仕事だから仕方ないだろ!
かあちゃんは子供のころ
父ちゃんや母ちゃんに
いや、
ほぼ父ちゃんに100万回くらい言われた
100万回は大袈裟
100回に達する前にかあちゃんは色々なこと
諦めた
絶対に自分は使うまいと思ってきた
でも、
もしかしたら
もう100万回くらい言ってるかも知れない
100万回は大袈裟
仕事と子供とどっちが大事なの?
そんなことを尋ねようとしたことは一度もない
だって、
仕事に決まってる
そんなこと
そんなクダラナイ質問
するだけ虚しい
そう思って育ってきた
だから、
絶対に仕事を子どものことより優先することは
絶対にしたくなかった
でも。
おかあちゃん、
これ、けんちゃんのだよ
取っちゃダメだよ
大丈夫
大きさを測りたいだけ
前に会社で袋を作るって布をたくさん切ったでしょ
今度はね、これを作ろうと思うんだ
なんで袋を作る仕事が終わったら
また仕事があるの?
ここ最近、
せっかく臨時閉館が終わった児童センターに
行きたいって言うのを
仕事が一段落したらね
と言って我慢させている
ちょっとくらいの我慢は必要
なんでも思い通りになんていかない
そういうの学ぶのも有り
でも、
それが
かあちゃんの持ち帰り仕事のせいでなくてもいい
先週の帰り道
児童センターの約束を反故にされて
でも、仕方ないと割り切ろうと
必死のけんちゃんは
びっくりするくらいの大声をあげて泣きまくり
今日がいい!と叫びながら
でも、
かあちゃんに手を引かれて
足はゆっくりながら家に向かって歩いた
たまに立ち止まっては
悔しそうに、でもでも・・・今日がいい
って言いながら。
そうだよね、本当は約束したんだもんね
今日のはかあちゃんが悪いね
でも、帰ってお仕事しなくちゃって
涙が浮かんだ
お仕事したいって
言いそうになって、違うって思って。
家でお仕事しないで!
泣きながら言葉を搾り出して
それでも、ちっちゃな歩幅だけど、
たまに立ち止まるけど
かあちゃんと繋いだ手を振りほどいたりしない
こんなはずじゃなかった
保育園のお迎えついでに児童センターに行きたいわけじゃない
そして、
我慢だって必要だし、
世の中には理不尽なことは山盛りあるし。
けど、違うんだ。
週末の今日だって明日だって、
パソコン前にしたかあちゃんの近くに来ては
本を読んでほしいとか
パズルをしようとか、
工作をするからテープを取って欲しいだとか、
そういうけんちゃんにイラッとする
違う
こんなはずじゃなかった