ウクレレとSwing(スヰング)音盤

ブログは「ほぼ隔週月曜更新」を目安に、のんびりやっています。レコードやCDはすべて趣味で集めたもので販売はしていません。

The Folk Music Of Hawaii (1971) / Sons Of Hawaii

2024年07月29日 | Hawaiian Ukulele
ギャビー・パヒヌイとエディ・カマエらによるサンズ・オブ・ハワイ71年の代表作。ウクレレ音楽という視点で見れば、本作でエディと共にウクレレを弾いているモエ・ケアレから親戚の子だったスキッピー&イズラエルの兄弟を通じて、次世代グループのマカハ・サンズ・オブ・ニイハウへと豊かなハワイ音楽の伝統は引き継がれていった。一方でエディ・カマエからやはり次世代の若手だったオータサンへと受け継がれたウクレレ・バーチュオーゾの系譜も重要だ。

本作は完品であれば12インチのLPアルバム (KN1001)に7インチのシングル盤 (KN1002)、冊子 "On Hawaiian Heritage" (ハワイ伝承や伝統音楽を紹介するハードカバー本)および "The Musicians"(メンバーの詳細なバイオグラフィと解説本)が付属するボックスセットの体裁が揃っていなければならないが、残念ながら中古で入手した拙宅の盤は付属品はすべて欠落していた。

A1 No Ke Ano Ahi Ahi
A2 Kanaka Hawaii
A3 Ku'u Pete
A4 Mauna Alani
A5 Waikiki Hula
A6 Ka Lae O Ka Ena
A7 Hanohano Hawaii

B1 I Love Christmas
B2 Po'e Koa
B3 Moe Kokolo
B4 Huelo
B5 Wai Ulu
B6 Mana Kapalulu
B7 Aloha Chant

Vocals – Eddie Kamae, Gabby Pahinui, Moe Keale
Ukulele – Eddie Kamae, Moe Keale
Steel Guitar – David Rogers , Gabby Pahinui
Acoustic Guitar – Gabby Pahinui
Acoustic Bass – Joe Marshall

写真の個体の様にリリース時点でのレーベル表記は"Panini Productions"となっていたが、後にPanini Recordsと改められた。録音はオータサン諸作品でもお馴染みCommercial RecordingおよびSounds Of Hawaii スタジオ。プロデュースはLawrence Brown, Steve Siegfried, Witt Shingleがクレジットされている。



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Keala (1978) / Makaha Sons Of Ni'ihau

2024年07月15日 | Hawaiian Ukulele

なんと愛らしいジャケット写真だろう(まるで大きなぬいぐるみのようだ)。ハワイ音楽の巨星、イズラエル・カマカヴィヴォオレが実兄スキッピーと共に在籍したグループ、Makaha Sons Of Ni'ihauは1976年にデビューし、1978年発表の本作が3作目のアルバムである。レーベルは同時期にオータサンも在籍していたお馴染みPoki Records、という事で当然プロデュースも名匠Bill Murata。


イズラエルは6歳からウクレレを弾き始め、11歳でサンセット・クルーズ(船上から日没を眺めるハワイの観光船)ヨットでスキッピーと演奏をして稼ぐようになった。1971年頃には叔父でサンズ・オブ・ハワイに参加していたモエ・ケアレについてエディー・カマエやギャビー・パヒヌイ達レジェンドから直接に音楽的な洗礼を受けた。兄のスキッピーらとローカル・コミュニティでグループとしての音楽活動を始めたのは1974年、まだ15歳の時だったという。本盤の録音はその僅か3年後、 Sounds of Hawaii Studios にて1977年の6月に行われた。

こうした経緯からMakaha Sons Of Ni'ihauはサンズ・オブ・ハワイに影響を受けたローカルの若者たちが楽器を手に取り始めたグループではあるが、なんといってもハワイ語で歌われるモダンなボーカル・ハーモニーがグループ独自の個性として光っていた。イズラエルの祖父が教会の牧師だった、という話もあるようなのでやはり讃美歌ルーツなのだろう。本作でも素朴なアコースティック・サウンドにのった美しいボーカル・ハーモニーが楽しめる。

ところでイズは体が特大サイズなので写真では小さなウクレレを抱えてかわいらしく見えるが、ソロ・アーチスト時代に愛用したウクレレ、実はMartin style-1 Tenor というウクレレとしては大型の楽器なのであった。本盤のジャケットでは8弦のタロパッチと呼ばれる別タイプのウクレレを抱えている。

A1 Ka Pua E
A2 Ka ‘Ehukai
A3 Pakalolo
A4 Sand
A5 Aia I Ka Maui
A6 Kahea O Keale

B1 Manu Kapalulu
B2 Kiss Me Love
B3 Keala
B4 Ka Loke O Maui
B5 Aloha Ka Manini
B6 E Iesu E Ku‘u Kahu

Vocals – Abraham Nahulu, Elmer Kohala Lim, Israel K. Kamakawiwoole, Louis Moon Kauakahi, Melvin Amina, Skippy Kamakawiwoole 

なお表ジャッケットに映る12弦ギターは日本のヤマハ製である。


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Far Away Places (2013) / Janet Seidel Trio & Friends

2024年07月01日 | World Ukulele
2005年のヒット盤「マナクーラの月」の続編的なアルバム。再びチャック・モーガンが巧みなジャズ・ウクレレを披露する、オーストラリアの人気ヴォーカル/ピアニスト=ジャネット・サイデルの日本先行盤。録音は2012年シドニー、メルボルン、ゴールドコーストで行われたようだ。

ライナーノーツによればなんでも2012年にブロッサム・ディアリーの追悼コンサートに出演するためグループが訪れたロンドンのアンティーク店で、チャック・モーガン氏が1920年代マーチン製のヴィンテージ・ウクレレを入手。音がいいのでこれを使って録音を、という事で本盤の企画が実現したという。本当なら今回はウクレレありきの企画だったという事になるが、アレンジは管楽器も数曲で加わり、チャック・モーガンも曲によってはギターも弾いており、サウンドの幅は広がっている。(ちなみにベースのデヴィッド・セイデルの使用楽器は前述のヴィンテージ・ウクレレよりさらに100年遡りなんと1820年の英国製ダブルベースとある)。

1 La Paloma    
2 Love, Your Magic Spell Is Everywhere
3 Suzukake no Michi
4 Recado Bossa Nova
5 Sands In My Shoes
6 Historia de un Amor
7 Too Darn Hot
8 Autumn In New York
9 Take the A Train
10 La Javanaise
11 Kiss of Fire (el Choclo)
12 Midnight Sun
13 Maui Holiday
14 Far Away Places
15 Golden Slumbers

Clarinet – Paul Furniss
Double Bass – David Seidel
Drums – Hamish Stuart
Guitar, Ukulele – Chuck Morgan
Percussion – Fabian Hevla
Soprano Clarinet – Mitchell Morgan
Tenor Saxophone – Ben Jones
Trumpet – Bob Henderson
Vocals, Piano – Janet Seidel

チャック・モーガン氏の巧みなジャズ・ウクレレは本作でも存分に楽しむことができる。本盤のリリースにあわせ日本国内ツアーも行われたようだ。



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