーブ・オオタ
9. Song For Anna
- ハーブ・オオタ
10. Stompin' At The Savoy
- アーティスト: Herb Ohta & Lyle Ritz
11. Joy Spring
- アーティスト: Herb Ohta & Lyle Ritz
12. Fly Me To The Moon
- アーティスト: Herb Ohta & Lyle Ritz

前半がライル・リッツ、後半にオータサンそれぞれのパートがあり、最後に両者共演という体裁をとっている。また演者はクレジットがなく不明だが、ウッドベースが加わっている。4.はリッツ家の微笑ましい親娘共演(DVDでも共演していた)。両者共演のパートでは、いつもマイペースな二人の大ベテランも興が乗って大熱演を聴かせている。

アルバムの立役者はアメリカ本土におけるウクレレ再評価の仕掛人であるFlea Market MusicのJim Beloff。同じくファンとして自分が聴きたい夢の競演アルバムだったに違いない。



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Ukulele Masters in Japan 1960-1964 (2000) / Herb Ohta, Eddie Kamae

2021年10月11日 | Ohta-San - CD

2000年にビクターからリリースされた、オータサン最初期のレコーディングを収録したコンピレーションCD。まだ地元ハワイ、アメリカ本土でのレコードデビューよりも以前に、師匠エディ・カマエの紹介で日本のビクターに吹き込んだ10インチレコード「南の夜のウクレレ・ムード (1961)」、「ウクレレ・ラテン・ムード (1963)」など複数の音源からコンパイル。

その後何度も再演される事になるレパートリーも含まれており、最初からハワイアンの枠に収まらず、ラテンからジャズまでウクレレという素朴な楽器1本を駆使して見事に表現してしまうオータサンの原型を既にここで聴くことができる。

後半にはオータサンの師匠であるエディ・カマエによる、同レーベルへの吹き込みも併せて収録しているが、元々は両者の共演による新録アルバムの企画が進んでおり、実現しなかったようである。同氏のウクレレによるインスト演奏はこの他にハワイのMahalo Recordsから出した「Heart Of The Ukulele」というアルバム一枚しかない。

収録曲
1~10、 「南の夜のウクレレ・ムード (1961) /ハーバート大田とハワイアン・オーケストラ」より全曲を収録
(オリジナル盤はモノラルであったが、ここではステレオ・バージョンで復刻)

1ピーナッツ・ベンダー
2カルア
3マナクーラの月
4恋人よ、アロハ
5スイ-ト・レイラニ・メドレー
(SWEET LEILANI~HOLOHOLO KAA~ KAULANA O HILO HANAKAHI)
6森の小径
7ロンリー・ワン
8ポインシアーナ
9ジェラシー
10南国の夜

11~14、ステレオ盤「ウクレレ・ラテン・ムード (1963) / ハーバート太田のウクレレとラテン・コンボ」6曲中4曲をオータサン自身が選曲し収録。なお正しい字は「大田」だが誤字の「太田」でクレジットされた。

11ベサメ・ムーチョ
12ムーン・イズ・イエロー
13イエスタデイズ
14クマーナ
- ここまでアーティスト: ハ-ブ・オオタ

15~16、後に1995年のCDアルバム「Together Again」(アルファ)で本格的な再共演を果たす事になる、ジャズ・ミュージシャンのMauricio Smith(Flute)が編曲を担当した音源。明記がないが1963年~64頃、ハワイ帰国直前の録音のようだ。

15エンジェル・アイズ
16鈴懸の径
- ここまでアーティスト: ハーブ・オオタ/マリシオ・スミス

17~26、「南海のウクレレ・ムード (1960) / エディー・カマエ」より全曲を収録

17珊瑚礁の彼方
18マラゲーニャ
19愛の誓い
20鈴懸の径
21ケ・カリ・ネイ・アウ
22シー・ブリーズ
23愛の調べ
24サマータイム
25荒城の月
26アロハ・オエ
- ここまでアーティスト: エディ・カマエ

オータサンはもともとアメリカ海兵隊の兵隊さんとして、朝鮮戦争中の日本語通訳として日本に駐屯していたので、ホノルルに戻って除隊して本格的にプロとしての活動をスタートする以前から、これら日本での吹き込みは始まっていたようである。この当時オータサンが多用していたトレモロ奏法等には師匠エディ・カマエからの影響が伺えるが、この時点ですでに師を凌ぐ多様なテクニックを披露している。オータサンがウクレレ奏者としてのキャリアを積んでいった一方で、師匠のエディ・カマエは後にサンズ・オブ・ハワイを結成し、ハワイ音楽の復興に重要な功績を残した事は記すまでもない。

両者は常々インタビューなどでお互いの師弟関係について言及することはあったが、のちに「ウクレレ・レジェンズ・イン・コンサート」 (2010年2月10日/Waterfront Aloha Tower Marketplace) で共演した際の様子が映像に収められ、DVD化された。




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