ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

Holiday For Strings (2001) / Ohta-san"Herb Ohta" Ukulele Solo

2021年11月22日 | Ohta-San - CD

ハワイM&Hからのリリース。録音は今回もハワイのオーディオリソース。満面の笑顔のジャケット写真は前作「Ukulele Duo」のパッケージ裏面でライル・リッツと並んで撮影した際の写真からの転用だろうか。

オータサンの全曲ウクレレ・ソロ(独奏)によるアルバムとしては、この前年(2000)に全曲バッハにウクレレ独奏で挑戦したというアルバム「Ukulele Bach/Herb Ohta」(Music Scape)があるが、恐らくM&Hレーベルではこれが最初。ジャズ、ラテンからクラシックの難曲まで、極めて充実した聴きごたえのある骨太な印象の作品に仕上がっている(本作はいつも以上にクラシック多め)。

あの小さな楽器ひとつであらゆるジャンルを飲み込む音楽的な懐の深さ。実際は相当練習して録音に臨むのだろうが、本番では如何にもサラリと弾いてのけるプロ根性、まさに『ウクレレの神様』である。

1.Holiday for strings
2. La virgen dela marcarena
3. Vesti la giubba "from Pagliacci"
4. Rhapsody on a theme of Paganini 18th variation
5. Swan Lake overture to act 2
6. Warsaw concerto
7. Ave Maria
8. Pavane for a dead princess
9. Serenade
10. Reverie
11. Concerto de Aranjuez
12. Un bel-di "from Madame Butterfly"
13. Bolero
14. Rhapsody in blue

1.はEddie Bushの60年代同名アルバムのバージョンでもお馴染みだが、ウクレレ・ヴァージョンでのモトネタは50年代のDon Buduriaにも遡ることができる。原曲は40年代のアメリカで20年以上放送された、人気TVショウのテーマソング。オータサンは3.と12で通常のレギュラー・チューニング(Hi-G)、その他の全曲でLow-Gチューニングのウクレレを使用。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Ukulele Duo (2001) / Ohta-San "Herb Ohta" & Lyle Ritz

2021年11月08日 | Ohta-San - CD

2002年HAWAII MUSIC AWARD(ジャズ部門)受賞作

ビクターにおけるオータサンとしては三作目で、同社によるワールドミュージックのシリーズ「Globe Roots」の二作目としてリリース。50年代にアメリカでジャズ・ウクレレのアルバムを発表している名手ライル・リッツとの共演盤。ライル・リッツはハワイへ移住していた90年代を通じてオータサンの大半のレコーディングをベーシストとしてサポートを続け、1995年にはウクレレ・プレーヤーとして35年ぶりのアルバム制作も実現していた。

ライナーノーツにあるサザン関口氏の解説によると、前年にアメリカでのライヴ収録があり、日本へのコンサートツアーも実現。それを受けて2001年3月にハワイのオーディオリソース・スタジオで本作が制作された。そのオーディオリソース・スタジオとはかつてのサウンズ・オブ・ハワイ・スタジオだそうだ。

しかし、スリーブのレコーディングデータを併せて確認してみると、2001年3月に録音されたのは1,3,8,9の4曲だけで、大半を占める残りの6曲(2,4,5,6,7,10)の録音日はなんと1993年2月と明記されている(場所は同じオーディオリソース)。つまり、もともと二人による演奏が未発表の状態で8年近く存在していて、そこにツアー後に4曲を追加収録してアルバム一枚分に仕上げた事になる。1993年というと、ライルリッツのウクレレでのカムバック・アルバム「Time(1995)」、或いはオータサンとのウクレレ共演を含む「Magical Ukulele (1996)」よりも前の録音という事になる。


1 Shoo-Fly Pie And Apple Pan Dowdy    
2 Stompin' At The Savoy
3 Triste
4 Autumn Leaves
5 Teach Me Tonight
6 Sambadouro
7 Lulu's Back In Town
8 I Won't Dance
9 Bluesette
10 Dream

オータサンは全曲でマーチンのソプラノ・ウクレレを使用。
ライル・リッツは6曲(2,4,5,6,7,10)をマーチンのテナー、残り4曲をコオラウのテナー・ウクレレを演奏(チューニングは4弦が高いD-G-B-E調弦との事)。

アメリカでリリースされたライヴ盤では全編ベースのサポートが入り、ライルのソロパート、オータサンのソロパート、最後に二人共演という構成になっていたが、スタジオ収録の本作ではサポート・メンバーは入らず全曲がオータサンとライル・リッツのウクレレ・デュオという構成になっている。二人のウクレレのスタイルやリズムの取り方の違いが鮮明に聴きとれる。

ライル・リッツがジャズ・ウクレレのレコードをアメリカのヴァーヴ・レコードに吹き込んだのは50年代。オータサンはこの頃兵役にあった為にレコードデビューは60年代と遅いが、ライルは1930年生まれ、オータサンは1934年生まれという事で年齢も近く、同世代。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする